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不登校の進路は本人の意思を大切にしましょう

# 不登校の進路は本人の意思を大切にしましょう

「この子、本当に自分で決めることができるのだろうか」「このまま待っていていいのだろうか」——そんなふうに毎日もどかしい思いを抱えながら、お子さんの様子を見守っている保護者の方は多いのではないでしょうか。不登校の状態が続くなかで、進路の問題が頭をよぎるたびに、焦りと不安が押し寄せてくる。そのつらさは、お子さんのことを真剣に考えているからこそです。あなたの気持ちは、十分に伝わっています。

目次

「本人の意思を尊重する」とはどういうことか

不登校のお子さんを持つ保護者の方が一番困惑されるのは、「子どもが何も言わない」「将来についてどう聞けばいいかわからない」という場面ではないでしょうか。進路を決めなければならない時期は迫ってくるのに、お子さんは部屋から出てこない——そんな状況では、「本人の意思を尊重しましょう」という言葉が、むしろ空虚に聞こえてしまうこともあるかもしれません。

ここで大切にしていただきたいのは、「本人の意思」は言葉で表明されるものだけではない、という視点です。お子さんが「あのアニメのキャラクターのグッズを集めたい」「ゲームのこの部分が好き」「動物と一緒にいると落ち着く」と語るとき、それはすでに「本人の意思」の芽生えです。進路の話し合いを急がなくても、日常のなかのそういった言葉に耳を傾けることが、お子さんの意思を育てる土台になっていきます。

文部科学省が策定した「生徒指導提要」(文部科学省、最新改訂2022年)では、子ども一人ひとりの「自己決定の場を与えること」が健全な発達を促すうえで重要であると示されています(出典:文部科学省「生徒指導提要」2022年改訂版)。これは、進路選択においても同様です。保護者の方が先回りして決めてしまうのではなく、お子さん自身が「これをやってみたい」「ここに行ってみたい」と思える瞬間を、一緒に待つことが大切なのです。

不登校の子どもが進路を考えはじめるタイミング

「うちの子はいつ動き出すのだろう」と不安になりますよね。その気持ちはとても自然なことです。多くの保護者の方が同じように感じていらっしゃいます。

文部科学省「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、2023年度の小・中学校における不登校の児童生徒数は約34万6千人に上っており(出典:文部科学省、2024年10月公表)、不登校はけっして特別なことではなくなっています。これだけ多くのお子さんと保護者の方が、同じ悩みのなかにいらっしゃいます。あなただけではありません。

進路を考えはじめるタイミングは、お子さんによって大きく異なります。中学3年の春に動き出すお子さんもいれば、一度立ち止まってから高校進学後に改めて将来を考えはじめるお子さんもいます。「〇〇歳になったら決めなければならない」という絶対的なルールはありません。焦らなくて大丈夫です。大切なのは、お子さんが「自分が決めた」と感じられる選択をすることです。保護者の方がどんなに良かれと思って決めた進路でも、本人の納得がなければ長続きしにくい傾向があります。逆に、本人が「やってみたい」と思って選んだ道は、たとえ試行錯誤があっても前に進む力になっていきます。

本人の意思を引き出すための関わり方

「どうしたい?」と直接聞いても、お子さんが黙ってしまう——そういう経験をされた保護者の方は多いのではないでしょうか。実は、進路の話を正面からぶつけることは、今のお子さんにとってプレッシャーになってしまうことがあります。

意思を引き出すうえで効果的だといわれているのは、「小さな選択」を日常のなかで積み重ねることです。「今日のごはん、カレーとパスタどっちがいい?」「散歩に行くなら公園と川べりどっちにしよう?」といった小さな決定を繰り返すことで、お子さんは「自分の気持ちを伝えていいんだ」「自分の選択が尊重される」という感覚を取り戻していきます。

こども家庭庁も「こどもの意見を聴き、こどもにとっていちばんの利益を考える」ことを基本姿勢として掲げており(出典:こども家庭庁公式サイト)、進路に限らず、あらゆる場面でお子さん本人の視点を大切にすることが推奨されています。保護者の方が「どうしてほしいか」ではなく、「この子はどうしたいのか」を軸に関わることが、お子さんの意思を育てる最初の一歩になります。

また、学校の進路指導や教育相談の窓口を通じて、第三者の専門家に話を聴いてもらうことも、お子さんが自分の気持ちを言語化するきっかけになることがあります。保護者の方だけで抱え込む必要はありません。

本人が選べる進路の幅は広がっています

「このままでは選択肢がなくなってしまうのでは」という不安を感じている保護者の方も多いのではないでしょうか。でも、今の時代は、お子さんが選べる進路の幅は以前よりずっと広がっています。

通信制高校やサポート校は、お子さん自身のペースで学べる環境として多くの家庭に選ばれています。生徒一人ひとりの「好きなこと・得意なこと」から進路を組み立てていく仕組みを持つ学校も増えており、「本人の意思を大切にした進路選択」を実現しやすい環境が整ってきています。通信制高校・サポート校の特徴や費用については、各機関の公式情報をもとに比較検討されることをおすすめします。

また、高校卒業資格の取得を目指しながら大学受験を検討したいお子さんには、不登校や高校中退の経験を持つ方々を対象に自学自習をサポートする学習支援機関も存在しています。「やってみたい」という気持ちを、制度の面からも後押しする選択肢は確かに広がっています。

さらに、高卒認定試験(高校卒業程度認定試験)を経由して大学受験を目指すルートも、近年注目されています。お子さんの「やってみたい」という気持ちを起点に、通信制高校・サポート校・高卒認定試験など、それぞれの特徴をお子さんと一緒に一つひとつ確認していきましょう。

まとめ

お子さんの進路を「本人の意思を大切にして決める」ことは、簡単ではないかもしれません。でも、その難しさに向き合っているあなたの姿勢は、お子さんにきっと届いています。文部科学省の調査が示すように、不登校のお子さんの数は年々増えており、同じ悩みを抱える保護者の方がたくさんいらっしゃいます。一人で抱え込まないでください。

まずは日常の小さな対話から始めてみましょう。「あなたはどう思う?」と聞く場面を少しずつ増やしていくことが、お子さんが自分の意思を持って進路を選ぶための土台になります。進路の選択肢は、今の時代、決して狭くはありません。お子さんのペースを信じながら、一歩ずつ一緒に進んでいきましょう。

・文部科学省「生徒指導提要(令和4年改訂版)」https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/
・文部科学省「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/
・こども家庭庁 公式サイト https://www.cfa.go.jp/

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・不登校の子どもへの声かけと接し方:https://futoukou.co.jp/parents-support/
・通信制高校とサポート校の違いと選び方:https://futoukou.co.jp/correspondence-school/
・不登校から進路を考えるときの相談窓口まとめ:https://futoukou.co.jp/support-system/

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