「うちの子、このまま中学を卒業してどうなるの?」と、夜も眠れないほど不安になっている保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。中学3年生の秋になっても学校に行けていない状況では、進路のことを考えるだけで胸が締め付けられるような気持ちになるかもしれません。でも、選択肢は一つではありません。費用・スケジュール・手続きの3点とともに、今のお子さんに合う進路を一緒に探していきましょう。
不登校の中学3年生、今どのくらいいるの?
まず、現状を数字で把握しておきましょう。文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(2023年度)によると、中学校における不登校の児童生徒数は216,822人にのぼり、過去最多を更新し続けている傾向が見られます。中学生全体に占める割合も約7.0%と、クラスに2〜3人はいる計算になります。
これは、不登校がきわめて特別な状況ではなくなっていることを示しています。そして、不登校のまま中学3年生を迎えたとしても、高校進学や高卒資格の取得に進んでいる方は大勢います。大切なのは「どのルートが今のお子さんに合っているか」を、あせらず見極めることです。
進路の選択肢は、大きく分けると次の4つになります。
1.全日制高校(チャレンジ入試・面接重視の学校など)
2.通信制高校(私立・公立)
3.定時制高校
4.高卒認定試験を経て大学・専門学校へ進学
それぞれに特徴がありますので、次のセクションから一つずつ確認していきましょう。
通信制高校という選択肢
通信制高校は、不登校経験のある方が多く選ぶ進路の一つです。登校頻度がゆるやかで、自分のペースで学習を進められる点が大きな特徴です。
公立の通信制高校と私立の通信制高校では、費用と手厚さにかなり差があります。公立の場合、年間の授業料はおおむね3〜5万円程度(就学支援金の適用で実質無料になるケースもあります)と、比較的低コストです。一方、私立の通信制高校はサポートが手厚い分、年間で30〜70万円前後が目安となっており、学校によって大きく異なります。最新の費用は必ず各校の公式HPでご確認ください。
また、「サポート校」という仕組みもあります。通信制高校の学習を手厚くフォローする民間の教育機関で、週5日通えるコースを設けているところもあります。生活リズムを整えながら卒業を目指したい方にも向いているといわれています。サポート校は各都道府県に複数あるため、お住まいの地域の情報を学校の先生や教育委員会に確認してみてください。
手続きの流れ1.各校の資料請求・学校見学(10〜11月が目安)
2.出願書類の提出(学校によって12〜1月が多い)
3.面接・作文などの選考(筆記試験がない学校も多い)
4.合格通知の受領、入学手続き(2〜3月)
お子さんが嫌がったら無理に押しつけないでください。まずは資料を取り寄せて一緒に読むところから始めると、話しやすくなる場合があります。
定時制高校という選択肢
定時制高校は、夕方や昼間に授業を行う公立高校が多く、全日制よりも登校回数は少なめです。4年間で卒業するケースが一般的ですが、3年間で卒業できる学校も増えています。
費用は公立の場合、就学支援金を活用すれば実質無償に近いケースもあります。全日制のような「内申点重視」の入試ではなく、面接や作文を中心に選考する学校が多いため、中学3年間で成績が振るわなかった場合でも受験できる可能性があります。
定時制は地域によって学校の数や特色がかなり異なります。お住まいの都道府県教育委員会のホームページで、地元の定時制高校の一覧と入試日程を確認しておくことをおすすめします。
スケジュールの目安・9〜10月:学校見学・説明会への参加
・11月:中学校との進路面談(調査書の作成依頼)
・1〜2月:出願・入試
・3月:合格発表・入学手続き
高卒認定試験という選択肢
「高校に通うこと自体がまだ難しい」というお子さんには、高卒認定試験(高認)という道もあります。高認に合格すると、大学・短大・専門学校の受験資格を得ることができます。高校卒業の資格ではありませんが、就職や進学に活用できる資格です。
試験は年2回(8月・11月)実施されており、16歳以上であれば受験が可能です。文部科学省の公式データによると、2023年度の高卒認定試験の合格者数は22,931人、合格率は44.8%という結果でした(出典:文部科学省「令和5年度第1回高等学校卒業程度認定試験結果」)。一発合格でなくても、科目ごとに合格が積み上がる仕組みなので、自分のペースで進めることができます。
大学受験を目指す場合は、高認取得後に予備校や学習支援機関を活用する方も多くいます。不登校経験者や通信制高校出身者を対象にした大学進学コースを設けている機関もありますので、各機関の公式サイトや教育相談窓口でご確認ください。
費用の目安・受検料:各科目850円〜(8科目フル受験で8,500円前後)
・予備校・塾の費用:通う場合は各機関の公式HPでご確認ください
まとめ
不登校の中学3年生が選べる進路は、「通信制高校」「定時制高校」「高卒認定試験」と複数あります。どれが正解ということはなく、今のお子さんの状態や意欲、将来の目標に合わせて選ぶことが大切です。
まず今週できることとして、①お住まいの地域の通信制高校・定時制高校の資料請求、②文部科学省または各校の公式HPで費用と入試日程を確認、③中学校の担任や教育相談の先生に現状を伝えて調査書の相談をする、という3ステップから始めてみてください。一つずつ動き出すことで、不安は少しずつ小さくなっていくはずです。お子さんのペースを大切にしながら、一緒に道を探していきましょう。
・文部科学省「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/
・文部科学省「令和5年度第1回高等学校卒業程度認定試験結果」https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/futoukou/
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・不登校から通信制高校へ進む方法と費用の目安:https://futoukou.co.jp/correspondence-school/
・高卒認定試験の仕組みと受験スケジュール:https://futoukou.co.jp/high-school-equivalency/
・不登校の中学生の進路相談窓口と支援制度:https://futoukou.co.jp/support-system/

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