「英語だけが心配で…」という保護者の方は、決して少なくありません。高卒認定試験の英語は、出題範囲が広いように見えて、実は対策のポイントが明確な科目です。文部科学省が公式に公表している出題範囲と過去問を活用すれば、独学でも着実に力をつけていくことができます。試験の仕組みから具体的な学習ステップまでを順序立てて整理しますので、ぜひ参考にしてください。
そもそも高卒認定の英語はどんな試験なのか
まず、試験の全体像を把握しておきましょう。高卒認定試験(正式名称:高等学校卒業程度認定試験)は、文部科学省が年2回実施している国家試験です。文部科学省の公式サイト(取得日:2026年4月30日)によると、令和8年度の試験日程は第1回が8月6日・7日、第2回が11月7日・8日となっています。
英語は必修科目のひとつです。試験は「高等学校卒業程度」の学力を測ることを目的としており、出題レベルは高校英語の基礎から標準レベルに相当します。大学受験の難関レベルとは異なり、中学英語をしっかり復習しながら高校英語の基本文法・読解を積み上げれば、十分に合格を目指せる水準です。
出題形式は、大きく分けると以下の4つのジャンルから構成されています。
1.語彙・語法(単語の意味・使い方を問う問題)
2.文法・語順整序(正しい文の組み立てを選ぶ問題)
3.会話文読解(対話形式の文章を読んで答える問題)
4.長文読解(まとまった英文を読んで設問に答える問題)
つまり、単語・文法・読解という英語学習の3本柱をバランスよく勉強することが、合格への近道といえます。
英語が苦手なお子さんが直面しやすい3つのつまずき
高卒認定の英語対策を始める前に、よくあるつまずきのパターンを把握しておくことが重要です。保護者の方が学習サポートをする際の参考にしてください。
1.中学英語の基礎が抜けている
アルファベットや基本単語はわかるけれど、文法の仕組みが身についていないというケースがよく見られます。高校英語は中学英語を前提にして積み上げられるため、まず中学文法の復習から始めることが必要になります。焦らずにここから再スタートすることが、結局は最も効率的な道です。
2.長文を読むことへの苦手意識が強い
英文を見た瞬間に「読めない」と感じてしまうお子さんは多くいます。ただし、高卒認定の長文問題は難解な内容ではなく、日常的なテーマ(環境・健康・文化など)が中心です。全文を完璧に訳す必要はなく、設問のヒントになる箇所を探しながら読む「ポイント読み」の練習を重ねることで、得点につなげやすくなります。
3.単語の暗記が続かない
受験勉強から長期間離れていると、単語の暗記に取り掛かるのが億劫に感じられることがあります。高卒認定の英語で必要な語彙レベルは、中学卒業〜高校1年生程度が目安です。1日20〜30語を繰り返しながら覚える方法でも、2〜3ヶ月で必要な語彙を身につけることができます。
独学で使えるおすすめ学習ツールと活用法
費用をおさえながら独学で対策したいという方のために、信頼できる無料・低コストのツールを紹介します。
「過去問の活用」が最も効果的です。文部科学省の公式サイト(https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/)では、過去の試験問題が無料で公開されています。まずは直近2〜3年分の過去問に取り組み、どのジャンルの得点が低いかを把握することが学習計画の出発点になります。
次に、「NHK高校講座」の活用をおすすめします。NHK高校講座(https://www.nhk.or.jp/kokokoza/)は、英語を含む主要科目の放送・配信を無料で利用できるサービスです(受信契約が必要な場合あり)。高校英語の基礎をわかりやすく解説しており、独学の教材として非常に使いやすい内容になっています。映像で学べるため、テキストだけでは理解が難しいお子さんにも向いています。
市販の参考書では、「高卒認定ワークブック(英語)」のように試験の出題傾向に合わせて編集された専用教材が複数出版されています。一般的な高校英語の参考書と比べて、出題形式に即した練習問題が充実しており、効率よく学習を進めることができます。参考書を選ぶ際は、最新年度の過去問と見比べながら「出題形式との対応」が明確なものを選ぶことをおすすめします。書店で実際に中身を確認してから購入すると、お子さんの現在の英語力に合った難易度のものを選びやすくなります。
また、市区町村の公立図書館や学習室を活用すれば、静かな環境で無料学習できる場所を確保することができます。継続して学習する習慣をつけるために、「毎週〇曜日は図書館で勉強する」といったルーティンを設けることも効果的です。
合格に向けた3ヶ月学習ステップ
試験まで3ヶ月程度の余裕がある場合、以下のように学習を組み立てると効果的です。ただし、お子さんの現在の英語力によって最適なスタート地点は異なりますので、あくまでひとつの目安として参考にしてください。
「第1ヶ月:基礎固め」
中学英語の文法(be動詞・一般動詞・時制・疑問文など)を復習しながら、毎日20語の英単語を学習します。NHK高校講座を活用して高校英語の基礎文法(関係代名詞・仮定法・不定詞など)も並行して確認します。1日30〜60分程度の学習時間でも継続することが重要です。
「第2ヶ月:問題演習」
過去問や教材の練習問題に取り組み始めます。会話文問題と長文問題を週2〜3回取り組みながら、わからなかった文法事項を参考書で確認する習慣をつけます。「解いて→確認して→覚え直す」サイクルを繰り返すことで得点力が上がっていきます。
「第3ヶ月:仕上げと模擬演習」
過去問を本番形式(時間を計って解く)で繰り返します。得点が伸びにくい分野に絞って集中的に復習し、試験1週間前には体調管理を優先して学習量を調整します。
まとめ
高卒認定の英語は、出題範囲と形式が明確なため、正しい順序で準備を進めれば着実に合格を目指せる科目です。文部科学省が公式に公開している過去問・日程情報、NHK高校講座の無料配信など、費用をかけずに活用できる資源が整っています。令和8年度の第1回試験は8月6日・7日に実施されるため(出典:文部科学省公式サイト)、逆算して今から学習計画を立てることをおすすめします。お子さんの現在の英語力を確認するところから始めて、無理のないペースで準備を進めてください。焦らず、一歩ずつ進めることが合格への一番の近道です。
・文部科学省「高等学校卒業程度認定試験」https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/
・NHK高校講座 公式サイト https://www.nhk.or.jp/kokokoza/
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