通信制高校への進学を考えているけれど、「単位ってどうやって取るの?」と疑問に思っている保護者の方は多いのではないでしょうか。全日制高校と同じ「単位」という言葉を使いながら、その取り方は大きく異なります。仕組みを正しく知らないまま入学してしまうと、「思っていたより大変だった」「何をすればいいかわからなかった」という事態になりかねません。通信制高校の単位制度の基本から、実際にどう進めればよいかの手順まで、具体的にお伝えします。
通信制高校の単位制度の基本を知っておきましょう
通信制高校は「単位制」を採用しており、決まった学年に縛られることなく、自分のペースで単位を積み重ねて卒業を目指すことができます。全日制高校のように「クラス全員が同じ授業を受けて進級する」という仕組みとは異なり、必要な単位を一定の期間内に修得できれば卒業できるというのが大きな特徴です。
文部科学省の学習指導要領によると、通信制高校を卒業するためには、以下の3つの条件をすべて満たすことが求められています(出典:文部科学省『高等学校学習指導要領』2022年告示)。
1.在籍期間が3年以上であること
2.必履修科目を含めた合計74単位以上を修得すること
3.特別活動(ホームルームや学校行事など)に30単位時間以上参加すること
この3つの柱を把握しておくことが、卒業への第一歩です。1年間に取得できる単位数には上限がある場合もありますが、多くの通信制高校では年間25〜30単位程度を目標に設定しているところが多い傾向があります。3年間で74単位以上を修得するために、各学年の学習計画を学校側と一緒に立てていくことになります。
単位取得の3つの柱「レポート・スクーリング・試験」
通信制高校で単位を取得するには、主に3つのプロセスをクリアする必要があります。この仕組みを理解しておくと、お子さんが何をすれば単位が認められるのかがはっきりします。
「1.レポート(報告課題)の提出」
各科目に対して、学校が指定したレポートを作成し、期日までに提出します。教科書や副教材をもとに自宅で取り組むものが中心で、現在はオンラインで提出できる学校も増えています。N高等学校・S高等学校・R高等学校(N高グループ)の公式サイトによると、同校ではICTツールも活用しながら効率的に学習を進められる環境が整備されているとのことです(出典:N高等学校公式HP、取得日:2026年4月28日)。
「2.スクーリング(面接指導)への参加」
スクーリングとは、学校の校舎やサポート校のキャンパスに出向いて、先生から直接指導を受ける時間のことです。科目ごとに一定時間数のスクーリングへの参加が義務づけられており、これを欠かすことはできません。週5日通学するコースから月1〜2回程度の通学ですむコースまで、学校によって選択肢はさまざまです。クラーク記念国際高等学校の公式サイトでは、「全日型」「スマートスタディ(オンライン+通学)」「単位修得(月1〜2回程度の通学)」の3つの通学スタイルが示されており、生徒の状況に合わせて選べる仕組みになっています(出典:クラーク記念国際高等学校公式HP、取得日:2026年4月28日)。
「3.単位認定試験の受験」
スクーリングと同様に、学校に出向いて年に1〜2回実施される試験を受けます。レポートとスクーリングをしっかりこなしていれば、試験の難易度は基礎的なものが多く、過度に心配する必要はないとされています。
この3つを科目ごとにクリアすることで、1単位ずつ積み重ねていくのが通信制高校の学習の流れです。
学校ごとの違いと選ぶときのポイント
通信制高校は学校によってスクーリングの頻度や学習サポートの手厚さが大きく異なります。お子さんの体調や意欲、生活リズムに合った学校を選ぶことが、単位取得を継続するうえでとても重要です。
第一学院高等学校の公式サイトを見ると、「週5日登校のスタンダードコース」から「オンライン完結のMobile HighSchool」まで複数のコースが設けられており、登校頻度を柔軟に選べるようになっています(出典:第一学院高等学校公式HP、取得日:2026年4月29日)。鹿島学園高等学校では全国47都道府県に学習センター(キャンパス)があり、地元から通いやすい拠点を選べる点が特徴として紹介されています(出典:鹿島学園高等学校公式HP、取得日:2026年4月29日)。
学校を選ぶときに確認しておきたいポイントをまとめると、次のようになります。
1.スクーリングの場所と頻度(自宅からアクセスしやすいか)
2.レポートの提出方法(郵送か・オンラインか)
3.担任や支援スタッフによるフォロー体制
4.単位認定試験の実施時期と会場
5.転入学・編入学時の単位引き継ぎの可否
特に不登校の状態から入学を検討されている場合は、スクーリングの最低出席日数が少ないコースや、オンライン授業が充実した学校を最初に比較されることをおすすめします。
単位を落とさないための年間スケジュールの組み方
通信制高校での単位取得は、自主性が問われる分、スケジュール管理が鍵を握ります。入学後にどう動くかを事前に整理しておくだけで、つまずくリスクをかなり下げることができます。
「入学直後(4月〜5月)」
まず担任の先生と相談しながら、当該学年で取得する科目と単位数の計画を立てます。この段階で無理のない目標設定をしておくことが、後半のペースを守るうえで大切です。
「前期(4月〜9月)」
各科目のレポートを提出期限に従って順番に進めます。スクーリングの日程も学校から配布されるので、手帳やカレンダーに書き込んでおきましょう。スクーリングは欠席すると追加のスケジュール調整が必要になる場合があるため、できる限り第一希望の日程で参加できるよう準備してください。
「後期(10月〜翌3月)」
後期のレポートと単位認定試験が集中する時期です。10月以降に試験が設定されている学校が多い傾向がありますので、9月末時点でレポートの提出状況を確認しておくことをおすすめします。
「3月(学年末)」
単位の認定結果が通知されます。もし取得できなかった単位がある場合は、翌年度に再履修するか、サポート校や個別指導の活用を検討してください。年度をまたいでも卒業資格への道は続いていますので、焦らずに担任の先生と方針を確認してほしいと思います。
まとめ
通信制高校の単位取得は、「レポートの提出」「スクーリングへの参加」「単位認定試験の受験」という3つのプロセスを、科目ごとに積み重ねていく仕組みです。3年以上の在籍と74単位以上の修得、そして特別活動30単位時間以上の参加が卒業の条件として定められています(出典:文部科学省『高等学校学習指導要領』2022年告示)。学校によって通学頻度やサポート体制は大きく異なりますので、まずは複数校のパンフレットを取り寄せるか、学校説明会に参加して確認されることをおすすめします。お子さんのペースに合った学校選びが、単位を継続して取得していくうえで最も大切な土台になります。焦らず、一歩ずつ進んでいきましょう。
・文部科学省「高等学校学習指導要領」 https://www.mext.go.jp/
・N高等学校公式サイト https://nnn.ed.jp/
・第一学院高等学校公式サイト https://www.daiichigakuin.ed.jp/
・クラーク記念国際高等学校公式サイト https://www.clark.ed.jp/
・鹿島学園高等学校公式サイト https://www.kg-school.net/gakuen/
関連記事
・通信制高校の選び方と入学手続きの流れ:https://futoukou.co.jp/correspondence-school/
・不登校から高校卒業を目指す進路の選択肢:https://futoukou.co.jp/career-path/
・高卒認定試験の仕組みと通信制高校との違い:https://futoukou.co.jp/high-school-equivalency/

コメント