「高卒認定試験を受けようと思っているけれど、どの科目を受ければいいのかわからない」という声は、保護者の方からもお子さん本人からも多く聞かれます。科目数が多く、合格するための条件も複雑に感じられるのは当然のことです。さらに令和8年度(2026年度)からは試験科目に「情報」が追加されるという大きな変更があり、「古い情報で準備を進めてしまわないか」と不安になる方もいるかもしれません。文部科学省の公式情報をもとに、試験科目・合格要件・出題範囲について順を追って整理していきます。
高卒認定試験とはどんな制度なのか
高等学校卒業程度認定試験(いわゆる「高卒認定試験」)は、高校を卒業していなくても、一定の学力があることを国が認定する試験です。正式には「高等学校卒業程度認定試験」と呼ばれており、かつての大学入学資格検定(大検)の流れを引き継いでいます。
合格すると、大学・短大・専門学校などの受験資格が得られます。ただし「高校を卒業した」扱いにはなりませんので、就職活動などで「最終学歴」として記載できるかどうかは場面によって異なります。この点は誤解されやすい部分ですので、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。
試験は年2回行われます。文部科学省の公式サイト(2026年5月時点)によると、令和8年度の日程は以下のとおりです。
第1回:試験日は令和8年8月6日(木)・7日(金)、結果通知は令和8年9月1日(火)発送予定です。
第2回:試験日は令和8年11月7日(土)・8日(日)、結果通知は令和8年12月8日(火)発送予定です。
第1回の出願期間はすでに令和8年4月6日(月)から始まり、5月13日(水)の消印有効で締め切られています(2026年5月現在)。第2回については令和8年7月21日(火)から出願が開始されます。次の受験を検討している方は、第2回を目標に準備を進めていただくとよいでしょう。
令和8年度からの試験科目の構成と変更点
高卒認定試験には複数の試験科目があり、すべての合格に必要な科目を満たすことで「合格者」と認定される仕組みになっています。
従来の科目構成は、国語・数学・英語・世界史・日本史または地理・現代社会や倫理などの公民科目・理科系科目(科学と人間生活、物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎から選択)という構成でしたが、令和8年度(2026年度)から新たに「情報」が試験科目として追加されます。
文部科学省は令和8年度からの新科目「情報」のサンプル問題を公表しており、この追加はいわゆる「情報活用能力」を試す内容になるとされています(出典:文部科学省「高等学校卒業程度認定試験」公式サイト、2026年5月取得)。
必要な科目数は受験者の状況によって変わります。在籍していた高校で取得した単位によっては、一部の科目が免除になる場合があります。そのため「全科目受ける必要があるのか」と不安に思わず、まず自分に必要な科目を確認することが重要です。具体的な免除申請の方法は、文部科学省の受験案内または各都道府県の教育委員会に問い合わせることで確認できます。
合格要件の仕組みを正確に理解する
高卒認定試験の「合格」には2つの段階があり、ここを正確に理解しておくことがとても重要です。
1つ目は「科目合格」です。受験した科目が合格点に達すると、その科目の合格が認定されます。なお、文部科学省は各科目の合格点の具体的な数値を公表しておらず、年度や科目によって変動する場合があります。科目合格は生涯有効ですので、一度合格した科目は次回以降に再受験する必要はありません。
2つ目は「試験全体の合格」です。高卒認定試験では、必要とされるすべての試験科目に合格して初めて「高卒認定試験合格者」として認定されます。1回の試験ですべての科目に合格する必要はなく、複数回に分けて受験しながら、少しずつ必要な科目を積み上げていくことができます。
この仕組みの大切なポイントは、「焦って一度にすべての科目を受ける必要はない」という点です。得意な科目から着実に合格を積み重ねる戦略が、高卒認定試験では有効に機能します。
出題範囲と学習の進め方
各科目の出題範囲は、基本的に高校で学習する内容の基礎的な部分が中心となっています。難易度については「高校3年間の学習内容すべて」ではなく、各科目の基礎・基本を問う問題が多い傾向にあります。
たとえば数学では数学Iの範囲が中心となっており、英語では高校英語の基礎的な読解・語彙・文法が問われます。各科目の具体的な出題範囲は、文部科学省が公開している「試験科目・合格要件・出題範囲」のページで確認できますので、受験を検討している方は必ず最新の公式情報を参照してください。
学習方法の一例として、NHK高校講座(https://www.nhk.or.jp/kokokoza/)は高校の学習内容を映像と音声でわかりやすく解説しており、自宅学習の教材として活用している受験者も多いとされています(出典:NHK高校講座公式サイト、2026年5月取得)。費用がかからず、NHKとの受信契約がある方であれば追加負担なく利用できる点も、高卒認定試験の学習において実用的な選択肢のひとつになります。
また、令和7年度の試験問題が文部科学省の公式サイトで公開されていますので、過去問を実際に解いてみることが、出題傾向をつかむうえで最も確実な方法です。
まとめ
高卒認定試験は、複数回の受験を通じて少しずつ科目合格を積み上げられる仕組みになっており、「一度にすべてをクリアしなければならない」という試験ではありません。また令和8年度(2026年度)からは新科目「情報」が追加されているため、古い情報ではなく文部科学省の最新公式情報をもとに準備することが大切です。
まず確認していただきたいのは、「自分が受験すべき科目は何か」という点です。在学中に取得した単位で免除できる科目がある場合は、受験の負担を大幅に減らすことができます。受験案内の入手や免除申請の相談は、最寄りの教育委員会や文部科学省の問い合わせ窓口から始めることができます。お子さんのペースを大切にしながら、無理のない計画を立てていただければと思います。
・文部科学省「高等学校卒業程度認定試験(旧大学入学資格検定)」https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/
・NHK高校講座 公式サイト https://www.nhk.or.jp/kokokoza/
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