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不登校を描いたマンガを子どもに届けたい保護者の方へ、共感できる5つの作品をご紹介します

不登校を描いたマンガを子どもに届けたい保護者の方へ、共感できる5つの作品をご紹介します

学校に行けない日々、子どもの隣でどんな言葉をかければいいか、迷っている保護者の方も多いのではないでしょうか。そんなとき、マンガという形で「自分と似た誰かの物語」に触れることが、子どもにとっても、保護者の方にとっても、静かな支えになることがあります。言葉では届かないときでも、物語はそっと心の隙間に入ってくることがあります。今回は、不登校をテーマに描かれた、または不登校の子どもや家族が共感しやすいと知られているマンガをご紹介します。

目次

不登校は今や「特別なこと」ではありません

まず、ひとつの数字をお伝えしたいと思います。

文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(2023年度)によると、小・中学校における不登校の児童生徒数は約34万6,000人にのぼり、過去最多を更新しました。これは小中学生のおよそ28人に1人という割合に相当します(出典:文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」2023年度)。

この数字は、不登校が一部の子どもだけの出来事ではなく、今の日本社会に広く存在する現実であることを示しています。にもかかわらず、「なぜうちの子だけ」という孤独感を抱える保護者の方は、今も少なくありません。

だからこそ、同じような状況を描いたマンガが持つ力は決して小さくないと感じます。「自分だけじゃなかった」「こういう気持ち、わかる」という感覚が、言葉よりも先に届くことがあるからです。また、不登校の状態にある子どもは、エネルギーが少ない中で毎日を過ごしていることが多く、長い文章を読むよりもマンガのほうが「ちょっと読んでみよう」と手が伸びやすいという点も、マンガを選ぶ理由のひとつになりえます。

不登校を描くマンガが持つ静かな力

マンガには、文章や映像とはひと味違う「語る距離感」があります。読者がページをめくるペースを自分でコントロールできるため、しんどい場面でそっと本を閉じることも、気が向いたときにまた開くことも自由です。この「読む速度を自分で決められる」という特性は、エネルギーが低下しがちな状態の子どもにとって、とても大切なことではないでしょうか。

また、登場人物を通じて「自分の気持ちに名前がつく」体験ができるのも、マンガならではの強みです。「これ、自分と同じだ」と思える瞬間が、自分の状態を言語化するきっかけになることがあります。それがやがて、保護者の方や信頼できる大人に「こういう気持ちなんだ」と伝える言葉につながることもあります。

さらに、保護者の方がマンガを先に読むことで、子どもの気持ちへの理解が少し深まるという効果も期待できます。「うちの子も、もしかしてこういう気持ちを抱えているのかな」という想像力が、日常の接し方にわずかな変化をもたらすことがあります。

保護者の方にも読んでほしい作品を中心に

ここからは、不登校をテーマにした、または不登校の子どもや家族が共感しやすいと知られているマンガをご紹介します。実際に刊行されている作品の公開情報をもとにご紹介しますので、気になる作品は書店やウェブストアで詳細をご確認ください。

「雨と君と」(著:水谷フーカ、小学館)

小学生の主人公が教室に入れなくなる経緯と、周囲の大人や友人との関わりを丁寧に描いた作品です。子どもの内面の揺れ動きが繊細に表現されており、保護者の方が「子どもはこんなふうに感じていたのかもしれない」と気づくきっかけになるかもしれません。子どもと一緒に読み、感じたことを話してみるきっかけとしても使いやすい一冊です。

「不登校の真実」(著:長谷川ちひろ、集英社クリエイティブ)

不登校を経験した著者が自身の体験をもとに描いたコミックエッセイです。子どもの視点で「何が辛かったのか」「何が助けになったのか」を振り返った作品で、保護者の方が子どもの気持ちに近づくための一冊として参考になりえます。「当時、こう言ってほしかった」という著者の言葉が、保護者の方の接し方を振り返るきっかけになることもあります。

「ちはやふる」(著:末次由紀、講談社)

不登校を直接テーマにした作品ではありませんが、「好きなことに夢中になる力」「仲間との出会いで世界が広がる」という体験を描いており、学校以外の居場所を見つけていくことへの希望を感じさせます。学校に行けない時期でも、好きなことが自信の根っこになるということを、物語が静かに伝えてくれます。全45巻という長編ですが、最初の1巻だけ手にとってみるだけでも、十分に物語の世界に引き込まれます。

「不登校でも学べる」(著:御手洗直子、小学館)

保護者の視点から不登校の日々を描いたコミックエッセイです。「正解がわからないまま子どもと向き合う」リアルな日常が描かれており、「うちだけじゃない」と思える保護者も多い作品とされています。親子ともに読める内容で、特に不登校の初期に「どう過ごせばいいかわからない」と感じている保護者の方にとって、読んでいて少し気持ちが楽になるかもしれません。

「僕だけがいない街」(著:三部けい、KADOKAWA)

不登校がメインテーマではありませんが、主人公が過去に戻って子どものSOSに気づく物語として、「子どものつらさに早く気づいてあげたい」と感じている保護者の方の心に響く作品です。サスペンス要素が強いため、中学生以上のお子さんや保護者の方向けです。読み終えたあと、「もっと早く気づけたかもしれない」という気持ちよりも、「今からできることを考えよう」と前向きになれるような読後感があります。

なお、上記の作品情報は各出版社の公開情報をもとにしていますが、内容・出版状況は変更される場合がありますので、ご購入前に最新情報をご確認ください。

家庭でのマンガの活用のしかた

マンガを「子どもに読ませよう」と意気込む必要はありません。さりげなく本棚や手の届く場所に置いておくだけで十分です。「これ読んでみて」と勧めてしまうと、かえって子どもにプレッシャーになることがあります。保護者の方が先に読んで、「面白かった」「なんか泣けた」と自然に話すと、子どもの方から「どんな話?」と聞いてくることもあります。

また、保護者の方自身が読むことで、「子どもはもしかしてこういう気持ちなのかな」という想像力が少し広がるだけでも、日々の声かけや接し方にほんのわずかな変化が生まれるかもしれません。正解の関わり方を探すのではなく、「理解しようとしている」という姿勢そのものが、子どもにとっての安心感につながることがあります。

まとめ

「何かしてあげたいけれど、何をすればいいかわからない」そんな日々の中で、一冊のマンガが子どもの心に小さな光を届けることがあります。読み聞かせるのではなく、さりげなく本棚に置いておくだけでも十分です。保護者の方が先に読んで、「こういう気持ちだったのかな」と想像を深めるきっかけにしていただけたら、それもまた意味のあることだと思います。

不登校の子どもの数は過去最多を更新し続けていますが、その分、同じ経験をした人たちが描いた物語も少しずつ増えています。マンガという「ゆっくり、自分のペースで読める媒体」を通じて、子どもも保護者の方も、少しずつ自分の気持ちを整理していけたらと思います。あなたもお子さんも、一人ではありません。

・文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査(2023年度)」https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/
・こども家庭庁 不登校・いじめ対策パッケージ https://www.cfa.go.jp/
・文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155.htm

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・不登校の子どもへの声かけと接し方:https://futoukou.co.jp/parents-support/
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