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不登校の子が行事に参加するか迷ったときの考え方

不登校の子が行事に参加するか迷ったときの考え方

運動会・修学旅行・文化祭……学校からプリントが届くたびに、「どうしようか」と頭を抱えてしまう保護者の方は多いのではないでしょうか。参加させたほうがいいのか、無理させないほうがいいのか、どちらが正解なのかわからなくて、答えが出ないまま当日が来てしまった、という経験をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。その迷い、当然のことだと思います。大切な我が子を思うからこそ、悩んでしまうのです。

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行事への参加を迷うのは、愛情の表れです

「行事くらい出れるんじゃないか」と思われることが怖くて、周囲に相談できないでいる保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。あるいは「子どもがいい思い出を作る機会を奪ってしまっているかもしれない」と、自分を責めてしまっている方もいるかもしれません。

その気持ち、本当によくわかります。

ここでひとつお伝えしたいのは、迷っている時点で、あなたはすでに十分にお子さんのことを考えているということです。「参加させたい」も「無理させたくない」も、どちらもお子さんへの愛情から来ています。正解は一つではありませんし、あなたの選択は間違っていません。

文部科学省が公表している「生徒指導提要」(文部科学省、2022年改訂)では、生徒指導の基本的な考え方として「児童生徒一人一人の個性の発見と良さや可能性の伸長と社会的資質・能力の発達を支えること」が明記されています。学校行事もその一環として位置づけられており、あくまで「その子にとってどういう経験になるか」が大切にされるべきものとされています。「参加すること」が目的ではなく、「その子の成長につながるか」という視点が本来の趣旨です。

「行事だけ参加」は子どもにとってどんな体験になるのか

普段は学校に行けていない状況で、行事の日だけ参加する、ということへの迷いも多くの保護者の方が感じていらっしゃいます。「行けたとしても、クラスメートとなじめなかったら傷つかないか」「行けなかったときに余計落ち込まないか」という不安は、とても自然な感覚です。

一方で、行事への参加がお子さんにとって久しぶりの「うれしかった」経験につながることもあります。どちらになるかは、お子さんの状態やタイミングによって大きく変わります。

ここで重要なのは、「参加するかどうか」の判断を保護者だけで抱え込まないことです。担任の先生やスクールカウンセラーに「今の状態でどんな形なら参加しやすいか」を相談することで、別室での参加・一部だけの参加・保護者同伴での参加など、お子さんに合った形を一緒に考えてもらえる場合があります。

「きちんと全員と同じ形で参加しなければ意味がない」ということはありません。その子なりの関わり方を探すことが、むしろ大切なプロセスだと思います。

お子さん自身の気持ちを聞くときのポイント

行事の参加を迷っているとき、お子さん本人はどう感じているでしょうか。「行きたい気持ちもある」「でも怖い」「どうせ行っても…」など、複雑な気持ちが混在していることが多いように思います。

保護者の方がお子さんに声をかけるとき、「どうするの?」と判断を急かすのではなく、「行ってみたい気持ちはある?」「どんなことが不安かな」と、気持ちを聞く言葉から始めてみることが一つの方法です。

文部科学省の「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(文部科学省、2024年10月公表)によると、2023年度の小・中学校における不登校児童生徒数は約34万6千人に上り、過去最多を更新しています。これだけ多くのお子さんと保護者の方が、同じように悩み、同じような選択を迫られています。あなたのご家庭だけが特別に難しい状況にあるわけではありません。

お子さんが「行きたくない」と言ったとしても、それはわがままではなく、今の自分に正直に向き合っているサインでもあります。その声を聞いてもらえたという経験が、お子さんの安心感につながっていきます。

「参加しなかった」ことを責めないでほしい

行事の日、結局参加できなかったとき、「やっぱりだめだった」と感じてしまう保護者の方もいらっしゃるかもしれません。でも、どうか自分を責めないでほしいのです。

参加できなかったことは、失敗ではありません。今日のお子さんの状態が「それが精いっぱい」だったというだけのことです。無理して参加して傷ついたり、自信をなくすよりも、参加しないことで心の安全を守ることのほうが、回復への遠回りに見えて実は近道になることもあります。

大切なのは、行事の参加・不参加よりも、「今この子が安心して過ごせているか」という日々の積み重ねです。その積み重ねが、いつかお子さんが「行ってみようかな」と思える日につながっていきます。

保護者の方の「なんとかしてあげたい」という気持ちは、毎日の関わりの中で必ずお子さんに伝わっています。解決できていなくても、答えが出なくても、そこにいてくれることが、何よりの支えになっています。

まとめ

行事への参加を迷うことは、決して珍しいことではなく、不登校の状態にあるお子さんを持つ多くの保護者の方が経験していることです。正解は一つではなく、お子さんの状態・タイミング・本人の気持ちによって変わります。迷ったときは一人で判断しようとせず、学校のスクールカウンセラーや担任の先生に「どんな形なら参加しやすいか」を相談してみることも一つの選択肢です。参加しても、しなくても、今日もお子さんのそばで悩んでいるあなたの愛情は、きちんと届いています。どうか、焦らないでください。

・文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査(令和5年度)」https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/
・文部科学省「生徒指導提要(改訂版)」https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/

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・不登校の子どもへの声かけと接し方:https://futoukou.co.jp/parents-support/
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