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高卒認定と就職の関係:採用での扱われ方と活用法

高卒認定と就職の関係:採用での扱われ方と活用法

「高卒認定を取っても、就職では不利になるのでは?」そんな不安を抱えている保護者の方も多いのではないでしょうか。高卒認定試験(正式名称:高等学校卒業程度認定試験)は、文部科学省が実施する国家試験です。しかし、その資格が就職においてどう扱われるのかは、企業ごとに対応が異なることもあって、情報が整理しきれていないというお声をよく聞きます。高卒認定と就職の関係を、公式データに基づいて丁寧に整理していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

高卒認定とは何か:制度の基本から整理します

まず制度の仕組みを確認しましょう。高卒認定試験は、文部科学省が年2回(8月と11月)実施する試験です(出典:文部科学省「高等学校卒業程度認定試験」公式サイト、参照:2025年時点)。文部科学省の公表データによると、令和5年度の第1回・第2回合計の受験者数は約2万5千人、合格率はおよそ44%となっており、毎年一定数の方がこの試験を通じて進路を切り開いています(出典:文部科学省「高等学校卒業程度認定試験実施結果」、参照:2025年時点)。令和8年度からは新科目「情報」が加わるなど、時代に合わせて内容も更新されています。

ここで重要なのは、「高卒認定=高校卒業資格」ではないという点です。この違いは就職を考えるうえで非常に大切ですので、丁寧に説明します。

1.高校卒業資格:全日制・通信制・定時制などの高校を卒業することで得られる資格です。最終学歴は「高校卒業」になります。

2.高卒認定合格:高校卒業と「同等の学力がある」と認定される資格です。ただし、最終学歴は合格時点では「中学卒業」のままになります。

つまり、高卒認定は「高校卒業と同等の学力を持つことを証明する」資格であり、学歴そのものが変わるわけではありません。この違いが就職活動に影響することがあります。ただし、高卒認定合格後に大学・短大・専門学校などを卒業した場合は、最終学歴がそれぞれの卒業学歴になりますので、進学を経由することで学歴上の影響を実質的に解消できます。

就職における高卒認定の扱われ方:企業・資格・公務員試験

高卒認定が就職にどう影響するかは、大きく「一般企業への就職」「国家資格の受験資格」「公務員試験」の3つの場面に分けて考えると整理しやすくなります。

1.一般企業への就職について

文部科学省の公式サイトでは、高卒認定の合格を「高等学校卒業と同等とみなしている採用試験・国家資格の一覧」を公開しています(出典:文部科学省「高等学校卒業程度認定試験」公式サイト、参照:2025年時点)。つまり、高卒認定を「高校卒業と同等」として採用試験の受験資格に認める企業・機関が、公式に一覧化されているということです。

ただし、すべての企業が同じ対応をしているわけではありません。企業によって次のように対応が異なる傾向があります。

A:高校卒業と同等として扱う企業→「高卒以上」の募集に応募できる場合があります。
B:学歴欄で「中卒」と判断する企業→高卒認定合格を加味しない場合があります。
C:個別に審査する企業→面接や書類審査で判断するケースもあります。

企業の採用方針は各社で異なるため、応募前に求人票の条件や採用担当者への確認をおすすめします。

2.国家資格の受験資格について

看護師・保育士・消防士・警察官などの国家資格や公的な採用試験では、高卒認定合格が受験資格として認められているものが多くあります。前述の文部科学省の一覧も参考になりますので、目指す職種が決まっている場合は事前に確認することが大切です。

3.公務員試験について

地方公務員・国家公務員の試験では、「高校卒業程度」の区分に高卒認定合格者が応募できるケースがあります。ただし、自治体や職種によって異なるため、受験を検討している場合は各自治体・機関の募集要項を必ず確認してください。

高卒認定合格後の進路:就職以外の選択肢も広がります

高卒認定の合格によって広がる道は、就職だけではありません。進学という選択肢も大きく広がります。

高卒認定に合格すると、大学・短期大学・専門学校・高等専門学校などの受験資格が得られます。進学を経由することで最終学歴も変わるため、就職における学歴の影響を実質的に解消できる点は、多くの方にとって重要なポイントです。

進路の選択肢を整理するとこのようになります。

1.高卒認定取得後、すぐに就職を目指すルート
2.高卒認定取得後、大学・短大・専門学校に進学してから就職するルート
3.通信制高校に在籍しながら高卒認定の科目免除を活用するルート

ルート2については、大学や専門学校を卒業した場合の最終学歴は「大学卒業」「専門学校卒業」となりますので、就職市場における学歴の扱いも変わってきます。高卒認定はあくまでその出発点として活用できる資格です。ルート3については、高校在学中に一部科目の免除を受けながら段階的に準備を進められるため、無理なく両立できるメリットがあります。どのルートが合っているかは、お子さんの状況や目標によって異なります。焦らず、ご本人のペースで考えていただければと思います。

就職活動で高卒認定を活かすために:伝え方のポイント

高卒認定を取得している場合、就職活動における「どう伝えるか」という点も大切です。履歴書の書き方や面接での説明の仕方によって、採用担当者への印象が変わることがあります。

履歴書への記載方法については、一般的に次のように記載する傾向があります。

「令和○年○月 高等学校卒業程度認定試験 合格」

これを学歴欄に記載することで、正式な資格として伝えることができます。「高卒認定」という略称ではなく、正式名称で記載することをおすすめします。

また、面接では高卒認定を取得した経緯や、その後の学びへの意欲を前向きに伝えることが大切です。不登校や高校中退の経緯がある場合でも、「どう乗り越えたか」「今何を目指しているか」を具体的に話せると、採用担当者に誠実な印象を与えることができます。

資格取得のために努力した事実は、それ自体が行動力と主体性の証明になります。高卒認定を「マイナスの説明」ではなく、「自分の歩みの一部」として伝える姿勢が、就職活動においては重要です。

まとめ

高卒認定と就職の関係は、「一律に不利」とも「完全に同等」とも言い切れないのが現状です。企業や職種によって扱いが異なるため、応募先の採用条件を事前に確認することが大切です。一方で、文部科学省が「高校卒業と同等とみなす採用試験・国家資格」を公式に一覧化しているように、高卒認定の社会的な認知は着実に広がっています。また、高卒認定取得後に大学・専門学校へ進学するルートを選べば、就職における最終学歴の影響を実質的に解消することもできます。お子さんの将来の選択肢を広げるために、まずは文部科学省の公式サイトや、各種支援機関への相談から始めてみてください。

参考情報

・文部科学省「高等学校卒業程度認定試験」:https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/
・文部科学省「高等学校卒業程度認定試験実施結果」:https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/06033023.htm

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・高卒認定試験の仕組みと合格後の進路:https://futoukou.co.jp/high-school-equivalency/
・通信制高校から就職・進学を目指す方法:https://futoukou.co.jp/correspondence-school/
・不登校の子どもの進路選択と保護者の関わり方:https://futoukou.co.jp/career-path/

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