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不登校と出席日数が高校受験に与える影響と対策

不登校と出席日数が高校受験に与える影響と対策

「出席日数が足りないと、高校受験は無理なのでしょうか」。お子さんが不登校になったとき、多くの保護者の方がこのような不安を抱えます。結論から申し上げると、出席日数が少なくても高校進学の道は複数あります。ただし、仕組みを正確に知っておかなければ、選択肢を見落としてしまう可能性があります。出席日数が高校受験に与える影響と、それぞれの状況に応じた進路の選び方について、以下で詳しく整理していきます。

目次

まず知っておきたい「不登校の現状」

不登校のお子さんを持つ保護者の方は、決して少数ではありません。文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(2023年度)によると、中学生の不登校児童生徒数は216,112人にのぼり、過去最多を更新し続けています。これは中学生全体の約6.9%、つまり14〜15人に1人という割合に相当します。

この数字が示すのは、不登校は特別なことではなく、多くの家庭が同じ状況にあるという現実です。そして、それだけ多くのお子さんが高校受験という場面に直面し、保護者の方も「出席日数はどう扱われるのか」という疑問を抱えているということになります。

高校受験において出席日数がどのように扱われるかは、都道府県や学校の種類によって異なります。公立高校の場合、多くの都道府県では中学校の内申書(調査書)に出席日数が記載されます。内申書には、各教科の成績だけでなく、出席日数・欠席日数・特別活動の記録なども含まれており、選抜の参考資料として使用されます。

ただし、内申書の扱い方は都道府県ごとに大きく異なります。東京都や大阪府などでは、不登校の生徒に対して調査書の評定を一律に不利扱いしないよう配慮する方針が示されている場合があります。お子さんが在住している都道府県の教育委員会が公表している入試要項を直接確認することが、最も正確な情報を得る方法です。

出席日数が少ない場合に起きること

公立高校の一般入試では、調査書の内容が合否判定の一部として使用されます。欠席が多い場合、評定が下がっている可能性があることに加え、欠席日数そのものが審査の参考にされるケースもあります。ここでは、よく見られる3つのパターンを整理します。

1.評定にどのような影響があるか
中学校では定期テストの点数だけでなく、授業への参加状況・提出物・小テストなどを総合して評定がつきます。欠席が多いとこれらの機会に参加できず、評定が低くなりやすい傾向があります。

2.出席日数はどのように記載されるか
調査書には年間の出席日数と欠席日数が記載されます。都道府県や高校によっては、欠席日数が一定以上の場合に選抜で不利になることがあります。

3.不登校経験者向けの特別選抜が設けられているケースもある
一方で、近年では不登校の生徒に対して特別な選抜枠を設けている都道府県も増えています。東京都・神奈川県・埼玉県などでは、不登校経験者を対象とした「特別入学者選抜」や「自己申告書」の提出を認める仕組みが整備されています。

保護者の方が押さえておきたいのは、「一般の公立高校しか選択肢がない」わけではないという点です。次の見出しで、具体的な進路の選択肢を整理します。

出席日数が少なくても選べる進路の選択肢

不登校のお子さんが高校進学を目指す際の選択肢は、大きく分けて4つあります。

1.通信制高校(広域・都道府県立を含む)
通信制高校は、学校への登校日数が週1日〜数日程度でよく、自宅学習を中心に単位を取得できる高校です。全国に約270校(文部科学省「学校基本調査」2023年度)あり、入試の多くは面接・作文・書類審査で構成されています。欠席日数や内申書の評定が合否に直結しにくいため、不登校のお子さんにとって取り組みやすい選択肢のひとつです。

2.定時制高校
定時制高校は夜間や昼間など、時間帯を選んで通える高校です。4年間での卒業が基本ですが、単位制を採用している学校も多く、自分のペースで学ぶことができます。入試の形式は学校によって異なりますが、一般入試よりも内申書の比重が低いケースも見られます。

3.チャレンジスクール・クリエイティブスクール(都市部)
東京都では「チャレンジスクール」、神奈川県では「クリエイティブスクール」という、不登校経験者を主な対象とした単位制・定時制の高校が設置されています。内申書の評定ではなく、志願申告書や面接を中心に選抜が行われるため、出席日数よりも本人の意欲や今後の意志が重視される入試です。

4.高卒認定試験
高等学校卒業程度認定試験(高卒認定)は、文部科学省が実施する試験で、合格することで高校卒業者と同等以上の学力があると認定されます。高校に在籍・卒業しなくても受験でき、大学・短大・専門学校の受験資格が得られます。文部科学省公式サイトによると、令和8年度の試験は第1回が2026年8月6〜7日、第2回が2026年11月7〜8日に予定されています。「高校に行かなくても次のステップへ進める」という選択肢として、近年注目が集まっています。

在籍校でできる「出席扱い」の制度を知っておく

不登校のお子さんが自宅でフリースクールやICTを活用した学習に取り組んでいる場合、条件を満たせば学校の「出席」として認められる場合があります。

文部科学省は2023年3月に「不登校児童生徒が自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱い等について」の通知を改訂し、フリースクールやオンライン学習での学習活動を出席扱いにできる条件を整理しています。

具体的には、次の条件がそろっている場合に校長の裁量で出席扱いとなる可能性があります。

1.保護者と学校の間で連携・合意があること
2.学習の成果が定期的に把握されていること
3.お子さんの自立・社会参加に資すると学校が判断すること

この制度はすべての学校で自動的に適用されるわけではなく、担任や学校との相談が不可欠です。もしお子さんがフリースクールやオンライン学習に取り組んでいる場合は、学校側に「出席扱いの申請が可能かどうか」を確認してみてください。内申書の記録に直接影響するため、早めに動くことが大切です。

まとめ

出席日数が少ないことは、高校進学において影響がまったくないとは言えませんが、それが「進学できない」を意味するわけではありません。通信制高校・定時制高校・チャレンジスクール・高卒認定試験など、複数の選択肢があります。また、在籍校での「出席扱い」制度を活用することで、内申書への影響を軽減できる場合もあります。

まず保護者の方に取っていただきたい行動は2つです。ひとつは、お住まいの都道府県の教育委員会が公表している公立高校入試の要項を確認すること。もうひとつは、お子さんの担任や学校のスクールカウンセラーに「出席扱い制度の適用可能性」を相談することです。制度を正確に知ることが、お子さんにとって一番合った進路を選ぶ出発点になります。焦らず、一つひとつ確認していきましょう。

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