「子どもが誰かに話を聞いてほしそうだけど、どこに相談すればいいのかわからない」と感じたことはないでしょうか。不登校や学校でのトラブル、家庭内の悩みなど、子どもが抱える問題は多様です。そのようなとき、子ども自身が気軽に使える相談窓口として広く知られているのが「チャイルドライン」です。どんな仕組みで、どのように使えばよいのか、保護者としてどうお子さんに伝えればよいのかについて、順を追って整理していきます。
チャイルドラインとはどんな相談窓口なのか
チャイルドラインは、18歳以下の子どもが無料で利用できる電話相談窓口です。1994年にイギリス発祥の「チャイルドライン」をモデルとして日本に導入され、現在は公益社団法人チャイルドライン支援センターが全国の加盟団体と連携して運営しています。
電話番号は「0120-99-7777」で、無料でかけることができます(一部の携帯電話・IP電話を除く)。受付時間は毎日16時から21時(毎月最終土曜日の翌日の日曜日は12時から21時まで延長されることもあります)が基本とされています。
ここで重要なのは、チャイルドラインが「大人に代わって問題を解決する機関」ではないという点です。子どもの話をひたすら聴くことを目的とした、「傾聴型の相談窓口」であることが特徴です。アドバイスや指導をするのではなく、子どもが自分の言葉で気持ちを整理できるよう、ボランティアの相談員が寄り添います。
文部科学省は「いじめ問題を含む子供のSOSに対する取組」(出典:文部科学省 生徒指導等ページ、2025年5月取得)の中で、子どもが相談できる機関との連携を重視する姿勢を示しています。チャイルドラインはそうした相談機関の一つとして、学校外のセーフティネットとして機能しています。
匿名で利用できるため、名前や学校名などを伝える必要はありません。秘密は守られますので、子どもが「誰にも知られたくない」と感じていても、安心して使うことができます。
電話・チャット・メールの3つの使い方
チャイルドラインには、主に3つの相談方法があります。子どもの状況や性格に合わせて選べることが、利用しやすさにつながっています。
1.電話相談(0120-99-7777)
最も基本的な方法です。毎日16時から21時の間に無料で電話をかけると、ボランティアの相談員が応答します。つながりにくい場合があることも公式サイトで案内されていますが、かけ直すことができます。話したくない場合は、無言のままでも電話を切らずにいると、相談員が「聴いているよ」と伝え続けるというスタイルも取っています。
2.チャット相談
チャイルドライン支援センターの公式サイト(https://childline.or.jp/)では、チャットによる相談も実施されています。文字を打って相談できるため、「声に出すのが恥ずかしい」「電話が苦手」という子どもにも向いています。実施日・時間は電話と異なる場合があるため、公式サイトでの確認が必要です。
3.メール相談
同じくサイト上からメールで相談することもできます。リアルタイムのやり取りではなく、自分のペースで文章を書けるため、気持ちを整理してから送りたいという子どもに適しています。
保護者の方がお子さんに伝える際は、「誰かに怒られるわけじゃない」「話を聴いてくれる人が待っている場所だよ」と説明すると、子どもが利用しやすくなるでしょう。
どんな内容が相談できるのか
チャイルドラインに寄せられる相談内容は多岐にわたります。チャイルドライン支援センターが公開している年次データ(出典:チャイルドライン支援センター 活動報告)によると、年間を通じて数十万件以上の応答があり、相談テーマとして多いものは「友達関係」「学校・勉強」「家族関係」「自分自身のこと(悩み・不安)」などとされています。
つまり、「学校に行けていない」「いじめられている気がする」「親に言えないことがある」「死にたいと思うことがある」など、深刻な内容から日常的な悩みまで、幅広く受け付けています。
ここが重要です。チャイルドラインは「深刻な問題がないと使ってはいけない」窓口ではありません。「なんとなくモヤモヤする」「話を聞いてほしいだけ」という理由でも歓迎されています。相談員は解決策を押しつけるのではなく、ただ聴くことに徹しますので、子どもが「アドバイスされるのが嫌だ」と感じている場合でも使いやすい窓口です。
不登校の子どもにとっては、学校とも家庭とも切り離された「第三の場所」として機能する可能性があります。日中に家にいることが多く、孤立感を感じているお子さんにとっても、声を聞いてもらえる場所があることは大きな意味を持ちます。
保護者はどう子どもに伝えればいいのか
チャイルドラインを知っていても、「どう子どもに話せばいいかわからない」という保護者の方も多いと思います。伝え方のポイントをいくつか整理します。
1.「困ったときのために」と軽く伝えておく
「今困っているんじゃないかな」という文脈で話すと、子どもが身構えてしまうことがあります。「こういう場所があるよ」と、あくまで情報として渡しておくのが自然です。チラシや公式サイトの画面を一緒に見るのもひとつの方法です。
2.保護者は「内容を聞く」立場でないことを伝える
チャイルドラインに話した内容を「後で教えて」と言うと、子どもが遠慮してしまいます。「あなたが話したことは、お父さん・お母さんには伝わらない。あなたのための場所だよ」と明確に伝えることで、子どもが安心して使えます。
3.「使わなくてもいい」という姿勢も大切です
相談窓口の情報を渡すことで、「使わなければいけない」というプレッシャーにならないよう注意が必要です。「こういう場所があることを知っておいてほしいだけ」というスタンスで伝えてみてください。
文部科学省の生徒指導に関するページ(出典:文部科学省 生徒指導等ページ、2025年5月取得)でも、相談機関の情報提供は支援の第一歩として位置づけられています。保護者が「こういう場所があるよ」と知らせるだけでも、十分な支援の一つになります。
まとめ
チャイルドラインは、18歳以下の子どもが無料で使える傾聴型の相談窓口です。電話(0120-99-7777)・チャット・メールの3つの方法があり、匿名で利用できます。解決策を押しつけるのではなく、ただ「聴く」ことを大切にしているため、悩みの大きさに関係なく使えます。
保護者の方ができることは、まず「こういう場所がある」という情報を子どもに伝えることです。使うかどうかはお子さんが決めることで構いません。焦らず、「何かあったときの選択肢の一つ」として渡してあげてください。子どもが誰かに話せる場所を知っているだけで、孤立感は少しずつ和らいでいくことがあります。
・文部科学省「生徒指導等について」https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/
・チャイルドライン支援センター 公式サイト https://childline.or.jp/
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