「通信制高校に進んだら、大学には行けなくなるんじゃないか」と心配されている保護者の方は、少なくないのではないでしょうか。結論から言えば、通信制高校からの大学進学は十分に現実的な選択肢です。ただし、全日制高校と同じ感覚で進めると後手に回ることも事実です。この記事では、通信制高校からの大学進学率の実態、各校の進学支援体制、そして「いつ・何を・どう準備するか」を具体的にお伝えします。
通信制高校の大学進学率は全日制と差があるのか
通信制高校全体の大学進学率と全日制高校の大学進学率には、現時点でも差があるとされています。文部科学省が毎年公表している「学校基本調査」(令和5年度版)によると、全日制・定時制高校の大学等進学率が約57%であるのに対し、通信制高校全体の大学等進学率は約17%という数値が公表されています(文部科学省「令和5年度 学校基本調査」)。
ただし、この数値を単純に比較することには慎重になる必要があります。通信制高校には、社会人・職業訓練中の方・すでに就職が決まっている方など、そもそも大学進学を目指していない生徒も多く在籍しています。そのため「通信制高校の進学率が低い=大学に入りにくい」とは一概には言えません。
実際に大学進学を目標とした生徒に絞った場合、進学支援コースを持つ通信制高校では相応の合格実績を残しているところも少なくありません。たとえばN高等学校・S高等学校・R高等学校(以下、N高グループ)の公式サイトでは、2026年度の大学合格実績を公表しており、国公立大学や難関私立大学への合格者が出ていることが確認できます(N高等学校公式サイト、2026年04月取得)。
大切なのは「通信制全体の平均値」ではなく、「その学校で・その生徒が・どう取り組むか」です。保護者の方には、学校全体の数字よりも、志望校に合った進学支援コースの有無や受験対策の中身を確認していただくことをおすすめします。
大学進学を支援する通信制高校のコース・体制
大学進学を目指すなら、進学支援に力を入れている学校・コースを選ぶことが現実的な出発点になります。2026年04月時点の各校公式サイトから確認できる情報をもとに、代表的な体制を紹介します。
第一学院高等学校(公式サイト、2026年04月取得)では、「プレミアムコース〈大学進学専攻〉(週5日登校)」「国公立・難関私大特化クラス」「社会探究×総合型選抜専攻」など複数の進学向けコースを設置しています。全国67キャンパスを展開しており、近くのキャンパスで週5日通いながら受験対策を進められる環境を整えています。
クラーク記念国際高等学校(公式サイト、2026年04月取得)は、1992年に通信制高校として開校し、2025年度の大学進路実績を公式サイトで公表しています。「全日型」「スマートスタディ」「単位修得」と3つの通学スタイルから選べるため、週5日通学できる生徒から自宅中心で学ぶ生徒まで対応しています。
N高グループ(公式サイト、2026年04月取得)は、2025年12月末時点で全校生徒数35,744名と高校としては日本最大規模を誇ります。ChatGPTなど最先端のICTツールを活用した授業を提供しており、自宅でもキャンパスでも受験対策を継続できる仕組みが整っています。
いずれの学校も、最新の学費・コース内容は公式HPで必ずご確認ください。入学後にコース変更が難しいケースもあるため、学校説明会やオープンスクールで直接確認することをおすすめします。
通信制高校から大学を目指す具体的なスケジュール
通信制高校から大学受験を目指す場合、「いつから動き始めるか」が合否に大きく影響します。以下に逆算スケジュールの目安を示します。
入学の12ヶ月前(中学3年生の春〜夏)としては、志望する通信制高校の説明会・オープンスクールへの参加と、大学進学支援コースの有無・費用の確認が必要です。進学コースのある学校は定員が埋まりやすい場合もあるため、早めの情報収集が重要です。
入学後1年目(高校1年生)としては、まず高校卒業に必要な単位取得のペースをつかむことが最優先です。通信制高校では自己管理が求められるため、学習習慣の定着が後の受験勉強の土台になります。進学コースに在籍している場合は、英語・数学などの基礎固めをこの時期から始めることが理想的です。
入学後2年目(高校2年生)としては、共通テストを利用するか私立一般受験に絞るかの方針決定と、模試の受験開始が目安になります。大学入試センター公式サイトでは共通テストのスケジュールや出願要件が公表されているため、早い段階で確認しておくとよいでしょう。
入学後3年目(高校3年生)としては、4月〜6月が志望校の絞り込み、7月〜9月が過去問演習、10月〜11月が共通テスト対策の仕上げ、12月以降が私立一般入試の準備というスケジュールが一般的です。
お子さんが「受験を頑張りたい」という気持ちを持っていることが前提です。スケジュールを押しつける形にならないよう、お子さんのペースを確認しながら進めてください。
保護者が押さえておきたい費用と手続きの流れ
通信制高校に通いながら大学受験を目指す場合、学費と受験費用の両方を見通しておく必要があります。
通信制高校の学費については、学校によって大きく異なります。公立通信制高校の場合、就学支援金を活用すると実質的な負担が軽減される場合があります。私立通信制高校の場合は、年間数十万円から100万円超のケースまで幅があります。各校の公式HPに学費の目安が掲載されていますが、サポート費・教材費・スクーリング費用が別途かかる場合も多いため、必ず詳細をご確認ください。
大学受験にかかる費用の目安としては、共通テストの検定料(大学入試センター公式サイトによると、3教科以上の場合18,000円)、私立大学一般入試の受験料(1校あたり3万〜3万5千円が多いとされています)、さらに模試代・参考書代・予備校費用が加わります。進学コースのある通信制高校では受験対策が学費に含まれる場合もあるため、入学前に確認しておくと安心です。
手続きの流れは以下のとおりです。
1.希望する通信制高校のオープンスクール・説明会に参加し、進学コースの内容と費用を確認します。
2.出願書類を準備します(調査書・志願理由書・健康診断書など、学校によって異なります)。
3.入学後、担任またはカウンセラーと面談し、大学進学に向けたサポート体制を確認します。
4.高校2年生のうちに共通テスト利用の有無など受験方針を決め、大学入試センターの公式サイトで出願スケジュールを確認します。
5.高校3年生の4月以降、志望校の出願要件・調査書の扱いを各大学公式サイトで確認します。
まとめ
通信制高校からの大学進学は、適切な準備と学校選びによって十分に実現できる道です。文部科学省の「令和5年度 学校基本調査」では通信制高校全体の大学等進学率は約17%という数値が公表されていますが、これは大学進学を目指していない生徒を多く含む数字です。実際に進学支援コースを活用して大学合格を勝ち取る生徒は確実に存在しており、N高グループ・第一学院高等学校・クラーク記念国際高等学校など、大手の通信制高校は国公立大学・難関私立大学への合格実績を公式サイトで公表しています。大切なのは、学校全体の進学率よりも「どのコースで・どんな支援を受けられるか」を具体的に確認することです。まずはオープンスクールや説明会に足を運び、お子さんと一緒に学校の雰囲気を確かめることから始めてみてください。焦らず、お子さんのペースを大切にしながら進んでいきましょう。
参考情報
・文部科学省 大学・高等教育 公式サイト https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/index.htm
・N高等学校・S高等学校・R高等学校 公式サイト https://nnn.ed.jp/
・クラーク記念国際高等学校 公式サイト「2025年度 大学進路実績」https://www.clark.ed.jp/
・第一学院高等学校 公式サイト https://www.daiichigakuin.ed.jp/
関連記事
・通信制高校の選び方と学費の比較ポイント:https://futoukou.co.jp/correspondence-school/
・不登校から大学受験を目指すための進路ガイド:https://futoukou.co.jp/career-path/
・高卒認定から大学進学を目指す方法とスケジュール:https://futoukou.co.jp/high-school-equivalency/

コメント