「通信制高校に通わせたいけれど、毎日登校は難しい」——そう感じている保護者の方は少なくないと思います。不登校の経験があるお子さんや、体調面に不安を抱えるお子さんにとって、スクーリング(登校日数)の少なさは学校選びの大きなポイントになります。実際に通信制高校のコース設計は近年大きく多様化しており、月1〜2回程度の通学で卒業資格を取得できる選択肢も増えています。スクーリングが少ない通信制高校の仕組みと選び方、注意点を順を追って解説します。
そもそも「スクーリング」とは何か
通信制高校では、自宅でのレポート提出・試験・スクーリング(面接指導)の3つをこなすことで単位を修得します。このうちスクーリングとは、学校や指定会場に実際に出向いて授業を受ける「対面授業」のことを指します。
学校教育法施行規則により、通信制高校のスクーリングは「年間を通じて一定時間以上実施すること」が義務付けられています。科目によって必要な時間数が定められており、例えば国語や数学などの一般科目は年間4〜8時間程度、体育などの実技科目はそれより多い時間数が設定されている場合があります。この法的な最低ラインを守りながら、各学校がどのようにスクーリングを設計するかは大きく異なります。
注目しておきたいのは、スクーリングの実施方法が「対面」だけでなく「オンライン」でも認められるようになったことです。文部科学省は令和3年度(2021年度)以降、一定要件を満たせばオンラインスクーリングを面接指導として認める方針を示しており、これによって通学が難しいお子さんにとっての選択肢が広がっています(出典:文部科学省 通信制高校関連通知、2021年度以降)。
つまり「スクーリングが少ない通信制高校」というのは、①年間のスクーリング日数を法定最低ラインに近い水準で設定している、②オンラインスクーリングを活用することで実際の通学日数をさらに抑えている、という2つの意味で使われているといえます。保護者の方がお子さんの学校を選ぶ際には、この2点を必ず確認するようにしてください。
スクーリングが少ない主な通信制高校の例
現在、スクーリングの少ないコースを提供している通信制高校はいくつかあります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
N高等学校・S高等学校・R高等学校(学校法人角川ドワンゴ学園)は、ネットコースを設置しており、年間約5日間の集中スクーリング(「ネットスクーリング」と呼ばれる対面授業)と、自宅でのネット授業を組み合わせて高卒資格を取得できる設計になっています。N高等学校公式サイト(取得日:2026年4月28日)によると、2025年12月末時点の全校生徒数は35,744名にのぼり、国内最多の生徒数を誇る高校となっています。これだけ多くの生徒が選んでいる背景には、生活スタイルに合わせた柔軟なスクーリング設計があるといえるでしょう。
クラーク記念国際高等学校は、公式サイト(取得日:2026年4月28日)によると月1〜2回程度の通学で卒業資格を取得できるコースを用意しています。全日型・週数日型・最小限の通学型と3つの通学スタイルを提供しており、お子さんの体調や生活リズムに合わせた選択が可能です。
第一学院高等学校は、週2日登校の「ベーシックコース」や、完全オンラインの「Mobile HighSchool」コースを設置しています(出典:第一学院高等学校公式サイト、取得日:2026年4月29日)。オンラインコースでは、スクーリングを年間数日程度にとどめながら学習を進めることができます。
鹿島学園高等学校も、全国47都道府県から入学可能な通信制高校として知られており、自分のペースで学べる体制が整っています(出典:鹿島学園高等学校公式サイト、取得日:2026年4月29日)。学費・コース設計の詳細は学習センターごとに異なるため、直接お問い合わせいただくのが確実です。
各校の最新のスクーリング日数・学費は変更されることがあります。必ず各校の公式HPで最新情報をご確認ください。
スクーリングを選ぶ際の3つのチェックポイント
スクーリングが少ない学校を選ぶときに、必ず確認しておきたいポイントが3つあります。「費用・スケジュール・手続き」の観点から整理しますので、学校見学や資料請求の際にご活用ください。
1.スクーリングの形態(対面かオンラインか)
オンラインスクーリングに対応しているかどうかを確認してください。対面のみの場合、お子さんが体調を崩した場合に欠席分の補講対応があるかどうかも重要な確認事項です。また、年間のスクーリング日程が集中型(数日間まとめて実施)か分散型(月1回など)かによって、お子さんへの負荷も変わります。
2.学費とスクーリング費用の内訳
通信制高校の学費は、授業料・入学金のほかに「スクーリング費用」「施設費」が別途かかる場合があります。スクーリング日数が少なくても、1回あたりの費用が高い場合もありますので、年間の総費用を概算してから比較することをおすすめします。就学支援金(国の補助)が適用されるかどうかも確認しましょう。
3.サポート体制の充実度
スクーリングが少ない分、日常的な学習サポートをどのように受けられるかを確認することが大切です。オンライン担任制度・チャット相談・動画教材の充実度など、スクーリング以外のサポートが手厚い学校を選ぶと、お子さんが一人で抱え込まずに学習を続けやすくなります。
注意点:「スクーリングが少ない=楽」ではありません
スクーリングが少ない通信制高校を選ぶことは、お子さんのペースを守るうえで有効な選択肢の一つです。ただ、保護者の方に知っておいていただきたい点があります。
スクーリングが少ない分、レポート提出や自学習の比重が高くなります。学習のペースを自分でコントロールする力が求められるため、サポートが薄い環境では学習が止まりやすくなることもあります。不登校やひきこもりの状態にあるお子さんの場合、スクーリング日数の少なさだけを基準に選ぶのではなく、学習サポートの体制や、困ったときに相談できる人が近くにいる環境かどうかも同じくらい重視することが大切です。
また「スクーリングが少ない学校なら絶対に通えるはず」とお子さんに強く勧めることは、場合によっては逆効果になることもあります。まずはお子さん自身が資料を見る、オープンスクールに一緒に参加するなど、小さな一歩から始めることをおすすめします。お子さんが嫌がっているときは、無理に押しつけず、本人のタイミングを待つ姿勢を大切にしてください。
まとめ
スクーリングが少ない通信制高校は、体調や生活リズムの問題を抱えるお子さんにとって現実的な進路の一つです。N高グループ・クラーク記念国際・第一学院・鹿島学園など、各校がそれぞれ異なるスクーリング形態を用意しています。学校を選ぶ際は「スクーリングの形態(対面・オンライン)」「年間の総費用」「学習サポートの充実度」の3点を必ず確認してください。最新の情報は各校公式HPでご確認いただき、気になる学校には早めに資料請求・個別相談をしてみることをおすすめします。お子さんのペースを第一に、焦らず一緒に情報を集めていただければと思います。
・N高等学校・S高等学校・R高等学校 公式サイト:https://nnn.ed.jp/
・クラーク記念国際高等学校 公式サイト:https://www.clark.ed.jp/
・第一学院高等学校 公式サイト:https://www.daiichigakuin.ed.jp/
・鹿島学園高等学校 公式サイト:https://www.kg-school.net/gakuen/
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