「高卒認定って、学生が受けるものでは?」と思っていませんでしたか。実は、社会人になってから受験する方も少なくありません。学歴の壁に直面したとき、キャリアアップを目指したいとき、資格取得に高卒資格が必要だとわかったとき、高卒認定試験は大人になってからでも挑戦できる制度です。仕組み・スケジュール・学習方法を、公式データをもとに整理してお伝えします。
高卒認定試験とは何か:社会人が知っておきたい基本
高等学校卒業程度認定試験(高卒認定)は、高校を卒業していなくても「高校卒業と同等の学力がある」と国が認める試験です。文部科学省が実施しており、合格者は大学・短大・専門学校の受験資格を得られます。
ここで重要なのは、「高卒資格」と「高卒認定」の違いです。高卒資格は高校を3年間通って卒業することで得られる資格です。一方、高卒認定は試験に合格することで得られる資格であり、「高校を卒業した」という学歴にはなりません。つまり、履歴書の最終学歴欄に「高校卒業」と書けるわけではないのです。ただし、高卒認定を活用して大学や専門学校を卒業すれば、その学歴が最終学歴になります。
社会人にとって高卒認定が役立つ場面は、主に以下の3つです。
1.大学・短大・専門学校への進学を目指す場合(高卒認定合格が受験資格として認められます)
2.国家資格・公務員試験の受験資格として必要な場合(多くの試験で高卒認定合格者を高卒者と同等に扱います)
3.就職・転職活動で応募資格が「高卒以上」となっている場合(企業によっては高卒認定合格者を同等とみなすケースがあります)
文部科学省の公式サイト(取得日:2026年4月30日)によると、高卒認定試験の合格者については、採用試験・国家資格において高卒者と同等とみなしている制度が存在することが明記されています。ただし、すべての企業・制度で同等扱いとなるわけではないため、受験前に必要とする機関に確認することをお勧めします。
令和8年度の試験日程と出願スケジュール
仕事をしながら受験を目指す社会人にとって、スケジュール管理はとても重要です。高卒認定試験は年に2回実施されており、仕事のペースに合わせて計画を立てやすい設計になっています。
文部科学省の公式発表(取得日:2026年4月30日)によると、令和8年度の試験スケジュールは以下のとおりです。
「第1回」
受験案内の配布開始:令和8年4月6日(月)
出願期間:令和8年4月6日(月)〜5月13日(水)※5月13日消印有効
試験日:令和8年8月6日(木)・8月7日(金)
結果通知:令和8年9月1日(火)発送予定
「第2回」
受験案内の配布開始:令和8年7月21日(火)
出願期間:令和8年7月21日(火)〜9月11日(金)※9月11日消印有効
試験日:令和8年11月7日(土)・11月8日(日)
結果通知:令和8年12月8日(火)発送予定
ここで注目していただきたいのは、第2回試験が土日開催であるという点です。平日に有給休暇を取りにくい会社員の方でも、第2回試験であれば週末に受験できます。第1回は木・金曜日の開催のため、有給取得が必要になりますが、結果が9月初旬に届くため、翌年の進路計画を立てやすいというメリットもあります。
また、全科目を1回の試験で合格する必要はありません。一度合格した科目は次回以降に免除されるため、数回にわたって少しずつ合格科目を積み上げていく方法も選べます。仕事を続けながら受験する社会人にとって、この「積み上げ型」の受験スタイルは大きな強みです。
なお、令和8年度から試験科目が変更になっており、新科目「情報」が加わります。文部科学省はサンプル問題を公表していますので、最新の試験科目構成は必ず公式サイトで確認してください。
社会人が仕事と両立しながら学ぶ方法
受験に向けて学習時間を確保するのは、社会人にとってもっとも難しいハードルのひとつです。ただ、高卒認定試験は「高校卒業程度」の学力を問う試験であるため、独学でも十分に合格を目指せる範囲の難易度とされています。
学習方法は大きく分けて3つあります。
1.独学(市販の参考書・問題集)
書店で販売されている高卒認定専用の参考書や問題集を使い、自分のペースで学ぶ方法です。費用を最小限に抑えられますが、学習計画の管理は自分で行う必要があります。
2.NHK高校講座の活用
NHKが提供する「NHK高校講座」(https://www.nhk.or.jp/kokokoza/)では、国語・数学・英語・理科・社会など、高校の主要科目の放送授業が無料で視聴できます(受信契約者対象)。動画形式のため、通勤時間や休憩時間を使った学習にも活用できます。
3.通信講座・予備校の利用
高卒認定試験に対応した通信講座を利用する方法もあります。高校中退者や通信制高校に在籍する方を対象とした支援コースを設けている予備校も存在しており、社会人向けにはオンライン受講や個別相談を活用することで、通学の負担を減らせる場合があります。
社会人が学習スケジュールを立てる際のポイントとして、「受験する科目数を絞る」という視点も大切です。すでに高校で修得した科目や、勉強の得意な科目から始めることで、最初の合格実績を早めに積み上げることができます。焦らず、自分のライフスタイルに合わせて計画を立てることが長続きのコツです。
受験に際して確認しておきたい制度的な注意点
高卒認定を受験する前に、いくつか確認しておきたい制度上の注意点があります。
まず、受験資格についてです。高卒認定試験は、受験する年度の末日(翌年の3月31日)時点で16歳以上であれば誰でも受験できます。年齢の上限はありません。社会人になって何年経っていても、受験の機会は開かれています。
次に、出願期間の厳守です。文部科学省の公式発表(取得日:2026年4月30日)には、「出願期間以外は、いかなる理由があっても受け付けません」と明記されています。社会人は業務の繁忙期と重なると書類準備を後回しにしてしまいがちです。スケジュールを手帳やカレンダーに書き込み、出願期間を逃さないよう早めに準備を始めることをお勧めします。
また、既に高校に在学していたことがある方は、在学中に修得した単位を試験科目の一部として免除申請できる場合があります。高校の成績証明書や単位修得証明書を取り寄せることで、受験する科目数を減らせる可能性があります。これは学習負担を大きく軽減できる制度ですので、ぜひ確認してみてください。
さらに、高卒認定はあくまで「資格」であり、合格したとしても最終学歴が変わるわけではないという点を、就職・転職活動で活用する場合は特に理解しておく必要があります。進学を通じて最終学歴を変えたい場合は、高卒認定合格後に大学・短大・専門学校への進学という次のステップを見据えた計画が重要です。
まとめ
高卒認定試験は、年齢制限がなく、年2回受験でき、科目ごとに合格を積み上げられる制度です。仕事を続けながらでも、自分のペースで少しずつ取り組めます。令和8年度は8月と11月に試験が実施される予定で(出典:文部科学省公式サイト、取得日:2026年4月30日)、第2回は土日開催のため社会人も参加しやすい日程です。また、令和8年度から試験科目が変わるため、最新の情報を文部科学省の公式サイトで確認してから出願準備を進めてください。まずは受験案内を取り寄せることが、最初の一歩です。「いつかやろう」と思っているうちに出願期間が過ぎてしまうことが多いので、気持ちが固まったら早めに動き出すことをお勧めします。
参考情報
・文部科学省「高等学校卒業程度認定試験」:https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/
・NHK高校講座 公式サイト:https://www.nhk.or.jp/kokokoza/
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