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不登校のお子さんがひきこもりになったとき頼れる地域支援センターとは

不登校のお子さんがひきこもりになったとき頼れる地域支援センターとは

「学校に行けない状態が続いているうちに、部屋からも出られなくなってきた」と感じている保護者の方は、少なくないのではないでしょうか。不登校とひきこもりは必ずしも同じではありませんが、つながりやすい状態であることも事実です。だからこそ、早めに地域の相談窓口を知っておくことが、お子さんと保護者の方を守ることにつながります。ひきこもり地域支援センターとはどのような機関なのか、どのように使えばよいのかを、保護者の方に向けてわかりやすくお伝えします。

目次

不登校とひきこもりはどう違うのか

不登校とひきこもりは、しばしば混同されますが、それぞれ異なる状態を指す言葉です。正確に理解しておくことで、お子さんの状況を見立てる手がかりになります。

文部科学省は、不登校を「何らかの心理的・情緒的・身体的、あるいは社会的要因・背景により、登校しない、あるいはしたくともできない状況にあること(病気や経済的理由によるものを除く)」と定義しています(出典:文部科学省 生徒指導・不登校関連ページ)。つまり、不登校は「学校に行けていない状態」を示す言葉です。

一方でひきこもりは、厚生労働省の定義によれば「仕事や学校に行かず、かつ家族以外との交流をほとんどせずに、6か月以上続けて自宅にこもっている状態」を指します(出典:厚生労働省 ひきこもり支援関連ページ)。学校だけでなく、社会全般との接触が著しく制限されている状態ということになります。

内閣府が公表した「こども・若者の意識と生活に関する調査(令和4年度)」によると、15歳から64歳の50人に一人がひきこもり状態にあるとされています(出典:内閣府、令和4年度)。これは決して特別なことではなく、誰にでも起こりうることを示すデータでもあります。

不登校のお子さんが必ずひきこもりになるわけではありませんし、ひきこもりがすべて不登校から始まるわけでもありません。ただ、長期間の不登校が続く中で外出や人との接触が難しくなってきたと感じているなら、ひきこもり支援の枠組みも活用できる可能性があります。「うちの子はどちらに当てはまるのか」と過剰に分類しようとせず、まずは状況を専門家に相談してみることをおすすめします。

ひきこもり地域支援センターとはどのような場所か

ひきこもり地域支援センターは、厚生労働省の施策に基づいて都道府県や政令指定都市に設置されている、ひきこもりに特化した相談機関です。

この機関の大きな特徴は、医療・福祉・教育・労働といった複数の分野にまたがる支援を一か所でコーディネートできる点にあります。ひきこもりの背景には、発達障害(発達の特性)、不安障害、抑うつ状態、起立性調節障害など多様な要因が絡み合っていることが少なくありません。ひきこもり地域支援センターでは、こうした複合的な事情に応じて適切な専門機関につないでくれる「入口」の役割を担っています。

支援の中心を担うのは「ひきこもり支援コーディネーター」と呼ばれる専門職員で、社会福祉士・精神保健福祉士・臨床心理士などの資格を持つ方が多く、家族相談にも丁寧に対応しています。

保護者の方がまず相談に行って、センターのスタッフと話すことから始める形でも構いません。「本人が来られないのに相談してもよいのか」と思われる方もいるかもしれませんが、家族相談は多くのセンターで受け付けており、「お子さんへの接し方」「声かけの工夫」「家族が今できること」について具体的なアドバイスをもらうことができます。

各センターの連絡先は、厚生労働省のひきこもり支援ポータルサイト「ひきこもりVOICE STATION」でも案内されています。

どのような流れで利用するのか

ひきこもり地域支援センターへの相談は、センターによって異なりますが、まず電話で問い合わせるところからスタートするのが一般的です。予約なしで窓口を訪れることができるセンターもあります。

初回の相談では、お子さんの状況(いつ頃から学校に行けなくなったか、現在の生活の様子、外出の有無、家族との関わりなど)をスタッフと一緒に整理します。この段階ではまだ診断名や原因が明確でなくても、「なんとなく心配」という感覚だけでも十分に相談の入口になります。

相談の結果、次のような機関への橋渡しが行われることがあります。医療的なケアが必要と思われる場合は児童精神科や精神科への受診を勧められることがあります。就労や自立に向けた支援が必要な場合は、若者サポートステーション(通称サポステ)や就労支援機関につないでもらえることもあります。また、お子さんの年齢が若い場合には、フリースクールや通信制高校などの教育機関との連携を提案してもらえるケースも見られます。

なお、文部科学省の「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、全国の小中学校における不登校の児童生徒数は約346,000人にのぼり、過去最多水準が続いています(出典:文部科学省、2024年公表)。こうした現状を背景に、ひきこもり支援と教育支援をつなぐ仕組みの充実がますます求められています。

保護者の方自身がセンターを利用するときの心構え

「相談に行ったら、子育てを責められるのではないか」と感じている保護者の方もいるかもしれません。しかし、ひきこもり地域支援センターは保護者を責めるための場所では決してありません。むしろ、長い間一人で抱えてきた不安や焦りを、専門職員と一緒に整理するための場所です。

お子さんの状態を「早く解決しなければ」と焦る気持ちはよくわかります。ただ、支援においては「今すぐ動かす」ことよりも「安心できる関係を少しずつ作っていく」ことが重視されています。保護者の方がセンターでの相談を通じて落ち着きを取り戻すことが、結果的にお子さんへのよい影響につながるという側面もあります。

相談の際に持参すると役立つ情報としては、現在の生活リズムの様子、最後に学校に行ったのがいつ頃か、医療機関にかかったことがあるか、といった基本的な状況メモがあります。ただし、完璧に整理されていなくても大丈夫です。スタッフが一緒に聞き取ってくれます。

お子さんが中学生・高校生年代にある場合、ひきこもりが長引くことで高校進学や卒業に影響が出ることを心配される保護者の方も多いでしょう。通信制高校や高卒認定試験といった進路は、学校に通えない状態でも学びを続けるための選択肢として広く活用されています。センターのスタッフに相談しながら、長期的な視点で考えていくことが大切です。

まとめ

不登校が長引く中でお子さんの状態がひきこもりに近づいてきたと感じたとき、ひきこもり地域支援センターは保護者にとって頼りになる相談先の一つです。内閣府の調査では15歳から64歳の50人に一人がひきこもり状態にあるとされており(令和4年度)、これは決して珍しいことではありません。大切なのは「うちの子だけ」と孤立せず、地域の専門家とつながることです。

センターへの相談はお子さん本人が来られなくても始めることができ、保護者の方が今できることを一緒に考えてもらえる場でもあります。「まだ様子を見よう」と思い続けている間にも、支援のつながりを作っておくことには意味があります。気になる様子があれば、かかりつけ医や児童精神科など専門家にご相談ください。一人で抱え込まず、まず一歩を踏み出していただければと思います。

・厚生労働省「ひきこもり支援に関する取組」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/hikikomori/
・内閣府「こども・若者の意識と生活に関する調査(令和4年度)」https://www.cfa.go.jp/
・文部科学省「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/
・文部科学省 生徒指導・不登校関連 https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/

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・不登校の回復段階とサポートの考え方:https://futoukou.co.jp/recovery/
・通信制高校という進路の選び方と探し方:https://futoukou.co.jp/correspondence-school/
・不登校の子どもを持つ保護者の相談窓口まとめ:https://futoukou.co.jp/support-system/

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