「もしかして、すでに免除できる科目があるかもしれない」——そう気づいていない保護者の方は、意外と多いのではないでしょうか。高卒認定試験(以下、高卒認定)は全科目を受験しなければならないと思われがちですが、実は条件によって一部の科目が免除になる制度があります。この免除制度をうまく活用できるかどうかで、合格までの負担は大きく変わります。さらに、文部科学省の公式ページ(2026年4月30日取得)によると、令和8年度から試験科目が変わり、新科目「情報」が追加されることも発表されています。制度の変わり目だからこそ、今あらためて科目免除の仕組みを整理しておくことが大切です。
科目免除とは何か——基本の仕組みを押さえましょう
高卒認定試験の「科目免除」とは、一定の条件を満たしている場合に、試験の一部の科目を受験しなくてもよくなる制度です。免除を受けた科目は、合格扱いとして認定されます。
免除が認められる主なケースは、大きく3つに整理できます。
1.高校に在籍していた(または在籍している)場合
高校を中途退学した方や現在在籍中の方は、それまでに修得した単位が免除の対象になる場合があります。高校の成績証明書や単位修得証明書を取り寄せ、文部科学省が定める基準を満たしているかを確認する必要があります。一般的には、その科目の単位を修得していれば、対応する高卒認定の科目が免除になります。たとえば高校1年生で「現代の国語」の単位を取得している場合、関連する国語科目の免除が認められる可能性があります。
2.高卒認定試験の科目に一度合格している場合
高卒認定試験は1回で全科目に合格しなくても構いません。過去の受験で一部の科目に合格していれば、次回以降の受験でその科目は免除されます。つまり、複数回に分けて少しずつ合格科目を積み上げていく戦略が取れる仕組みです。
3.技能審査(検定試験)に合格している場合
英語検定・数学検定・歴史能力検定などの技能審査で一定の級・段階以上に合格していると、対応する高卒認定の科目が免除になります。たとえば実用英語技能検定(英検)の2級以上に合格していれば、英語の科目が免除の対象になるとされています(文部科学省「高等学校卒業程度認定試験規則・告示等」に基づく規定)。
免除を受けるには、受験申請時に所定の書類(単位修得証明書・合格証明書など)を提出する必要があります。申請を忘れると自動的に免除にはならないため、注意が必要です。
単位修得による免除——高校を中退した方が特に確認すべきポイントです
高校を途中でやめた方の場合、「どれだけの単位を持っているか」が免除の鍵になります。在籍していた高校に「単位修得証明書」を請求すると、取得済みの単位が確認できます。この証明書は、高校を退学した後でも発行してもらえますので、まだ取り寄せていない保護者の方は早めに確認されることをおすすめします。
ここで重要なのが、単位の「修得」と「履修」の違いです。授業に出席しただけの「履修」では免除の対象にならないケースがあります。定期試験などを経て正式に単位として認定された「修得」が必要です。通知表や成績証明書で評定がついているものについては修得と判断されることが多いですが、詳細は文部科学省の公式ページや、受験案内の免除に関する項目で確認してください。
また、令和8年度から試験科目の構成が変わることは、免除要件にも影響する可能性があります。文部科学省の公式ページ(2026年4月30日取得)によると、令和8年度より高卒認定試験の試験科目が変更され、新科目「情報」が追加されます。これにともない、既存の科目との対応関係や免除の条件も改訂される可能性がありますので、最新の受験案内を必ずご確認ください。受験案内は令和8年度第1回分が2026年4月6日から配布開始となっています。
技能審査(検定)による免除——これまでに合格した検定を活かせます
受験を検討している方がこれまでに取り組んできた英検・数検・歴史検定などの資格が、高卒認定試験の科目免除に直結する場合があります。「勉強が無駄にならない」という点で、保護者の方にとっても希望の持てる制度です。
文部科学省が定めている主な技能審査と免除科目の対応は、以下のように整理されています。
英語:実用英語技能検定(英検)2級以上で「英語」が免除対象となります。
数学:日本数学検定協会の数学検定2級以上で「数学」が免除対象となります。
歴史:歴史能力検定の日本史・世界史それぞれ2級以上で、対応する地理歴史科目が免除対象となります。
国語:実用日本語技能検定(日本語検定)は対象外となっており、国語科目への直接適用はできません。
ただし、級や合格時期によって条件が異なる場合もあります。「合格しているから必ず免除される」と断定することは難しいため、文部科学省の最新の告示や受験案内で詳細を確認することが不可欠です。技能審査による免除は申請時に合格証明書の提出が必要になりますので、古い証明書であっても大切に保管しておくことをおすすめします。
なお、技能審査の種類や対象級は変更になることがあります。令和8年度の科目変更にともない、技能審査との対応関係も更新される可能性があるため、受験を検討している場合は最新情報の確認を優先してください。
令和8年度の科目変更——免除を考えるうえで知っておきたいことがあります
文部科学省の公式ページ(2026年4月30日取得)によると、令和8年度より高卒認定試験の試験科目が変更されます。最も注目すべき変更点は、新科目「情報」の追加です。文部科学省はサンプル問題も公表しており、新しい出題形式を事前に確認できます。
この科目変更は、免除制度を考えるうえでも重要な意味を持ちます。既存の科目と新科目との対応関係、免除が認められる単位や技能審査の範囲がどう変わるかは、現時点では受験案内の最新版を確認することが最も確実な方法です。
特に以下の点を確認することをおすすめします。
1.令和7年度以前に一部科目に合格している場合、その合格は令和8年度以降も有効かどうか。
2.高校で「情報」に関連する授業の単位を修得している場合、新科目「情報」の免除対象になりうるかどうか。
3.令和8年度の受験案内(2026年4月6日配布開始)に記載の免除要件の最新内容。
制度の変わり目は情報が錯綜しやすい時期でもあります。インターネットの情報の中には古いままのものも混在しているため、文部科学省の公式ページ(出典:文部科学省「高等学校卒業程度認定試験」https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/)を一次情報として確認することを強くおすすめします。
まとめ
高卒認定試験の科目免除制度は、「高校在籍時の単位修得」「過去の受験での科目合格」「英検・数検などの技能審査合格」という3つのルートで活用できる仕組みです。免除を受けることで受験科目を減らし、合格に向けた負担を実質的に軽くできます。令和8年度からは試験科目の変更(新科目「情報」の追加)が予定されているため、免除要件も含めた最新情報の確認が今まさに必要な時期です。まずは文部科学省の公式ページで受験案内を入手し、お子さんや受験を検討している方がどの科目を免除できるかを確認するところから始めてみてください。一科目でも免除になれば、それだけ次のステップへの道が近づきます。
参考情報・文部科学省「高等学校卒業程度認定試験」公式ページ:https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/
・文部科学省「高等学校卒業程度認定試験規則・告示等」:https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/05060901.htm
関連記事
・高卒認定試験の仕組みと受験の流れ:https://futoukou.co.jp/high-school-equivalency/
・通信制高校と高卒認定の違いと選び方:https://futoukou.co.jp/correspondence-school/
・不登校から大学受験を目指すためのロードマップ:https://futoukou.co.jp/university-exam/

コメント