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不登校といじめの関係:保護者が知っておくべきデータと対応ステップ

不登校といじめの関係:保護者が知っておくべきデータと対応ステップ

「うちの子、学校でいじめられているのかもしれない」——そんな不安を抱えながら、お子さんの様子をじっと見守っている保護者の方は少なくないはずです。不登校といじめの関係は複雑で、「いじめが先か、不登校が先か」という問いに簡単に答えられないこともあります。この記事では、文部科学省の公式調査データをもとに、両者の関係を丁寧に整理し、保護者の方が今日からできることをお伝えします。

目次

不登校の要因はひとつではない:文科省調査が示す実態

不登校の原因は「いじめだけ」とも「いじめ以外だけ」とも言い切れないのが実態です。文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(令和4年度、2022年度)によると、小中学校における不登校児童生徒数は29万9,048人にのぼり、過去最多を更新しました(出典:文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」令和4年度)。

同調査では、不登校のきっかけ(複数回答可)として、「無気力・不安」が最も多く挙げられていますが、「いじめを除く友人関係をめぐる問題」や「学校における人間関係」も主要な要因として確認されています。「いじめ」そのものを直接のきっかけとして挙げるケースは全体の中では少数ですが、それは「いじめが少ない」という意味ではなく、「子どもがいじめをいじめと認識できていない」「言い出せない」という事情が背景にある場合も考えられます。

つまり、数字の上で「いじめによる不登校」が少なく見えても、実際にはいじめと無関係ではないケースが相当数含まれている可能性があります。調査結果の数字は現実の一側面であり、数字に表れない部分にも目を向けることが大切です。

いじめが不登校につながるメカニズムを理解する

いじめが不登校の直接的なきっかけになるケースでは、どのような流れをたどることが多いのでしょうか。文部科学省「生徒指導提要」(改訂版、2022年12月)では、いじめが継続・深刻化することで、被害を受けた子どもが学校への安心感を失い、登校回避につながるプロセスが示されています(出典:文部科学省「生徒指導提要」改訂版、2022年12月)。

具体的には、以下のような段階が見られる傾向があります。

1.最初は「学校に行きたくない」という訴えや、体調不良(腹痛・頭痛)として現れることが多くあります。
2.その背景に、特定の人間関係のトラブル・言葉による傷つき・グループからの排除といった経験があるケースがあります。
3.子ども自身が「これはいじめだ」と言語化できないまま、「なんとなく学校が怖い」「あのクラスには戻りたくない」という形で回避行動が定着していきます。

保護者の方が気をつけていただきたいのは、「いじめと言わないから、いじめではない」とは判断できないという点です。子どもが打ち明けるには、まず「話しても安全だ」と感じられる環境が必要です。問い詰めるのではなく、「何があったか聞かせてくれたら、一緒に考えよう」という姿勢が、子どもの言葉を引き出すことにつながります。

不登校になってからのいじめ:「二次的な問題」にも注意が必要

いじめが不登校の原因になるだけでなく、不登校になった後に新たな問題が生じるケースも見落とせません。長期の欠席によって「なぜ学校に来ないのか」とクラスメートから責められたり、SNSで孤立したりといった二次的な人間関係の問題が起きることがあります。

こども家庭庁は、子どもの権利保護と相談支援の観点から、こうした複合的な問題に対応するための窓口整備を進めています(出典:こども家庭庁公式サイト https://www.cfa.go.jp/)。子どもが「学校に戻ることへの恐れ」を持っているとき、その恐れの内側にいじめ・人間関係の不安が潜んでいないかどうかを、保護者の方が丁寧に確かめることが重要です。

また、文部科学省はいじめ問題に関する相談窓口として「子供のSOS相談窓口」を設けており、子どもや保護者が匿名で相談できる体制を整えています(出典:文部科学省「いじめ問題を含む子供のSOSに対する文部科学省の取組」https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/)。一人で抱え込まずに、専門の相談窓口に連絡することも選択肢のひとつです。

保護者が今日からできる3つのステップ

不登校といじめの関係が疑われるとき、保護者の方が取れる具体的な行動を整理します。

1.子どもの言葉を「引き出す」ではなく「受け取る」姿勢で接してください。
「誰かにいじめられているの?」と直接聞くよりも、「最近学校でつらいことがあった?」「一緒にいると嬉しい人・怖い人はいる?」のように間口を広げた問いかけが有効です。子どもが話してくれたときは、すぐに解決しようとするのではなく、まず「話してくれてよかった」と受け止めることが大切です。

2.学校・スクールカウンセラーへの相談を早めに行ってください。
「様子を見ましょう」と言われても、子どもの状態が気になるなら、スクールカウンセラーや学級担任への相談を続けることが重要です。文部科学省は、学校・家庭・関係機関が連携して対応することを生徒指導上の基本方針として位置づけています(出典:文部科学省「生徒指導提要」改訂版)。

3.学校が困難な場合は、学校以外の居場所を探してください。
いじめが深刻で、現在の学校環境に戻ることがお子さんにとって大きな負担になっている場合は、フリースクール・教育支援センター(適応指導教室)・通信制高校への転学なども選択肢として検討できます。こども家庭庁やこども家庭センターでも相談を受けつけていますので、ひとつの窓口にこだわらずに情報を集めてみてください。

まとめ

不登校といじめの関係は、数字だけでは見えにくい部分が多くあります。文部科学省のデータでは不登校の要因として「無気力・不安」が最多とされていますが、その背景にいじめや人間関係のつらさが隠れているケースは少なくないと考えられます。

保護者の方がまずできることは、子どもの言葉と行動を「評価せずに受け取ること」です。すぐに解決できなくても、「あなたの話を聞く大人がそばにいる」という安心感が、子どもの回復の土台になります。相談窓口や専門家の力も遠慮なく借りながら、お子さんのペースに寄り添っていただければと思います。

・文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査(令和4年度)」https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/
・文部科学省「生徒指導提要(改訂版)」https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/
・こども家庭庁 公式サイト https://www.cfa.go.jp/

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・不登校の回復段階と保護者の関わり方:https://futoukou.co.jp/recovery/
・不登校の子どもが使える支援制度と相談窓口:https://futoukou.co.jp/support-system/
・通信制高校への転学を検討するタイミングと手順:https://futoukou.co.jp/correspondence-school/

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