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不登校でも高校受験はできる?内申点の影響と対策

不登校でも高校受験はできる?内申点の影響と対策

「うちの子は不登校だけど、このまま高校受験できるのだろうか」と、心配されている保護者の方は少なくないのではないでしょうか。特に気になるのが「内申点」への影響です。欠席日数が多いと成績がつかないのでは、受験そのものができないのでは、と不安が重なってしまいますよね。この記事では、内申点の仕組みと不登校との関係、進学先の選択肢、そして保護者の方が今できる準備を順番に整理してお伝えします。制度の複雑さを「なるほど」に変えることを目指しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

目次

内申点とは何か、まず仕組みを整理しましょう

内申点とは、中学校での各教科の成績(評定)をもとに算出される数値のことです。正式には「調査書点」とも呼ばれ、高校が入学者を選考する際に学力検査(当日の試験)と並んで参照する資料として使われます。

評定は通常、各教科5段階で評価されます。9教科すべての評定を合計すると最大45点になる計算で、都道府県や高校によってこの内申点を何割ウエイトに置くかが大きく異なります。たとえば「学力検査7割・内申点3割」の配分にしている都道府県もあれば、「内申点5割・学力検査5割」と同等に扱う地域もあります。

ここで重要なのは、内申点は「テストの点数だけで決まるわけではない」という点です。授業への参加態度、提出物の状況、実技教科の取り組みなど、日常的な学校生活が評定に反映されます。つまり、欠席日数が多い不登校の状態では、授業参加や提出物の提出が難しくなることがあり、結果として評定がつきにくくなるケースがあります。

ただし、評定が「つかない(空欄になる)」状態と「低くなる」状態は異なります。評定が空欄になることは通常は少なく、出席や提出物の記録が少ない場合でも、何らかの評価が行われることが多いとされています。具体的な扱いは都道府県や中学校によって異なるため、担任の先生や学校の進路担当者に確認することをおすすめします。

内申点の仕組みを知っておくことで、「どの部分が影響を受けやすいか」が見えてきます。次の見出しでは、具体的に不登校とどのような関係があるかを見ていきます。

不登校と内申点、実際にどう影響するのか

文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査(令和5年度)」によると、小・中学校における不登校児童生徒数は約34万人に達しており、特に中学生の不登校割合は増加傾向にあります。つまり、高校受験を控えた時期に不登校状態にある生徒が全国に多数いるという現状があります。

内申点への影響は、大きく3つの観点から考えることができます。

1.欠席日数が多いと「出席状況」の欄に記録される点

調査書(内申書)には、各学年の欠席日数が記録されます。公立高校の多くは、この欠席日数を参考情報として確認します。ただし、欠席日数だけで合否が決まるわけではなく、あくまで学力検査や内申点と合わせて総合的に判断される仕組みです。

2.評定が下がりやすくなる点

出席日数が少ないと、定期テストを受けられなかったり、実技教科の評価が難しくなったりすることがあります。その結果として評定が低くなるケースが出てきます。

3.都道府県・高校によって扱いが異なる点

文部科学省は各都道府県の教育委員会に対して、不登校生徒への配慮ある対応を促す通知を出しています。実際に、不登校であることを理由に出願を断ることは認められておらず、一定の配慮を行う都道府県も増えてきています。つまり、「不登校だから受験できない」ということはありません。

重要なのは、お子さんの状況に合わせて「どの高校のどの選考方法が合っているか」を探ることです。次の見出しでは、内申点の影響を受けにくい進学先の選択肢を整理します。

内申点の影響を受けにくい進学先の選択肢

内申点への影響が心配な場合でも、進学の選択肢はいくつか用意されています。状況に応じて検討できるよう、主な選択肢を整理します。

1.通信制高校

通信制高校は、学力検査や内申点を重視しない学校が多く、作文・面接を中心とした選考を行うケースが一般的です。文部科学省の調査によると、通信制高校の生徒数は近年増加を続けており、不登校経験者を積極的に受け入れている学校も多くあります。全国どこからでも出願できる広域通信制高校という仕組みもあります。

2.定時制高校

定時制高校も内申点の比重が比較的低い傾向があり、当日の学力検査や面接を中心に選考が行われる学校があります。夜間に通うイメージがありますが、現在は昼間部を設けている学校も多くなっています。

3.私立高校の一部コース

私立高校の中には、不登校経験者や学習に遅れのある生徒向けに「個別指導コース」「自立支援コース」などを設けているところがあります。内申点の取り扱いは学校ごとに異なるため、個別に学校へ問い合わせることが大切です。

4.公立高校の一般入試での「不登校特例配慮」

一部の都道府県では、不登校生徒に対して欠席日数の記録に注釈を加えたり、別の評価基準を設けたりする取り組みを導入しています。お住まいの地域の教育委員会や中学校の担任に確認してみてください。

選択肢の全体像を整理すると、内申点の比重が高い進学先としては公立高校の一般入試(都道府県によって配分は異なります)が代表的です。一方、内申点の比重が低い進学先としては通信制高校・定時制高校・私立高校の特別コースなどが挙げられます。選択肢の幅は確実に広がっています。焦らず、お子さんの状態と希望に合わせて確認していきましょう。

今から保護者にできる準備と相談先

「もっと早く知っていれば」と感じる必要はありません。今の時点から動き始めることで、選択肢を広げることができます。以下に、保護者の方が今すぐ確認・行動できることをまとめます。

1.中学校の担任・進路担当者に状況を確認する

内申点の計算方法や調査書への記載内容は、中学校によって異なる部分があります。担任の先生や進路指導の先生に「現在の出席状況で内申書にはどのように記載されるか」を率直に確認することが出発点になります。

2.フリースクール・教育支援センターの出席記録を活用する

文部科学省は、フリースクールや市区町村の教育支援センター(旧「適応指導教室」)への通所実績を、学校への出席として認める方向性を示しています。お子さんが通えている施設がある場合は、学校に出席扱いの申請ができるかどうかを確認してみてください。

3.志望校のオープンスクール・学校説明会に参加する

通信制高校や定時制高校は、毎年秋ごろから翌年春にかけて説明会を開催していることが多いです。直接学校に話を聞くことで、内申点の扱いや欠席日数への配慮についてリアルな情報を得られます。

4.都道府県の教育委員会・相談窓口を利用する

こども家庭庁(https://www.cfa.go.jp/)では相談窓口の案内を公開しています。また、各都道府県の教育委員会には「教育相談センター」が設置されており、進路に関する相談を無料で受け付けていることが多いです。

5.高卒認定試験という選択肢も念頭に置く

もし高校進学そのものが難しい状況であれば、文部科学省が実施する「高等学校卒業程度認定試験(高卒認定試験)」という制度もあります。令和8年度(2026年度)は第1回が8月6日・7日、第2回が11月7日・8日に実施予定で、合格すれば高校卒業と同等の学力があるとみなされ、大学受験などに活用できます(出典:文部科学省「高等学校卒業程度認定試験」公式ページ、2026年4月取得)。

一つひとつ確認しながら、お子さんに合った道を一緒に探していただければと思います。

まとめ

不登校の状態にあると、内申点への影響が心配になるのは自然なことです。ただし、「不登校だから高校受験ができない」ということはありません。内申点の比重が低い通信制高校や定時制高校、私立高校の特別コースなど、お子さんの状況に合った選択肢は確実に存在します。まずは中学校の担任や進路担当者に現状を確認し、フリースクールや教育支援センターの出席認定制度を活用することも大切な一歩です。文部科学省やこども家庭庁も保護者向けの相談窓口を設けていますので、一人で抱え込まずに活用してみてください。情報を整理しながら、お子さんのペースに合った進路を一緒に見つけていきましょう。

参考情報
・文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/
・文部科学省「高等学校卒業程度認定試験」公式ページ https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/
・こども家庭庁 公式サイト https://www.cfa.go.jp/

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・不登校から高校進学を考えるときの選択肢と手順:https://futoukou.co.jp/career-path/
・通信制高校の仕組みと選び方のポイント:https://futoukou.co.jp/correspondence-school/
・高卒認定試験の内容と活用方法:https://futoukou.co.jp/high-school-equivalency/

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