「通信制高校は自由だけど、本当に大丈夫なのか」と感じている保護者の方は多いのではないでしょうか。進路の選択肢として通信制高校が気になりながらも、デメリットが気になって踏み出せない、という声はよく聞かれます。正直なところ、通信制高校には向いている子どももいれば、向いていない子どももいます。大切なのは、デメリットを隠さず把握したうえで、わが子に合うかどうかを判断することです。この記事では、通信制高校のデメリットを具体的に整理しながら、それぞれへの対処法もあわせてお伝えします。
そもそも通信制高校はどれくらい広まっているのか
通信制高校は、決して少数派の選択肢ではなくなってきています。文部科学省「令和5年度学校基本調査」によると、通信制高校の在籍生徒数は約23万人にのぼり、高校生全体の約6〜7%を占めています。
また、N高等学校の公式サイト(2026年4月取得)によると、N高グループ全体の全校生徒数は35,744名(2025年12月末時点)とされており、1校あたりの規模としては全国最大級です。通信制高校がここまで広がった背景には、不登校の増加だけでなく、学び方の多様化や働きながら学ぶニーズの高まりがあります。
一方で、在籍生徒数が増えるほど「合わなかった」という声も出てきます。通信制高校は全日制高校とは仕組みが大きく異なるため、向き不向きがはっきりしていると言えるでしょう。具体的にどのようなデメリットがあるのか、次から一つひとつ整理していきます。
デメリット1:自己管理が求められ、学習が続かないことがある
通信制高校の最大の特徴は「自由度の高さ」ですが、これがそのままデメリットにもなります。全日制高校では時間割に沿って登校するだけで学習の流れができますが、通信制高校では自分でレポートに取り組む時間を確保しなければなりません。
具体的には、以下のような場面で自己管理の難しさが出てきやすいです。
1.レポートの提出期限を忘れてしまい、単位を落とすケースがあります。
2.「いつでもできる」という安心感が先延ばしにつながることがあります。
3.家にいると生活リズムが崩れやすく、学習時間が確保しにくいことがあります。
対処法としては、サポート校の活用が有効です。サポート校とは、通信制高校の学習をサポートする民間の教育機関であり、レポートの管理や毎日の登校リズムの確保を一緒に行ってくれます。第一学院高等学校(公式サイト、2026年4月取得)のように、週5日登校のスタンダードコースから週2日のベーシックコースまで選べる学校も増えており、生徒の状況に合わせた通学頻度を選択できる仕組みが整ってきています。
デメリット2:友人関係や学校生活の体験が限られやすい
通信制高校では、同じ学校の生徒と毎日顔を合わせる機会が少ないため、友人関係を築きにくいという声があります。特にネットコースを主体とした学校の場合、スクーリング(対面授業)は年に数日〜数回程度にとどまることもあります。
文化祭や体育祭といった行事への参加機会も、全日制高校とは異なります。高校生活の中で「青春の思い出」として語られるような体験が少ないと感じる卒業生の声も、公開されているインタビュー記事等でしばしば見られます。
ただし、この点は学校によって大きく差があります。クラーク記念国際高等学校(公式サイト、2026年4月取得)は1992年の開校以来、全国各地のキャンパスで行事・部活動を展開しており、週5日通学する「全日型」のスタイルも選べます。N高等学校もバーチャル空間やリアルキャンパスでの交流の機会を用意しています。
つまり、「通信制高校=孤独」ではなく、どの学校のどのコースを選ぶかによって体験の豊かさはかなり変わります。学校選びの際は、スクーリングの頻度や行事の有無を必ず確認してください。
デメリット3:進路実績や大学受験サポートに格差がある
「通信制高校から大学進学は難しいのでは」という不安をお持ちの保護者の方も多いでしょう。これは一概には言えませんが、学校によって進学支援の内容に大きな格差があることは事実です。
大学進学を重視する学校では、専門のカリキュラムや個別指導を整えているところがあります。たとえば第一学院高等学校では「国公立・難関私大特化クラス」を設けており、大学受験に特化した指導を受けられます。一方で、レポートと単位修得のみに特化した最小限のサポートしかない学校では、大学受験対策は生徒本人や外部の塾に委ねられることになります。
文部科学省「学校基本調査(令和5年度)」によると、通信制高校卒業生のうち大学・短大に進学した割合は約18%で、全日制(約55%)と比べると低い水準にあります。ただし、この数値は通信制高校全体を一括りにしたものであり、進学特化型の学校では実績が大きく異なります。
大学進学を目指しているお子さんの場合は、志望する学校の進学実績をオープンスクールや資料請求で必ず確認することが重要です。
デメリット4:卒業率・中途退学率に注意が必要
通信制高校では、入学はしたものの卒業に至らないケースも一定数あります。文部科学省「令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、通信制高校における中途退学者数・退学率は全日制と比べて高い傾向にあります。
背景には、次のような理由が考えられます。
1.学習の継続が難しく、単位を積み重ねられなくなるケースがあります。
2.進路の目標が定まらず、在籍する意味を見失うことがあります。
3.メンタル面のサポートが不十分な学校では、心理的なつまずきが続くことがあります。
ここで大切なのは、「学校選びの段階で卒業率を確認する」という視点です。各学校のオープンスクールや個別相談会で「卒業率はどの程度ですか」と率直に尋ねることは、賢明な選択につながります。鹿島学園高等学校のように、全国47都道府県から入学可能で、学習センターごとに個別サポートを充実させている学校も増えています。入学前にどのようなフォロー体制があるかを確認することが、卒業まで続けるための大きな鍵となります。
まとめ
通信制高校のデメリットは確かに存在しますが、「どの学校を選ぶか」「どのコースを選ぶか」によって大きく変わってくるものでもあります。自己管理の難しさ、友人関係の作りにくさ、大学進学サポートの格差、中途退学のリスク、これらはいずれも事前に把握しておくことで対策が立てられます。
まずはお子さんの状況と照らし合わせて、「何を優先したいか」を整理してみてください。そのうえで複数の学校の資料請求やオープンスクールに参加し、サポート体制を比較することをおすすめします。「通信制高校は妥協の選択」ではなく、お子さんに合ったルートを選ぶための大切な一歩です。焦らず、一緒に確認していきましょう。
・文部科学省「令和5年度学校基本調査」https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kihon/1267995.htm
・文部科学省「令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1302902.htm
・N高等学校 公式サイト https://nnn.ed.jp/
・第一学院高等学校 公式サイト https://www.daiichigakuin.ed.jp/
・クラーク記念国際高等学校 公式サイト https://www.clark.ed.jp/
関連記事
・通信制高校から大学へ進む方法と進学率:https://futoukou.co.jp/correspondence-school/
・不登校の子どもの進路と選択肢を整理する:https://futoukou.co.jp/career-path/
・サポート校と通信制高校の違いと選び方:https://futoukou.co.jp/support-system/

コメント