「高校を卒業していないと大学には行けない」と思っていませんか。実は、大学に入学するための資格を得る方法は複数あります。通信制高校に在籍中のお子さんを持つ保護者の方、あるいは不登校のお子さんを持つ保護者の方にとって、この仕組みを正確に把握しておくことは、進路の選択肢を広げるうえでとても重要です。制度が複雑に見えるからこそ、ここで一度整理しておきましょう。
大学入学資格とは何か――基本の仕組みを整理する
注意してほしいこと
- 大学入学資格は複数のルートがあります
- 出願時期や必要書類は大学により異なります
- 不明点は志望校に直接確認しましょう
この記事のまとめ
- 高校卒業・高卒認定・18歳以上で資格取得可能
- 通信制高校卒業でも全日制と同じ資格です
- あなたに合った進路を選んで大丈夫です
大学に出願するには、「大学入学資格」と呼ばれる条件を満たしている必要があります。これは文部科学省が定めている要件で、「学校教育法第90条」に基づいています。
最もよく知られているのは「高等学校を卒業していること」ですが、それだけが唯一の方法ではありません。文部科学省の公式資料によると、大学入学資格が認められる主な条件は以下のとおりです。
1.高等学校または中等教育学校を卒業していること
2.高等学校卒業程度認定試験(以下、高卒認定試験)に合格していること
3.外国において、12年間の学校教育課程を修了していること
4.文部科学大臣が指定した者(大学入学資格付与指定校の修了者など)
5.18歳以上で、個別の大学が「相当の学力がある」と認定した場合(いわゆる「個別認定」)
つまり、高校に通っていなかったとしても、高卒認定試験に合格すれば大学を受験できるようになります。また通信制高校を卒業した場合も、全日制・定時制と同様に「高校卒業」として認められますので、大学入学資格を得ることができます。
お子さんが現在、通信制高校に在籍中、あるいは高卒認定の取得を検討しているという保護者の方は、どちらのルートも大学進学への道として有効であると理解してください。
通信制高校を卒業した場合の資格について
通信制高校を卒業すれば、全日制高校と同等の「高校卒業」資格が与えられます。これは文部科学省が学校教育法で明確に定めており、卒業証書の内容・効力に違いはありません。
文部科学省の公式サイト(https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/index.htm)が案内しているとおり、通信制高校は高等学校の一形態として位置づけられています。つまり「通信制だから資格が劣る」「卒業しても一般の高卒扱いにならない」ということは一切ありません。
ただし、大学受験において重要なのは「資格があるかどうか」と「受験勉強ができているかどうか」は別の話だという点です。通信制高校は自主学習の比重が高いため、大学受験に向けた学力をどのように積み上げるかは、本人と保護者の方が意識的に取り組む必要があります。
通信制高校の種類によっては、大学進学に特化したコースを設けている学校もあります。サポート校と連携することで、学習管理や受験対策のフォローを受けられる環境を整えることも選択肢のひとつです。
高卒認定試験とは何か――資格の内容と注意点
高卒認定試験とは、正式名称を「高等学校卒業程度認定試験」といいます。文部科学省が主催する国家試験で、高校を卒業した者と同等以上の学力があることを国が認定するものです。年2回(例年8月と11月)実施されています。
2026年5月時点で考えると、次に実施されるのは2026年8月の第1回試験です。出願期間は例年4〜5月ごろに設けられているため、出願を希望する方は文部科学省の公式ページで最新のスケジュールを確認することをおすすめします。
文部科学省の高卒認定試験関連データ(出典:文部科学省公式サイト、2026年5月確認)によると、試験科目は国語・数学・英語・理科・地歴公民などから構成され、すべての必修科目に合格することで「高等学校卒業程度の学力がある者」として認定されます。
ここで保護者の方が押さえておきたい注意点が2つあります。
1つ目は、高卒認定試験の合格は「高校を卒業したこと」とは異なるという点です。最終学歴は「高校卒業」ではなく「中学校卒業」のままになります。ただし大学に合格して卒業すれば、最終学歴は「大学卒業」になりますので、大学進学を目指す場合には最終的に問題になりにくいと言えます。
2つ目は、高卒認定試験は「合格すれば大学を受験できる」ものであり、「大学に合格できる学力が保証される」ものではないという点です。出願資格と受験学力は別物ですので、取得後の学習計画が非常に重要になります。
「高校中退」「不登校」の場合はどうなるか
不登校や高校中退の状況にあるお子さんをお持ちの保護者の方が最も気になる部分が、「うちの子は大学に行けるのか」という点ではないでしょうか。
結論からお伝えすると、不登校や高校中退であっても、大学入学資格を得ることは十分に可能です。選択肢を整理すると次のようになります。
1.通信制高校に転入・編入し、3年以上在籍して卒業する
2.高卒認定試験を受験・合格し、大学の出願資格を得る
3.定時制高校に転入し、卒業資格を取得する
このうち、1と3は「高校卒業」の資格が得られ、2は「高卒認定合格」という資格が得られます。どちらも大学への出願資格としては同等に機能します。
文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査(2023年度)」によると、不登校の小中学生は約34万6,000人と過去最多を更新しています(出典:文部科学省、2024年10月公表)。不登校を経験したお子さんが進路に悩むケースは決して少なくなく、こうした制度の正確な理解が保護者の方に求められています。
また朝日新聞の教育関連報道においても、通信制高校や高卒認定を選ぶ若者の実情が継続的に取り上げられており、多様な進路の選択が社会的にも広く認知されつつある傾向があります(参考:朝日新聞 教育ニュース https://www.asahi.com/rss/asahi/edu.rdf )。
まとめ
大学入学資格は、高校の全日制に通って卒業する方法だけではありません。通信制高校の卒業、高卒認定試験の合格、定時制高校の卒業など、複数のルートがあります。不登校を経験したお子さんであっても、こうした制度を正しく理解することで、大学進学の選択肢は十分に開かれています。
まずは「どのルートがお子さんの状況に合っているか」を家族で話し合い、必要であれば学校の先生や教育相談窓口に相談することをおすすめします。制度を知ることが、前へ進む最初の一歩になります。
・文部科学省「高等教育」公式ページ https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/index.htm
・文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」(2024年10月公表) https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/futoukou/
・朝日新聞 教育ニュース https://www.asahi.com/rss/asahi/edu.rdf
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