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不登校の子どもを持つ保護者が使える助成金と自治体支援制度

不登校の子どもを持つ保護者が使える助成金と自治体支援制度

「うちの子が不登校になって、フリースクールや民間の支援機関に通わせたいけれど、費用が心配で踏み切れない」――そんなお声は、保護者の方から非常によく聞かれます。実は、国や自治体にはさまざまな費用補助・支援制度が存在しますが、制度の名称や申請方法がわかりにくく、「知らないまま使えていなかった」というケースも少なくありません。制度の全体像を把握しておくだけで、お子さんへの支援を大きく前進させられる可能性があります。

目次

まず押さえたい:不登校の現状と支援の背景

文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(2023年度、文部科学省生徒指導ページより)によると、小・中学校における不登校児童生徒数は約34万6,000人に達し、過去最多を更新し続けています。この数字は10年前の約2倍以上にあたり、不登校はもはや一部の子どもだけの問題ではなくなっています。

こうした背景から、国は2023年に「こども基本法」を施行し、こども家庭庁を設置しました。こども家庭庁は「こどもがまんなかの社会を実現する」という理念のもと、不登校を含む子ども・家庭支援の政策を強化しており、自治体レベルの支援制度も整備が進んでいます。

また、文部科学省は2023年3月に「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLOプラン)」を策定し、フリースクール等の民間施設との連携強化や、不登校の子どもが利用できる支援の幅を広げる方向性を明確に示しています。保護者の方が「支援を求めて当然」という時代に変わりつつあることを、まず知っていただきたいと思います。

国レベルの支援制度:何が使えるのか

国が設けている不登校関連の支援制度は、大きく3種類に整理できます。

1.就学援助制度
市区町村が実施する制度で、経済的に困難な家庭を対象に学用品費・給食費・修学旅行費などを補助します。不登校であっても在籍している学校に籍がある限り申請できます。所得基準は自治体によって異なりますが、生活保護基準の1.2〜1.5倍以内の世帯が対象となる場合が多く、実際に利用している家庭は全国で約140万人(出典:文部科学省「就学援助実施状況等調査」2022年度)に上ります。

2.高校生等奨学給付金
高校に在籍している場合、住民税非課税世帯を対象に授業料以外の費用(教科書・教材費など)が給付されます。通信制高校に在籍している不登校経験の子どもも利用できる場合があります。

3.高校生等への修学支援新制度(授業料無償化・就学支援金)
2020年度から拡充された制度で、世帯年収目安590万円未満の家庭が対象となり、通信制高校を含む高校の授業料が支援されます。私立通信制高校でも利用でき、不登校を経て通信制高校を選んだ家庭にとって実質的な費用負担を大幅に下げる効果があります。

自治体独自の助成金・補助制度:3つの種類で整理する

国の制度に加えて、都道府県・市区町村が独自に設けている支援も多数あります。これらは「助成金」「補助金」「給付金」など名称がバラバラなため、わかりにくさの原因になっています。ここでは3つに整理します。

1.フリースクール等利用料への補助
民間のフリースクールや学習支援施設の利用料を一部補助する制度です。東京都では「フリースクール等に通う不登校児童・生徒への支援事業」として月額最大2万円を補助する区市町村への助成制度があります(出典:東京都教育委員会公式サイト)。同様の制度が、神奈川県・大阪府・愛知県などでも広がっています。ただし、制度の有無・補助上限額・対象施設の認定基準は自治体によって大きく異なります。

2.不登校の子ども向けの居場所・支援センター利用
教育支援センター(適応指導教室)は全国に約1,800か所設置されており(出典:文部科学省「令和4年度不登校児童生徒への支援に関する中間評価」)、無料で利用できます。学習支援・相談支援・体験活動などが受けられます。

3.ひとり親・低所得家庭への上乗せ支援
ひとり親家庭向けの「母子父子寡婦福祉資金貸付金」(厚生労働省)も、不登校により進路変更が必要になった場合の学習費用として利用できる可能性があります。こちらは無利子〜低利子での貸付制度です。

自治体の制度を調べる「正しい方法」3ステップ

自治体の支援制度は、インターネット検索だけでは全体像をつかみにくいことがあります。以下の3ステップで調べると、確実に情報を得やすくなります。

1.お住まいの市区町村の「教育委員会」に問い合わせる
まず、市区町村の教育委員会に「不登校の子どもが使える補助や支援制度はありますか?」と直接電話・窓口で確認するのが最も確実な方法です。担当者が最新の制度をご案内してくれます。

2.都道府県の教育委員会サイトを確認する
都道府県レベルで独自の補助制度を設けている場合、都道府県教育委員会の公式サイトに「不登校支援」「フリースクール支援」などのページが設けられていることがあります。「〇〇県 フリースクール 補助」などのキーワードで検索してみてください。

3.こども家庭センター・子育て支援窓口に相談する
2024年度から各市区町村に設置が進んでいる「こども家庭センター」は、不登校を含む子どもと家庭に関する総合相談窓口です(出典:こども家庭庁公式サイト)。支援制度の紹介だけでなく、お子さんの状況に合わせた個別の支援計画も一緒に考えてもらえます。制度を探しながら、専門家の支援も得られる窓口として活用できます。

「助成金」と「給付金」「貸付金」の違いを整理する

同じ「お金がもらえる(借りられる)」制度でも、性質が異なります。混同すると後で困ることがあるため、整理しておきます。

「補助金・助成金」:返済不要です。ただし対象条件・申請期限・利用できる施設の認定などに条件があります。フリースクール補助などが該当します。

「給付金」:返済不要で給付されるお金です。就学支援金・奨学給付金などが該当し、申請すれば直接振り込まれます。

「貸付金」:借りて後で返すお金です。無利子・低利子のケースが多く、進学費用などに使えますが、返済計画を立てた上で利用する必要があります。

制度を検討する際は「これは返す必要があるのか、ないのか」を必ず確認してください。自治体の窓口や公式サイトで明記されていますが、わからない場合は担当者に直接聞くのが安全です。

まとめ

不登校の子どもを持つ保護者の方が活用できる助成金・補助制度は、国・都道府県・市区町村の3層にわたって存在しています。ただし、制度の名称や対象条件が自治体によって大きく異なるため、「自分の地域にどんな制度があるか」を確認することが何より重要です。まずはお住まいの市区町村の教育委員会か、こども家庭センターに問い合わせることをおすすめします。費用の心配でお子さんの支援が後回しになってしまうのは、本当にもったいないことです。制度を正しく知り、使えるものはしっかり活用してください。

・文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(2023年度) https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/
・文部科学省「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLOプラン)」 https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/futoukou/
・こども家庭庁 公式サイト https://www.cfa.go.jp/
・文部科学省「就学援助実施状況等調査」(2022年度) https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/career/05010502/017.htm

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・不登校の子どもが通えるフリースクールの種類と費用:https://futoukou.co.jp/support-system/
・通信制高校の学費と就学支援金の活用方法:https://futoukou.co.jp/correspondence-school/
・不登校の子どもの進路を考えるときの選択肢:https://futoukou.co.jp/career-path/

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