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フリースクールへの公的支援とは何か整理してみます

フリースクールへの公的支援とは何か整理してみます

「フリースクールに通わせたいけれど、費用が心配で…」そう感じている保護者の方は少なくないのではないでしょうか。フリースクールは公的支援の対象になるのか、補助金は出るのか、学校との関係はどうなるのか、調べれば調べるほど情報が錯綜してわかりづらいと感じる方も多いようです。制度の仕組みを一つひとつ整理しながら、公的支援の現状と今後の方向性を確認していきましょう。

目次

フリースクールが注目される背景:不登校34万人という現実

フリースクールへの関心が高まっている背景には、不登校の子どもの急増があります。文部科学省が2024年10月に公表した「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、全国の小・中学校における不登校の児童生徒数は約34万6,000人にのぼり、過去最多を更新しました(出典:文部科学省「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」、2024年10月公表)。全校在籍者に占める割合は約3.7%に達しており、クラスに1人は不登校の子どもがいる計算になるわけです。

この状況を受け、国は2016年に「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」(通称:教育機会確保法)を成立させ、翌2017年に施行しました。この法律のポイントは、学校以外の多様な学びの場を法律上で認めたことにあります。フリースクールはその代表的な存在として位置づけられるようになりました。

ただし、「法律で認められた=公的補助が手厚い」というわけではありません。ここが多くの保護者の方が誤解しやすいところです。教育機会確保法は理念を示した法律であり、フリースクールへの直接的な財政支援の仕組みを定めたものではありません。支援の形は自治体によって大きく異なるのが現状です。

公的支援の現状:国・都道府県・市区町村の3層構造を理解する

フリースクールへの公的支援は、大きく分けて3つの層で考えると整理しやすくなります。

1.国(文部科学省・こども家庭庁)レベルの動き
文部科学省は不登校対策として「COCOLOプラン(誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策)」を2023年に策定し、フリースクールとの連携強化を掲げています。また、こども家庭庁は「こどもがまんなかの社会を実現する」という理念のもと、不登校支援を重要施策として位置づけています(出典:こども家庭庁公式サイト、2025年参照)。ただし、現時点で国が全国一律にフリースクール利用者へ補助金を直接支給する制度は整備されていません。

2.都道府県レベルの補助制度
一部の都道府県では、フリースクールを運営するNPO法人などへの補助事業を実施しています。これは施設への補助であり、保護者が直接受け取るものではありませんが、結果として利用料の抑制につながる場合があります。内容は都道府県ごとに異なるため、お住まいの都道府県の教育委員会への確認が必要です。

3.市区町村レベルの支援
現在もっとも具体的な支援が出やすいのが市区町村レベルです。東京都などでは区市町村ごとにフリースクール利用料への補助制度を設けているケースがあります。支援の有無・金額・条件は自治体によって大きく異なるため、まずはお住まいの市区町村の教育委員会または教育支援センターに問い合わせることをおすすめします。

出席認定と内申:学校との連携がカギを握る

費用と並んで保護者の方が気にされるのが、「フリースクールに通っても、学校の出席として認められるのか」という点です。ここは明確にお伝えできます。

教育機会確保法の施行後、文部科学省は学校長の判断により、フリースクールへの通所を学校の出席として認めることができる仕組みを整えています。これを「出席認定」と呼びます。ただし、これはあくまでも「できる」規定であり、認定するかどうかは在籍する学校の校長の判断に委ねられています。

つまり、フリースクールを選ぶ際は、お子さんが在籍している学校と事前に話し合うことが重要です。学校側との連携がうまくいけば、出席日数として記録される可能性があります。反対に、学校との関係が断絶した状態では出席認定が難しくなることもあるため、関係を維持しておくことが現実的な選択肢になる場合があります。

費用負担の現実と選択肢:保護者が知っておきたいこと

フリースクールの利用料は月額2万円〜8万円程度が多く、家庭の経済的負担が大きいことも課題として指摘されています。公的補助が整備されていない地域では、費用のすべてを家庭が負担する必要があります。

こうした状況のなかで、保護者の方が活用できる可能性のある制度として以下が挙げられます。

1.教育支援センター(適応指導教室)の無料利用
公立の教育支援センター(適応指導教室)は、多くの自治体で無料または低額で利用できます。フリースクールとは性格が異なりますが、学習支援や居場所提供という機能を持っており、まず利用を検討してみる価値があります。

2.就学援助制度の活用
経済的に厳しい家庭には就学援助制度があります。フリースクール利用料の直接補助ではありませんが、生活全体の負担軽減につながる場合があります。

3.自治体独自の補助制度
前述のとおり、自治体によってはフリースクール利用料の一部補助を行っているケースがあります。まずは市区町村の窓口に「不登校支援の補助制度はありますか」と確認することが最初の一歩です。

まとめ

フリースクールへの公的支援は、教育機会確保法(2016年成立・2017年施行)によって法的な位置づけは整いつつあるものの、実際の財政支援は自治体によって大きく差があるのが現状です。文部科学省の令和5年度調査が示すように、不登校の子どもは約34万6,000人にのぼっており、制度整備の充実は社会全体の課題になっています。

保護者の方が今すぐできることは、在籍校への相談・市区町村教育委員会への問い合わせ・地域の教育支援センターへの接触の3つです。制度は複雑ですが、一つひとつ確認していくことで、お子さんに合った支援の形が見えてくるはずです。焦らずに、お子さんのペースに合わせて情報を集めていきましょう。

・フリースクール全国ネットワーク 公式サイト:https://freeschoolnetwork.jp
・こども家庭庁 公式サイト:https://www.cfa.go.jp/
・厚生労働省「ひきこもり支援に関する取組」:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsohogo/hikikomori/

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・不登校の子どもに使える支援制度と相談窓口:https://futoukou.co.jp/support-system/
・教育機会確保法とは何か保護者向けに解説:https://futoukou.co.jp/futoukou-basics/
・通信制高校とフリースクールの違いと選び方:https://futoukou.co.jp/correspondence-school/

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