高卒認定試験に合格したあと、「次は大学受験に向けて何をすればいいのか」と戸惑う保護者の方やお子さんは少なくありません。合格の喜びも束の間、今度は大学入試という新たなステージが待ち構えており、どこから手をつけるべきかわからないという声はよく聞かれます。合格後にやるべき手順・費用・スケジュールを公式情報をもとに整理しましたので、焦らず一つひとつ確認しながら読み進めてみてください。
高卒認定合格で何ができるようになるのか
まず「高卒認定試験に合格すると何が変わるのか」を正確に理解しておくことが大切です。
高卒認定試験(正式名称:高等学校卒業程度認定試験)に合格すると、高等学校卒業者と「同等以上の学力がある」と認定されます。これにより、大学・短期大学・専門学校への出願資格を得ることができます(出典:文部科学省「高等学校卒業程度認定試験」公式ページ)。
ただし、ここで一点注意が必要です。高卒認定はあくまで「受験資格の取得」であり、「高校卒業」とは異なります。最終学歴は合格しただけでは中学卒業のままです。大学に入学・卒業して初めて「大学卒業」が最終学歴になります。就職を考えるときにはこの点を念頭に置いておくと、進路の見通しが立てやすくなります。
大学入学共通テスト(旧センター試験)についても、高卒認定合格者は受験できます。大学入試センターの公式ページでは、令和8年度(2026年度)・令和9年度(2027年度)の試験情報が公開されており、出願要件の中に高卒認定合格者が含まれていることが確認できます(出典:大学入試センター「大学入学共通テスト」公式ページ、2026年5月取得)。
受験資格を得た今こそ、いよいよ具体的な受験準備のスタートラインに立てたと考えてください。
2027年度入試に向けたスケジュールの逆算
2026年5月現在、次に目指すべきは2027年1〜3月実施の2027年度入試です。ここでは逆算したスケジュールをお伝えします。
2027年1月実施の大学入学共通テストを受験する場合、出願は2026年9〜10月ごろになる見込みです(詳細は大学入試センター公式サイトでご確認ください)。そこから逆算すると、今(2026年5月)から動き始めることで、約8ヶ月の準備期間を確保できます。
大まかなスケジュールの目安は以下のとおりです。
2026年5〜6月:志望校・入試方式の決定、現在の学力把握のための模試受験や参考書選びを行います。
2026年7〜8月:夏期講習・集中学習期間です。高校3年生に相当する受験生と同じ土俵に立つ上で、この夏の取り組みが非常に重要になります。
2026年9〜10月:共通テスト出願・推薦型選抜・総合型選抜の出願が重なる時期です。総合型選抜を狙う場合は6月ごろから準備を始める必要があります。
2026年11月〜12月:共通テストに向けた対策の追い込みと冬期講習の活用時期です。
2027年1月:大学入学共通テスト本番です。
2027年2〜3月:私立大学一般入試・国公立大学二次試験が実施されます。
お子さんのペースや志望校によって最適なスケジュールは変わりますが、「今から準備を始めれば間に合う時期」だということはお伝えしておきたいと思います。
高卒認定合格者が選べる受験方式
大学受験の方式は大きく分けて「総合型選抜(旧AO入試)」「学校推薦型選抜」「一般選抜」の3種類があります。高卒認定合格者はどれを選べるのでしょうか。
まず「一般選抜」は多くの大学で高卒認定合格者の出願を認めています。共通テストを使う方式、各大学が独自に実施する方式の両方が対象になりますので、最も門戸が広い選択肢といえます。
「総合型選抜」については、選考方法が大学によって異なりますが、高卒認定合格者を積極的に受け入れている大学も増えている傾向があります。志望動機書や面接で「なぜこの大学で学びたいか」を丁寧に伝えられれば、学力試験だけでは見えない部分を評価してもらえる方式です。
「学校推薦型選抜」については、在籍する高校からの推薦を前提とするものが多く、高卒認定合格者には利用しにくいケースが多いとされています。ただし、指定校推薦ではなく「公募制推薦」の中には高卒認定合格者でも出願できる大学もあるため、志望校の募集要項を必ず個別に確認してください。
なお、高卒認定合格者が受験できるかどうかは大学によって異なりますので、出願前に各大学の入学者選抜要項を直接確認することを強くお勧めします。
大学受験対策のための学習サポート機関
高卒認定合格後の大学受験対策を支援する教育機関はいくつかあります。
高校中退・不登校・通信制高校出身者を対象に、基礎から大学受験レベルまでをカバーするコースを提供している予備校があります。高卒認定試験対策と大学受験対策を一貫してサポートしている点が特徴で、通信制高校とのダブルスクールで高校卒業資格の取得も並行して目指せる仕組みを持つ機関もあります。
また、高校を卒業した浪人生だけでなく高卒認定合格者も利用できる「高卒生コース」を設けている大手予備校もあり、通学型とオンラインコースが用意されているところであれば、自分のライフスタイルに合わせた選択が可能です。
自習管理型のサポートで学習習慣を維持する仕組みを持つ予備校・塾も存在しており、自分一人では学習習慣を保つのが難しいお子さんには、こうした管理型のサポートも選択肢の一つになるかもしれません。
学費・費用は各校の公式サイトや個別相談で確認するようにしてください。同じ予備校でも受講コースや科目数によって大きく変わります。
2026年8月の高卒認定試験との並走パターン
「まだ高卒認定試験が全科目合格していない」という方は、大学受験対策と並走するスケジュールになります。
文部科学省の公式発表によると、令和8年度(2026年度)第1回高卒認定試験の試験日は2026年8月6日(木)・7日(金)、結果通知は2026年9月1日(火)発送予定となっています。出願期間は令和8年4月6日(月)〜5月13日(水)(消印有効)です(出典:文部科学省「令和8年度高等学校卒業程度認定試験日程」、2026年5月取得)。
2026年5月13日が第1回の出願締切ですので、まだ未合格科目がある方はまず出願手続きを最優先で確認してください。
第2回試験は2026年11月7日(土)・8日(日)実施予定で、結果通知は12月8日(火)発送予定です。2027年度入試(2027年1〜3月)を目指す場合、11月の第2回試験で全科目合格すれば、私立大学の一般入試や国公立大学の二次試験に間に合う可能性があります。
高卒認定の合格に向けた勉強と、大学受験に向けた勉強を同時に進めることは負担が大きいですが、両者の内容が重なる科目(特に英語・数学・国語)から優先して取り組むことで、効率よく準備できるという傾向もあります。
まとめ
高卒認定試験に合格したことは、大学受験への扉を開く大切な一歩です。2026年5月現在、2027年度入試まで約8ヶ月の準備期間があります。まずは志望校の受験資格・入試方式を公式サイトで確認し、自分に合った学習サポート機関を探すところから始めてみてください。「今からでは遅い」ということはありません。お子さんのペースを大切にしながら、一つひとつの手続きを丁寧に進めていただければと思います。焦らず、でも着実に。その姿勢が合格への着実な道につながります。
・文部科学省「高等学校卒業程度認定試験」https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/
・大学入試センター「大学入学共通テスト」https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/
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