「学校には行けないけれど、勉強は続けさせてあげたい」と思っている保護者の方は多いのではないでしょうか。近年、不登校の中学生を対象にしたオンライン個別指導サービスが急速に増えており、選択肢が豊富になった一方で、「何をどう比較すればいいのか分からない」という声もよく聞かれます。この記事では、オンライン個別指導を選ぶ際に見るべき観点を整理しながら、どのような基準で比較すればよいかをご説明します。
不登校の中学生がどれだけいるか、まず現状を確認しましょう
よくある疑問とその回答
オンライン個別指導は不登校の子でも続けられますか?
自宅で受講できるため通学の負担がなく、時間帯も柔軟に調整可能です。マンツーマン形式なので自分のペースで学習を進められます。
料金体系はどのように比較すればよいですか?
月額制か回数制か、入会金の有無、教材費、1コマの時間単価を確認しましょう。無料体験で相性も確かめることが重要です。
出席扱いになる条件はありますか?
文科省の要件を満たし、在籍校の校長が認めれば出席扱いになります。事前に学校と指導サービスの両方に確認が必要です。
学習の遅れはどの程度取り戻せますか?
個別指導では学年をさかのぼった復習も可能です。生徒の理解度に合わせて計画を立てるため、着実に基礎から積み上げられます。
講師との相性が合わない場合はどうなりますか?
多くのサービスで講師変更が可能です。複数回の無料体験や担当制度の有無を事前に確認しておくと安心です。
オンライン個別指導の総合評価
| 評価項目 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 柔軟性 | ★★★★☆ | 時間・場所の自由度が高い |
| 個別対応 | ★★★★★ | 一人ひとりに合わせた指導 |
| 費用対効果 | ★★★★☆ | サービスにより幅がある |
| 出席扱い対応 | ★★★★☆ | 対応可否は事業者で異なる |
| 精神的サポート | ★★★★☆ | メンタル面の配慮も充実 |
オンライン個別指導の選び方を考える前に、現状のデータを確認しておきましょう。
文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(2023年度)によると、中学生の不登校生徒数は約21万6,000人に上り、在籍生徒数のおよそ7.0%にあたります。つまり、中学生のおよそ14人に1人が不登校という状況です。
この数字は10年前と比較しても大幅に増加しており、文部科学省も不登校対策を政策の重点事項として位置づけています。文科省の生徒指導関連ページ(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/)でも、不登校への対応が個別指導・相談支援の拡充という方向で進められていることが確認できます。
こうした状況を受けて、オンライン個別指導サービスが不登校の中学生向けに提供されるケースが増えています。自宅にいながら学習を継続できる手段として、多くの保護者の方が検討されています。
重要なのは、「学習の継続」だけを目的にするのではなく、お子さんの「学校復帰への不安軽減」や「自信の回復」も視野に入れた選択をすることです。オンライン個別指導はその手段の一つであり、万能ではありません。まずそこを押さえた上で選択肢を比較することをおすすめします。
より詳しい内容は「出席扱い制度に対応したオンライン教材の選び方とすらら」をご覧ください。
オンライン個別指導の主な種類を整理します
一口に「オンライン個別指導」と言っても、提供形態はさまざまです。保護者の方が混乱されやすい点ですので、大きく3つのタイプに分けて整理します。
1つ目は「マンツーマン型のオンライン家庭教師」です。講師と生徒が1対1でビデオ通話を通じてリアルタイムに授業を受けるスタイルです。生徒のペースに合わせやすく、不登校の子どもにとっては「誰かと話す練習」としても機能することがあります。ただし、講師との相性が大きく影響するため、体験授業を活用して合うかどうか確認することが大切です。
2つ目は「映像授業+質問対応型」です。あらかじめ録画された映像授業を視聴しながら、わからない部分をチャットや対面で質問できるスタイルです。自分のペースで進められる反面、コミュニケーションの機会が少ないため、孤立感を覚えるお子さんには向かない場合もあります。
3つ目は「学習支援+メンタルサポート一体型」です。勉強だけでなく、生活リズムの立て直しや心理的なサポートも行うサービスです。N高等学校のN中等部では「複数のメンターで生徒をサポートする」体制が整えられており(N高等学校公式サイト、2026年3月時点)、学習と情緒面の両方を支える仕組みが特徴です。また、専任の担当者が個別に関わる「マイコーチ」のような体制を採用している事例もあり、お子さんの状況に合わせた継続的なサポートが受けられます。
どのタイプが合うかはお子さんの状況によって大きく異なります。「今は人と関わること自体が難しい」という段階であれば映像授業型が向いている場合があり、「誰かと話したい、でも教室は怖い」という段階ではマンツーマン型やメンタルサポート付きが合う可能性があります。
比較するときに確認すべき5つのポイント
複数のサービスを並べて比較する際には、次の5つの観点で整理することをおすすめします。
1.不登校対応の専門性があるか
「オンライン個別指導」を名乗るサービスでも、不登校の子どもへの対応経験や専門知識の有無は大きく異なります。講師・スタッフが不登校支援に関するトレーニングを受けているか、心理的なケアができる体制があるかどうかを確認してください。
2.学習範囲の柔軟性があるか
中学校の学習内容に抜け漏れがある場合でも、小学校の内容まで遡って学べるかどうかは重要です。不登校の期間中に学習が止まっていたお子さんには、「今の学年の内容を追う」よりも「本人が理解できるところから始める」アプローチが有効なことが多いです。
3.料金体系が明確か
月額定額制か、コマ数課金制か、入会金の有無、テキスト費用の別途請求の有無などを事前に確認しましょう。「思ったより費用がかかった」というトラブルを避けるため、トータルの費用感を比較してください。
4.体験授業・無料相談があるか
お子さんとの相性を確かめるためにも、体験授業や無料相談の機会は必ず活用してください。申し込みを急がせるような対応をするサービスには注意が必要です。
5.学習以外のサポートがあるか
進路相談、保護者向けのフォロー、関係機関との連携の有無なども確認しておくと安心です。高卒認定試験対策と通信制高校のサポート校機能を組み合わせて不登校・高校中退者の大学進学まで見据えたサポートを行っている教育機関も存在します。中学生の段階からこうした進路を視野に入れている場合は、将来の接続まで含めてサービスの内容を確認しておくとよいでしょう。
費用・無料支援制度も合わせて確認しましょう
オンライン個別指導の利用に費用がかかることを心配されている保護者の方も多いと思います。実は、公的な支援制度がいくつか用意されています。
こども家庭庁では、不登校児童生徒への支援を政策の重点項目として掲げており、各自治体でフリースクールやICTを活用した学習支援の補助制度が整備されつつあります(こども家庭庁公式サイト、2026年)。
具体的には、お住まいの市区町村の教育委員会に「不登校支援の補助制度があるか」を問い合わせてみることをおすすめします。自治体によっては、オンライン学習ツールの費用補助や、教育支援センターでの無料個別学習支援を受けられる場合があります。
また、NHK for Schoolや文部科学省のSTEAM教材など、無料で利用できる学習コンテンツも充実してきています。有料サービスと組み合わせながら、負担を減らしつつ継続できる学習環境を整えることも選択肢の一つです。
費用の安さだけで選ぶことにも注意が必要です。サポートが手薄なサービスでは途中で続かなくなるケースもあります。「続けられるかどうか」を軸に、費用対効果で判断することをおすすめします。
まとめ
不登校の中学生向けオンライン個別指導は、「マンツーマン型」「映像授業+質問対応型」「メンタルサポート一体型」の3タイプに整理できます。お子さんの今の状態に合わせてタイプを選び、「不登校対応の専門性」「学習の柔軟性」「料金の明確さ」「体験の有無」「学習外サポート」の5つの観点で比較することが大切です。また、自治体の補助制度や無料学習コンテンツも活用することで、費用の負担を軽減できる可能性があります。まずは体験授業・無料相談から始めて、お子さんにとって無理なく続けられる環境を探してみてください。焦らず、一歩ずつ進んでいきましょう。
・文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(2023年度) https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/
・N高等学校・S高等学校公式サイト https://nnn.ed.jp/
・こども家庭庁公式サイト https://www.cfa.go.jp/
この点は「不登校の相談をオンラインでする方法と主な窓口」で詳しく取り上げています。
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