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不登校を祖父母に理解してもらう方法と伝え方

不登校を祖父母に理解してもらう方法と伝え方

「孫が学校に行かないなんて、親の育て方が悪い」「少しくらい無理しても行かせなさい」――そんな言葉を祖父母から言われて、ただでさえ苦しいのに追いつめられてしまった、という保護者の方は多いのではないでしょうか。お子さんのことを一番心配しているはずのあなたが、さらに孤立してしまうこの状況は、本当につらいですよね。祖父母世代と不登校についての認識のギャップが生まれる背景を整理しながら、関係を壊さずに理解を求めるための伝え方のヒントをお届けします。

目次

祖父母世代に「ギャップ」が生まれる理由

「自分たちの時代はみんな学校に行っていた」「休んでいたら癖になる」――こうした考えは、祖父母世代が育った時代の常識から来ていることがほとんどです。決して悪意があるわけではなく、むしろ大切な孫の将来を心配しているからこそ出てくる言葉でもあります。そのことを頭の片隅に置いておくだけで、少しだけ受け取り方が変わることもあります。

一方で、不登校を取り巻く状況は大きく変わってきています。文部科学省の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(2023年度)によると、小・中学校における不登校児童生徒数は約34万6,000人に上り、過去最多を更新し続けています。これはおよそ小・中学生の27人に1人に相当する数字です。不登校はごく一部の家庭に起きる特別なことではなく、今や多くの家庭が直面している現実です。

祖父母世代がこうした最新の状況を知らないのは当然かもしれません。ニュースで目にする機会はあっても、「自分の孫がそうなるとは思っていなかった」という方がほとんどです。まず「時代が変わっている」という事実を、数字を使って穏やかに伝えることが、理解の入り口になることがあります。

「伝え方」を少し変えるだけで変わること

「不登校」という言葉そのものが、祖父母世代には「問題のある子ども」という印象を与えてしまうことがあります。最初から「不登校です」と言い切るよりも、「今、体と心が少し疲れていて、休ませることにしました」という言い方のほうが受け入れてもらいやすい場合があります。

また、起立性調節障害や不安障害など、医学的な背景がある場合には、主治医や専門家からの説明を間接的に伝えることも有効です。「先生から、今は無理に学校に行かせない方がいいと言われています」という一言は、祖父母世代にとって「専門家が言うなら」という納得感につながることがあります。伝える内容を絞り、短くシンプルにすることも大切です。

いっぺんにすべてを理解してもらおうとしなくて大丈夫です。「今日はこれだけ伝わればいい」というスタンスで、少しずつ話す場を作っていくことが、長い目で見たときに関係を保ちやすくします。

孫を思う気持ちを「味方」に変える伝え方

祖父母が「厳しいことを言う」のは、孫のことを心配しているからです。その気持ちは、実は保護者の方と同じ方向を向いています。だからこそ、対立するのではなく「一緒に考えてほしい」という姿勢で話すことが、関係を壊さないコツになります。

たとえば、「あなたたちもお孫さんの笑顔を見たいですよね。今は安心できる場所でゆっくり過ごさせてあげることが、この子にとっての回復につながっています」という伝え方は、祖父母の愛情を否定せず、方向性を揃えるものです。「休ませている」のではなく「回復のために環境を整えている」という視点で話すことで、受け取り方が大きく変わることがあります。

また、お子さんが趣味や好きなことを楽しんでいる様子を見てもらえると、「元気そうで安心した」という気持ちから理解が進むこともあります。無理に説明するよりも、お子さんの笑顔や日常の様子が、一番の「説得」になることもあるものです。

保護者の方自身も追いつめられないために

祖父母からの心ない言葉に傷ついて、「自分の育て方が悪かったのでは」とさらに自分を責めてしまう保護者の方は、とても多いのではないでしょうか。そのつらさは、本当に当然の気持ちです。誰でも大切な人からの言葉は深く刺さります。

ただ、ここではっきりお伝えしたいのは、不登校は保護者の方の育て方の失敗ではありません。文部科学省の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(2023年度)でも、不登校の要因は「無気力・不安」「生活リズムの乱れ」「いじめを除く友人関係をめぐる問題」など複合的であることが示されており、家庭だけに原因を帰するものではないことが明らかになっています。

保護者の方が毎日悩みながらお子さんのそばにいること、それ自体がすでに大きな愛情です。その愛情は、きっとお子さんに伝わっています。祖父母の言葉に傷ついたとき、一人で抱え込まずにスクールカウンセラーや教育相談窓口に話すことも、ぜひ選択肢の一つとして考えてみてください。

まとめ

祖父母世代と不登校に関する認識のギャップは、多くの家庭で起きていることです。あなただけが孤立しているわけではありません。伝え方を少し変えること、数字や専門家の言葉を使うこと、そして祖父母の愛情を「味方」にすることで、少しずつ関係が変わっていく可能性があります。すべてを一度に理解してもらう必要はありません。お子さんのペースを大切にしながら、保護者の方自身も焦らず、一歩ずつ進んでいただければと思います。困ったときは、学校や地域の相談窓口を気軽に利用してみてください。

・文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(2023年度)https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/
・こども家庭庁 公式サイト https://www.cfa.go.jp/

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・不登校の子どもへの声かけと接し方:https://futoukou.co.jp/parents-support/
・不登校の回復期に保護者ができるサポート:https://futoukou.co.jp/recovery/
・不登校の基礎知識と最新データ:https://futoukou.co.jp/futoukou-basics/

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