「どこに相談すればいいかわからない」「支援があると聞いたけれど、自分の地域では何があるのだろう」と感じている保護者の方は、多いのではないでしょうか。お子さんが学校に行けなくなったとき、真っ先に感じるのは「孤立感」だと言われています。情報を集めようにも、何が本当に役立つのかわからない、そんな状態で毎日を過ごしていらっしゃる方に、ここでは自治体や公的機関による保護者支援について整理してお伝えします。
あなただけではありません。不登校の現状を知ってほしい
まず、一つお伝えしたいことがあります。お子さんが学校に行けない状況になったとき、「自分の育て方が間違っていたのでは」と深夜に考え込んでしまった保護者の方は、決して少なくありません。そのような気持ちになるのは、それだけお子さんのことを真剣に考えているからではないでしょうか。
文部科学省の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、2020年度以降、不登校の児童生徒数は増加傾向にあるとされています(出典:文部科学省生徒指導 https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/ )。数値は年々更新されており、今まさにこの記事を読んでいる保護者の方と同じように悩んでいるご家族が、日本全国にたくさんいらっしゃいます。
また、内閣府の「こども・若者の意識と生活に関する調査」(令和4年度実施)では、15〜64歳の約50人に1人がひきこもり状態にあるという推計が示されています(出典:厚生労働省ひきこもり支援 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/hikikomori/ )。不登校やひきこもりは、特別な家庭だけの問題ではなく、今の社会が広く向き合っている課題であるということが、このデータからも見えてきます。
自治体が提供している主な支援の種類
「自治体の支援」と聞いても、具体的に何があるのかイメージしにくい方も多いと思います。ここでは、多くの市区町村で提供されている代表的な支援の種類をご紹介します。
一つ目は「教育支援センター(適応指導教室)」です。各自治体の教育委員会が運営していることが多く、学校に行けない子どもが少しずつ社会や学習と再びつながるための場として設置されています。保護者が一人で相談窓口に訪ねることもできるところが多くあります。
二つ目は「スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーへの相談」です。学校に配置されているケースが増えており、お子さんだけでなく保護者の方が直接話を聴いてもらえる窓口として機能しています。「学校に連絡するのが気まずい」と感じる方もいらっしゃいますが、保護者のみで利用できる場合もありますので、一度確認してみてください。
三つ目は「こども家庭センター」です。こども家庭庁が推進する体制整備の一環として、全国の市区町村での設置が進んでいます。不登校に限らず、子育てに関する幅広い相談を受け付けており、必要に応じて適切な支援機関につないでもらえます(出典:こども家庭庁 https://www.cfa.go.jp/ )。
どの窓口も、「まだ深刻ではないから行きにくい」と遠慮する必要はまったくありません。困っていると感じた段階で相談してよい場所です。
GW明けに増える「学校に行けない」という声
2026年5月11日、フリースクール全国ネットワークと登校拒否・不登校を考える全国ネットワークが共同声明を発表しました。内容は「ゴールデンウィーク明けに子どもが『学校を休みたい』と言った際に、子どもを追い詰めてしまいがちな対応についての注意喚起」です(出典:フリースクール全国ネットワーク https://freeschoolnetwork.jp )。
この声明が出されたということは、毎年この時期に同じような状況が多く起きているということでもあります。「なぜうちの子だけ」ではなく、新年度の緊張感が続いた後にエネルギーが切れてしまうお子さんは、社会全体で見ると決して少なくありません。
もしお子さんが「行きたくない」と言い出したとき、保護者の方が最初に感じる不安や焦りは、とても自然な気持ちです。ただ、その気持ちのままに「なぜ行けないの」と問い詰めることは、お子さんをさらに苦しくさせてしまう場合があると、専門家からも指摘されています。焦らなくて大丈夫です。まず「そうか、つらいんだね」と受け止めることが、長い目で見て大きな支えになるという傾向があります。
保護者自身が「支えられる人」になるために
お子さんを支えるためには、保護者の方自身も支えられている必要があります。これは精神論ではなく、長期的な対応を考えたときに非常に重要な視点です。
厚生労働省のひきこもり支援ポータルサイト「ひきこもりVOICE STATION」には、ひきこもり状態にある方の家族向けの情報や相談窓口が掲載されています。このサイトは2026年にリニューアルされ、当事者や家族の声を集めたコンテンツも充実してきています(出典:厚生労働省ひきこもり支援 前掲)。
「不登校とひきこもりは違う」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。ただ、長期的に学校や外出が難しい状態が続いている場合には、こうした支援リソースも選択肢の一つとして知っておくことは役立ちます。専門家への相談を「大げさにしているようで気が引ける」と感じる必要は、まったくありません。
また、お住まいの市区町村の「子ども・若者支援窓口」や「子育て相談センター」に電話一本入れるだけで、地域で使える支援の情報をまとめて教えてもらえることが多くあります。「うちの地域にはどんな支援があるのか」をまず確認するところから始めてみてください。
まとめ
お子さんが学校に行けなくなったとき、保護者の方が一人でその重さを引き受けようとするのは、本当につらいことです。でも、相談できる場所はたくさんあります。自治体の教育支援センター、こども家庭センター、スクールカウンセラー、そして国の相談窓口と、選択肢は決して少なくありません。「どこに行けばいいかわからない」という場合は、まず市区町村の子育て相談窓口に電話してみるのが、一番シンプルな一歩です。あなたの愛情はきっとお子さんに伝わっています。一人で抱え込まないでください。
・文部科学省「生徒指導について」 https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/
・こども家庭庁 公式サイト https://www.cfa.go.jp/
・厚生労働省「ひきこもり支援に関する取組」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/hikikomori/
・フリースクール全国ネットワーク 公式サイト https://freeschoolnetwork.jp
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