「N高・S高の学費って、実際いくらかかるの?」——お子さんの進路を検討するなかで、こうした疑問を抱えている保護者の方は多いのではないでしょうか。通信制高校の費用は学校や選択するコースによって大きく異なるうえ、国の支援制度を活用することで実質負担を大幅に減らせるケースもあります。正確な数字と制度の仕組みを整理してお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
S高等学校とはどんな学校なのか
S高等学校(エスコウトウガッコウ)は、学校法人角川ドワンゴ学園が運営する広域通信制高校です。同法人はN高等学校(N高)も運営しており、両校は「ネットの高校」として知られています。2021年4月に開校したS高は、N高と同様にインターネットを活用した学習環境が特徴で、全国どこに住んでいても入学できます。
学習の仕組みとしては、通信制高校の仕組みに基づいて「ネットコース」と「通学コース」の2種類が用意されています。ネットコースはネット上で授業を受けながら自分のペースで学べるスタイルで、通学コースはキャンパスへ週1〜5日通う頻度を自分で選べるスタイルです。それぞれに費用の構造が異なるため、コース選びの段階から費用をイメージしておくことが大切です。
文部科学省「学校基本調査」(2023年度)によると、広域通信制高校への在籍者数は全国で約26万人にのぼり、近年は増加傾向にあります。通信制高校が多様な生徒の受け皿として機能している背景には、学費の柔軟性や学習スタイルの自由度があると考えられます。
S高等学校の費用:コース別の内訳
S高等学校の費用は大きく「入学金」「授業料」「施設費などの諸費用」の3つに分かれます。S高公式サイト(2024年度時点)の情報をもとに、コース別の費用感を整理します。
「ネットコース」の場合、入学金は10,000円、年間授業料は約180,000円(月額15,000円程度)が目安とされています。これに加えて、学習教材費やシステム利用料として年間数万円程度がかかるケースがあります。
「通学コース」の場合は、週に通う日数によって費用が異なります。週1日コースから週5日コースまで選択肢があり、通学日数が増えるほど費用も上がる仕組みです。週5日の通学コースでは年間の総費用が100万円を超えることもあり、ネットコースと比較すると大きな差があります。
また、希望者が受講できる「課外授業」や「プログラミング」「Eスポーツ」といった特別コンテンツについては、別途オプション費用がかかります。これらは必須ではなく任意選択のため、基本の費用とは切り離して考えることが重要です。
なお、費用は入学年度や改定によって変わる可能性があります。最新の金額は必ずS高等学校の公式サイトまたは入学相談窓口でご確認ください。
就学支援金でどれだけ負担が減るか
ここが重要です。S高等学校を含む通信制高校の多くは、文部科学省の「高等学校等就学支援金制度」の対象校となっています。この制度は、世帯年収に応じて授業料の一部または全部を国が補助するものです。
文部科学省「高等学校等就学支援金制度」(2024年度)の概要は次のとおりです。
1.支給対象:国公私立の高等学校等(通信制高校を含む)に在籍する生徒
2.世帯年収の目安:年収約910万円未満の世帯が対象となります
3.通信制高校の支給上限:年間で297,000円(月額24,750円)が上限です(低所得世帯の場合はさらに加算あり)
4.手続き:学校を通じて申請するため、保護者が直接申請する必要はありません
つまり、ネットコースの年間授業料が180,000円程度であれば、就学支援金の支給額がそれを上回るケースもあり、実質的な授業料の自己負担がゼロに近くなる可能性があります。ただし、就学支援金はあくまで「授業料」への補助であり、教材費・施設費・通学コースの加算料金などには適用されないため、注意が必要です。
通信制高校全体の費用相場と比較して考える
S高の費用を検討するうえで、通信制高校全体の費用相場を知っておくと判断の基準になります。
文部科学省「子供の学習費調査」(2022年度)によると、私立通信制高校の年間学習費総額の平均は約420,000円という調査結果があります。公立通信制高校の場合は約60,000円程度と大きく異なります。
この数字をもとに整理すると、S高のネットコースは私立通信制の平均と同程度か、やや低い水準といえます。一方、週5日の通学コースは私立通信制の平均を大きく上回るため、サポート体制と費用のバランスをよく検討することが求められます。
また、通信制高校に加えてサポート校を利用する場合には、サポート校の費用が別途発生します。大学受験対策を専門とするサポート校の場合は、年間数十万円単位の費用がかかるケースもあります。通信制高校とサポート校の両方を利用する「ダブルスクール」は費用が積み上がりやすい点に注意が必要です。
まとめ
S高等学校の費用は、選ぶコースによって年間数万円から100万円超まで幅があります。まず「ネットコース」と「通学コース」のどちらが生活スタイルに合うかを検討し、その後に就学支援金の活用可否を確認するという手順で進めることをおすすめします。就学支援金は世帯年収が目安の条件を満たせば、授業料の大半を補填できる可能性があります。費用の最終確認はS高等学校の公式サイトまたは入学相談窓口で行ってください。保護者の方が「制度をうまく使えた」と感じられるよう、制度の仕組みをしっかり理解したうえで学校選びを進めていただければと思います。
・文部科学省「高等学校等就学支援金制度」https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/
・文部科学省「子供の学習費調査(2022年度)」https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa03/gakushuuhi/
・文部科学省「学校基本調査(2023年度)」https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kihon/
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