中学や高校で不登校になったとき、「専門学校には進学できるのだろうか」と不安を感じている保護者の方は少なくないのではないでしょうか。実際には、不登校の経験があっても専門学校への進学ルートは複数あります。ただし、学校の種類や入試方式によって必要な準備が大きく異なるため、早めに正確な情報を把握しておくことが大切です。費用・スケジュール・手続きの3点をセットで、不登校から専門学校を目指す流れをお伝えします。
不登校から専門学校に進学できる条件を知ろう
専門学校(専修学校の専門課程)への入学には、原則として「高卒資格または同等の学力」が必要です。文部科学省が規定する入学資格では、高等学校卒業・高卒認定合格・大学入学資格検定合格などが認められています(出典:文部科学省「大学・高等教育」ページ、https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/index.htm)。
つまり、不登校によって高校を卒業していない場合でも、「高卒認定試験(高等学校卒業程度認定試験)」に合格することで専門学校の受験資格を得ることができます。高卒認定は年2回(8月・11月)実施されており、合格科目は翌年度以降も有効なため、体調や学習ペースに合わせて少しずつ科目を積み重ねることが可能です。
また、通信制高校に在籍して卒業資格を取得するルートも広く選ばれています。通信制高校は週1〜5日の登校頻度を自分で選べる学校が多く、不登校経験者が多数在籍している学校もあります。文部科学省の調査によると、不登校を経験した生徒が全日制から転入・再入学するケースも含め、通信制高校の在籍者数は近年増加傾向にあるとされています(出典:文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」)。
お子さんが現在中学生か高校生かによって、最適な進路の選び方が変わります。まずは現状の学年・修得単位・体調を整理してから次のステップを検討してください。
進学ルート別・手続きの流れ
不登校から専門学校を目指す場合、主に以下の2つのルートが考えられます。それぞれの手続きの流れを順序立てて確認してください。
ルートA:高卒認定試験から専門学校へ1.文部科学省の公式サイトで高卒認定試験の出願期間を確認します(第1回:4月上旬出願・8月試験、第2回:7月上旬出願・11月試験)。
2.願書を取り寄せ、必要書類(住民票・写真・検定料)を準備して出願します。
3.試験対策として、予備校や市販の参考書を活用します。不登校経験者や高校中退者を対象とした支援プログラムを設けている予備校・通信講座も存在しますので、各サービスの公式サイトで詳細をご確認ください。
4.高卒認定合格後、志望する専門学校の出願書類を揃えます。
5.専門学校の入試(AO・推薦・一般)に応募します。
なお、高卒認定試験は「高校卒業と同等の学力がある」と認める資格であり、「高校卒業」そのものではないという点に注意が必要です。一部の専門学校では卒業要件として「高校卒業資格」を求めている場合もあるため、志望校の募集要項を必ず直接確認してください。
ルートB:通信制高校を卒業してから専門学校へ1.中学卒業後または高校在籍中に通信制高校への入学(または転入)を検討します。
2.通信制高校では、レポート提出・スクーリング(登校)・単位認定試験をクリアして卒業要件(74単位以上)を満たします。
3.高校在籍中から専門学校のオープンキャンパスに参加し、志望校・学科を絞ります。
4.3年生の夏〜秋にAO入試・推薦入試に出願します。
5.卒業・合格後、4月入学に向けて手続きを完了します。
費用の目安を公式情報から確認しよう
進学にかかる費用は、ルートによって大きく異なります。保護者の方が事前に把握しておくと、資金計画が立てやすくなるでしょう。
「高卒認定試験」の費用については、文部科学省の公式発表によると、受験料は受験科目数によって異なり、3科目以下は4,500円、4〜6科目は6,500円、7科目以上は8,500円です(出典:文部科学省「高等学校卒業程度認定試験」公式ページ)。試験対策の通信講座・予備校については各社料金が異なるため、利用を検討される場合は各サービスの公式サイトでご確認ください。
「通信制高校」の学費については学校によって幅があり、公立通信制高校であれば年間1〜2万円程度の場合もあるとされています。私立通信制高校は年間20〜50万円前後の学校が多い傾向にありますが、サポート校と併用する場合はさらに費用が加算されることがあります。最新情報は必ず各校の公式HPでご確認ください。
「専門学校」の学費は学科・分野によって異なり、2年制専門学校では年間100〜200万円前後が多いとされています。ただし、専門実践教育訓練給付金や奨学金制度を利用できる場合もあるため、進路が定まったタイミングで学校の入学相談窓口や日本学生支援機構(JASSO)に問い合わせてみることをおすすめします。
「入学の何ヶ月前」から動き始めれば間に合うか
専門学校進学を目指す場合、逆算スケジュールを組んでおくと行動しやすくなります。以下を参考にしてください。
「入学18ヶ月前(高3の4月相当)」:オープンキャンパスへの参加開始、志望校リストアップ。
「入学12ヶ月前(高3の10月相当)」:高卒認定試験の第2回(11月)を受験している場合はここで合否確定。通信制高校在籍者は単位修得状況の確認。
「入学10ヶ月前(高3の12月相当)」:AO入試・推薦入試の結果が出そろうタイミング。一般入試への準備を継続。
「入学6ヶ月前(翌年1〜2月)」:専門学校の一般入試・後期入試。
「入学1ヶ月前(3月)」:入学手続き・学費振込・必要書類の提出。
高卒認定ルートを選ぶ場合、「入試の前年度8月または11月の試験で全科目合格」を目標にすると計画が立てやすいです。試験の科目免除制度(高校在籍時の履修科目が一部免除になる場合があります)については、文部科学省の公式ページで詳細をご確認ください。
まとめ
不登校の経験があっても、高卒認定試験の合格または通信制高校の卒業という2つのルートを通じて、専門学校への進学は十分に目指せます。大切なのは、お子さんの現在の状況に合ったルートを選び、「費用・スケジュール・手続き」を早めに把握しておくことです。まずは志望する専門学校の入学資格欄を確認し、必要であれば学校の入学相談窓口に問い合わせてみてください。お子さんが嫌がったり、疲れているときは無理に動かさず、情報収集を保護者の方だけで先に進めておくのもひとつの方法です。焦らず、でも着実に、一歩ずつ動いていきましょう。
・文部科学省「大学・高等教育」https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/index.htm
・文部科学省「生徒指導等について(不登校関連)」https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/
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