MENU

不登校からでも公立高校を受験する方法と手順

不登校からでも公立高校を受験する方法と手順

「うちの子は不登校だから、公立高校は難しいかもしれない……」そう感じている保護者の方は、少なくないのではないでしょうか。確かに、欠席日数や内申点の扱いが気になるところですが、不登校であっても公立高校への進学を実現している生徒は多くいます。正しい情報と準備があれば、道は開けます。この記事では、不登校の状態から公立高校を受験するための具体的な手順・費用・スケジュールを、保護者の方が子どもに伝えやすい形でまとめました。

目次

不登校と公立高校受験の現状を知ろう

まず、現状を正確に把握することから始めましょう。文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(2023年度・令和5年度)によると、中学校における不登校生徒数は約21万6千人に上り、過去最多を更新しています(出典:文部科学省 生徒指導・https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/)。これだけ多くの生徒が不登校を経験しているということは、高校入試においても不登校生徒への対応が社会的な課題として認識されてきていることを意味します。

実際、多くの都道府県の公立高校では、不登校生徒に配慮した選考方法を取り入れる動きが広がっています。たとえば、「不登校特例校」や「チャレンジスクール(東京都)」「エンパワメントスクール(大阪府)」など、不登校経験者を積極的に受け入れる公立高校が各地に設置されています。また、通常の全日制公立高校であっても、欠席日数が多い生徒に対して「調査書の欠席記録を審査の参考にしない」「別室での受験を認める」などの配慮措置を設けている自治体も存在します。

ここで大切なのは、「どの都道府県のどの高校か」によって対応が大きく異なるという点です。受験を考えている地域の教育委員会の入試要項を必ず確認し、中学校の担任や進路指導の先生にも相談することをおすすめします。一般論だけで判断せず、「わが子が受ける地域の実情」を調べることが第一歩です。

内申点と欠席日数の扱いを都道府県別に確認する

公立高校の受験において、不登校の保護者の方が最も心配するのが「内申点」と「欠席日数」の扱いです。この2点は都道府県・学校によって扱いが異なるため、一律に「不利になる」とも「影響しない」とも言い切れないのが実情です。

内申点については、多くの公立高校で中学校の調査書(内申書)が選考材料のひとつになっています。ただし、欠席が多い場合でも「欠席理由が不登校であることを明記した上で、学力検査の結果を重視して選考する」とルールを定めている自治体があります。東京都では「不登校生徒に係る特別措置」として、全日制・定時制を問わず、一定の条件のもとで欠席日数や内申を調査書に記載しない扱いができる場合があります(最新情報は東京都教育委員会の公式HPでご確認ください)。

欠席日数についても同様で、「年間30日以上の欠席が審査に影響する」と明記している自治体もあれば、「不登校を理由とする欠席は考慮しない」と明示している自治体もあります。大切なのは「うちの子が受けたい高校の所在する都道府県の基準を調べること」です。

保護者の方が今すぐできることは、以下の順序で確認を進めることです。

1.お住まいの都道府県の教育委員会の公式HPにある「高校入試要項」を確認する
2.中学校の担任または進路指導主事に「不登校生徒への配慮措置があるか」を直接聞く
3.受けたい高校の学校説明会に足を運び、個別に相談する

お子さんが今、学校に行くことが難しい状態であれば、保護者の方だけで動いても構いません。情報収集の段階は、焦る必要はありません。

受験までのスケジュールと逆算準備

公立高校の受験(一般的な3月入試)を目標とした場合、逆算でスケジュールを組むと以下のようになります。

中学3年の4月〜5月(受験の約10〜11ヶ月前)は、情報収集と進路の方向性を決める時期です。まず都道府県の入試要項を入手し、志望校の絞り込みを始めましょう。フリースクールや教育支援センターに在籍している場合は、出席扱いの認定が内申点に影響する可能性があるため、担当者に確認しておくとよいでしょう。

中学3年の7月〜8月(受験の約7〜8ヶ月前)は、夏期講習などで学力の底上げを図る時期です。塾や通信教育、オンライン家庭教師など、お子さんが無理なく取り組める学習環境を整えることが重要です。外に出ることが難しい場合でも、オンライン対応の学習サービスは多く存在しています。

中学3年の10月〜11月(受験の約4〜5ヶ月前)は、学校説明会や入試相談の時期です。志望校のオープンキャンパス・学校見学会に参加し、雰囲気を確かめましょう。お子さんが参加できる場合は一緒に行くことが理想ですが、難しければ保護者の方だけで先に情報を集めてもよいです。

中学3年の12月〜1月(受験の約2〜3ヶ月前)は、出願書類の準備時期です。調査書の発行依頼を中学校に出し、願書の記載内容を確認します。不登校配慮措置を利用する場合は、この時期に学校と最終確認をしておくことをおすすめします。

中学3年の3月(試験直前〜当日)は、本番の受験です。別室受験などの配慮が必要な場合は、事前に申請が必要な場合がほとんどです。出願時または出願前に高校側に確認しておきましょう。

お子さんが嫌がったり、この通りに進まなくても、無理に押しつけないでください。スケジュールはあくまで目安です。

費用の目安と受験に向けた学習サポート

公立高校の受験費用そのものは比較的低額です。受験料は都道府県によって異なりますが、多くの場合2,200円程度(東京都公立高校の受験料は2,200円・東京都教育委員会公式HP参照)で、私立高校と比較してもかなり抑えられます。

ただし、受験に向けた学習サポートの費用は別途かかります。一般的な傾向として、以下のような選択肢があります。

  1. 塾(集団・個別指導)

月額1万5千円〜5万円程度が一般的とされています(各塾の公式HPによる)。ただし、不登校のお子さんの場合、集団指導の塾に通うことが心理的に難しい場合もあります。個別指導塾やオンライン対応の塾を優先的に検討するとよいでしょう。

  1. オンライン家庭教師・通信教育

月額5千円〜2万円程度のサービスが多く、自宅から出ずに学習できる点が特徴です。お子さんのペースに合わせやすい形式のため、不登校の状態でも取り組みやすいとされています。

  1. フリースクール経由の学習支援

フリースクールに在籍している場合、受験対策を含めた学習支援を提供しているところもあります。費用は施設によって大きく異なりますが、月額1万円〜5万円程度が多い傾向があります(各施設の公式HPでご確認ください)。

なお、経済的な事情がある場合は、就学支援金制度(公立高校進学後に適用)や、自治体独自の受験支援給付金制度が利用できる場合があります。お住まいの市区町村の教育委員会や福祉窓口にお問い合わせください。

まとめ

不登校であっても、公立高校受験への道は閉ざされていません。都道府県によって対応は異なりますが、配慮措置や特別入試を活用することで、選択肢は広がっています。まず「情報収集→中学校・教育委員会への相談→志望校の絞り込み→学習サポートの整備」という順序で、一歩ずつ進めることが大切です。焦らず、お子さんのペースを最優先にしながら、保護者の方が先に情報を集めて選択肢を用意してあげることが、今できる最善の行動です。受験は「ゴール」ではなく、お子さんが次のステージに進むための「入口」です。どうか、保護者の方自身も焦りすぎず、一歩ずつ進んでいただければと思います。

・文部科学省「生徒指導等について(児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査)」https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/
・文部科学省「高等学校卒業程度認定試験」https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shiken/
・こども家庭庁 公式サイト https://www.cfa.go.jp/

関連記事

・不登校から高校進学を考えるときに知っておきたいこと:https://futoukou.co.jp/career-path/
・通信制高校とはどんな学校か入学の流れと費用:https://futoukou.co.jp/correspondence-school/
・高卒認定試験の仕組みとスケジュールと活用法:https://futoukou.co.jp/high-school-equivalency/

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次