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オランダの教育から学ぶ不登校への向き合い方

オランダの教育から学ぶ不登校への向き合い方

「学校に行くこと」が当たり前だと思っていたら、それ自体を問い直した国があります。オランダです。日本では今、不登校の子どもの数が過去最多水準にある中、「学校以外の場所で育つ」ことを社会全体で認めてきたオランダの教育の考え方が、保護者の方々の間でも少しずつ注目を集めています。今回は、オランダの教育の特徴と、日本の現状を照らし合わせながら、お子さんとの向き合い方のヒントをお伝えします。

目次

日本の不登校、いまどのくらいの数なのか

文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(2023年度)によると、小・中学校における不登校の児童生徒数は約34万6,000人にのぼり、11年連続で増加しています。これは30人学級で換算すると、全国に約1万1,000クラス分の子どもたちが、何らかの理由で学校に通えていないことを意味します。

この数字を見て、「こんなに多いのか」と驚かれる保護者の方もいれば、「うちの子だけじゃないんだ」と少し息をつかれる方もいるかもしれません。文部科学省は現在、不登校の子どもへの対応として、学校外での学びの場の整備や、校内での別室支援の充実などを進めており、「学校に戻すこと」だけを目標とはしない方向に政策の視点が変わりつつあります(出典:文部科学省 生徒指導等について https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/)。

数の多さは、お子さんの状況が特別なことでも、親御さんの育て方のせいでもありません。社会全体で考えるべき問いが、数字の中に込められています。

オランダが大切にしている「学びの自由」という考え方

オランダは世界でも教育の多様性が高い国のひとつとして知られています。OECD(経済協力開発機構)「Education at a Glance 2023」において、オランダは初等・中等教育における学校選択の自由度が高い国として評価されており、国が認可するさまざまな教育方法の学校が公費で運営されています(出典:OECD「Education at a Glance 2023」https://www.oecd.org/education/education-at-a-glance/)。

オランダでは1917年の憲法改正によって「教育の自由」が明文化され、モンテッソーリ教育・イエナプラン教育・シュタイナー教育など、多様な教育哲学に基づく学校が公立として認められてきました。特に「イエナプラン教育」は、異なる年齢の子どもが同じグループで学ぶ形を取り、テストや学年による区分けを重視しないスタイルとして知られています。日本でも長野県などの一部の公立小学校がイエナプランの考え方を取り入れた実践を始めており、注目が集まっています。

「学校に合わせる」のではなく、「学びが子どもに合わせる」という発想は、不登校のお子さんを持つ保護者の方にとって、一つの大きな気づきをもたらしてくれるのではないでしょうか。

日本でも広がる「学校以外の学びの場」という選択肢

オランダの話を知ると、「でも日本では難しいのでは」と感じる方もいるかもしれません。確かに日本の教育制度はオランダほど多様化が進んでいるわけではありませんが、ここ数年で選択肢は着実に広がっています。

文部科学省は2023年に「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策」(COCOLOプラン)を策定し、フリースクールや学習センターなど、学校外の教育機関での学びを「出席扱い」とする仕組みの整備を進めています。また、通信制高校への進学者数も年々増加しており、全国高等学校通信教育研究会の調査によると、2023年度の通信制高校在籍者数は約26万人を超えています(出典:全国高等学校通信教育研究会 調査資料)。

「学校に行けないこと」が一つの生き方の選択肢として社会に認められ始めている、その変化は確かに起きています。朝日新聞の教育関連報道(2026年5月)でも、通信制高校の教育の質向上に向けた議論や、多摩市が保護者との探究学習を「欠席扱いにしない授業」として認定した取り組みが紹介されており、地域ごとに新しい実践が生まれていることがわかります(出典:朝日新聞教育 https://www.asahi.com/rss/asahi/edu.rdf、取得日:2026年5月6日)。

お子さんに合った場所は、学校の中にも外にも、どちらにもあり得ます。焦らず、一つひとつ探していただければと思います。

まとめ

オランダの教育が教えてくれるのは、「子どもの学びに正解の形は一つではない」ということです。日本でも不登校の子どもへの支援は少しずつ変わりつつあり、通信制高校やフリースクール、自治体ごとの新しい取り組みが広がっています。今、お子さんのことで悩んでいる保護者の方、どうかひとりで抱え込まないでください。選べる場所は確かに増えています。お子さんのペースを信じながら、一緒に歩んでいきましょう。

・文部科学省「生徒指導等について」https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/
・文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査(2023年度)」https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/futoukou/
・OECD「Education at a Glance 2023」https://www.oecd.org/education/education-at-a-glance/
・朝日新聞教育(2026年5月6日取得)https://www.asahi.com/rss/asahi/edu.rdf
・こども家庭庁 公式サイト https://www.cfa.go.jp/

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・不登校の子どもへの接し方と保護者の関わり方:https://futoukou.co.jp/parents-support/
・通信制高校とは何か、選び方と注意点:https://futoukou.co.jp/correspondence-school/
・フリースクールや学校外支援の活用法:https://futoukou.co.jp/support-system/

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