「理科は何科目選べばいいの?」「生物と化学、どちらが合格しやすいの?」高卒認定試験の受験を検討しはじめた保護者の方やお子さんから、こうした疑問がよく聞かれます。試験全体の仕組みはわかっても、理科の科目選択は複数の選択肢があるうえ、令和8年度から科目構成が変わることもあり、情報が整理しにくい分野です。この記事では、公式情報に基づいて理科科目の選択ルールと選び方のポイントを丁寧に整理します。
高卒認定試験「理科」のルールを先に整理します
高卒認定試験(高等学校卒業程度認定試験)は、文部科学省が実施する国家試験です。この試験に合格することで、高校卒業者と同等以上の学力があると認定され、大学・短大・専門学校の受験資格を得ることができます。
理科については「選択科目」として位置づけられており、すべての科目を受ける必要はありません。文部科学省の公式サイト(2026年4月30日取得)によると、令和8年度からは試験科目の構成が変更されることが確定しており、受験を検討している方はとくに注意が必要です。
令和7年度(2025年度)までの試験では、理科の選択ルールはおおむね以下の通りです。
1.「科学と人間生活」を選択する場合:「科学と人間生活」の1科目に加えて、「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」のうち1科目を選ぶことで、合計2科目を受験します。
2.「科学と人間生活」を選択しない場合:「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」の4科目の中から3科目を選んで受験します。
つまり、どちらのルートでも「最低2科目の合格が必要」という点は共通しています。しかし、選ぶ科目によって勉強量や難易度の体感が大きく変わります。
重要な点として、文部科学省は「令和8年度より高等学校卒業程度認定試験の試験科目が変わります」と明記しています(文部科学省公式サイト、2026年4月30日取得)。令和8年度以降に受験を予定している方は、必ず文部科学省の最新PDFをご確認ください。本記事の内容は公式情報をもとに整理していますが、制度変更の詳細は公式発表を最優先にしてください。
科目ごとの特徴を知っておきましょう
科目の特徴を把握することで、お子さんに合ったルートが選びやすくなります。それぞれの科目の特徴を整理します。
「科学と人間生活」は、物理・化学・生物・地学の4分野を幅広くカバーする総合的な科目です。日常生活に関連した内容が多く、理科が苦手なお子さんでも取り組みやすいという声が多い科目です。この1科目で理科の選択要件の一部を満たせるため、学習負担を分散させやすいというメリットがあります。
「物理基礎」は、力・運動・エネルギーなど数式を使った計算問題が中心になります。数学が得意なお子さんには取り組みやすい一方、文系志向のお子さんには難しいと感じる場合もあります。
「化学基礎」は、物質の性質や化学反応を扱います。暗記と計算が混在しており、バランスよく準備する必要があります。
「生物基礎」は、細胞・遺伝・生態系などの内容が中心で、比較的暗記要素が多い科目です。「化学式や数式が苦手」というお子さんにとっては、文章と図で理解しやすい面があります。
「地学基礎」は、地震・天体・大気などを扱います。受験者が他の科目と比べて少ない傾向がありますが、日常的な話題とつながりやすい内容も多く含まれています。
どの科目が「簡単」かは一概にはいえません。お子さんの得意分野や、受験後の進路(大学受験で理科を使うかどうか)によって、最適な選択は変わってきます。
ルート選択の判断基準を整理します
ルート選択で迷ったとき、次の3つの視点から考えると整理しやすくなります。
1.大学受験で理科を使う予定があるかどうか
大学受験で理科が必要になる場合(理系・医療系・農学系など)は、受験に使う科目と高卒認定の科目を合わせて選ぶと、二度手間を防げます。たとえば「生物基礎・化学基礎」で高卒認定を取得しつつ、大学受験に向けて発展科目を学ぶという流れは効率的です。
2.理科の苦手意識の強さ
理科全体が苦手で「とにかく合格したい」という場合は、「科学と人間生活+基礎科目1科目」のルートが学習範囲を絞りやすい傾向があります。
3.残りの受験科目とのバランス
高卒認定試験は理科だけでなく、国語・数学・英語・地歴公民なども受験する必要があります。全体の学習計画の中で、理科にかける時間をどのくらい確保できるかを考えながら選ぶことが大切です。
NHK高校講座(https://www.nhk.or.jp/kokokoza/)では、物理基礎・化学基礎・生物基礎・地学基礎などの授業動画が無料で視聴できます。まず各科目の雰囲気を動画で確認してから選ぶという方法も、選択のヒントになります。
令和8年度の科目変更で何が変わるのか
文部科学省は「令和8年度より高卒認定試験の試験科目が変わります」と公式サイトで発表しています(文部科学省、2026年4月30日取得)。同省は新科目として「情報」が追加されることも明らかにしており、理科を含む全体の科目構成が見直されています。
ただし、理科の変更内容の詳細については、文部科学省が公表しているPDF資料を直接ご確認いただくことを強くおすすめします。変更点は年度ごとに正確な情報の確認が欠かせません。
令和8年度以降の受験を予定している方へのポイントをまとめると、次のようになります。
1.文部科学省の「令和8年度からの試験科目変更」のPDFを必ず確認してください。
2.令和7年度の問題集・参考書がそのまま使えない可能性があります。
3.受験案内は令和8年4月6日(月曜日)から配布が開始されますので、最新版で科目確認をしてください(文部科学省公式サイト、2026年4月30日取得)。
制度の過渡期にあるため、情報収集の習慣をつけておくことが重要です。
まとめ
高卒認定試験の理科科目選択は、「科学と人間生活+基礎1科目」か「基礎科目3科目」かという2つのルートを、お子さんの得意分野・進路・学習時間に合わせて選ぶことが大切です。そして令和8年度から科目構成が変わるという点が、今もっとも注意すべき情報です。
まずは文部科学省の公式サイトで最新の試験科目PDFを確認し、お子さんの状況に合ったルートを検討してください。NHK高校講座で各科目の授業動画を無料で視聴できますので、科目のイメージをつかむ手がかりとして活用してみてください。理科の選択が決まったら、全体の受験スケジュールを立てて、無理のないペースで準備を進めていきましょう。
・文部科学省「高等学校卒業程度認定試験」https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/
・NHK高校講座 公式サイト https://www.nhk.or.jp/kokokoza/
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