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スクールカウンセラーの役割と不登校支援の活用法

スクールカウンセラーの役割と不登校支援の活用法

「学校にスクールカウンセラーがいると聞いたけれど、何を相談できるのかわからない」と感じている保護者の方は多いのではないでしょうか。文部科学省の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(2023年度)によると、小・中学校における不登校児童生徒数は約34万6,000人に達しており、過去最多を更新し続けています。これほど多くの子どもたちが学校に行けない状況にある中で、スクールカウンセラーは保護者と学校をつなぐ重要な役割を担っています。どのような支援を受けられるのか、保護者の方がどのように活用できるのかを、以下で詳しくお伝えします。

目次

スクールカウンセラーとはどんな専門家なのか

スクールカウンセラー(以下、SCと表記)とは、学校に配置されている心理専門職のことです。文部科学省が定める配置基準では、公認心理師・臨床心理士・精神科医・大学教員などの資格・経歴を持つ人が担当することとされています。

SCは教師ではありません。成績をつけたり授業をしたりする立場ではなく、心理的な側面から児童生徒や保護者、さらには教師を支えることが役割です。この「立場の違い」が、担任の先生には話しにくいことをSCには話せる、という安心感につながることがあります。

具体的には、学校内に相談室が設けられており、予約制で面談をおこなうことが一般的です。SCの勤務日は週に1日程度の学校も多く、毎日いるわけではない点は知っておきたいところです。勤務頻度や相談時間は学校・自治体によって異なるため、担任の先生や学校の窓口に確認するとよいでしょう。

文部科学省では、SCの活動をおおきく「相談活動」「コンサルテーション」「コーディネーション」の3つに位置づけています。つまり、子どもへの直接支援だけでなく、保護者への助言や、学校内の関係者をつなぐ調整役としての機能も持っているのです。「先生ではない心理の専門家」として、学校という場に存在することそのものに意味があると言えます。

不登校の子どもにとってSCはどんな存在になれるか

不登校の子どもがSCに相談できることは、大きく分けて次の4つです。

1.気持ちを安全に話せる場を持つこと
2.学校復帰や別の進路に向けた心理的な準備
3.友人関係・家族関係などのストレスの整理
4.必要に応じた医療機関・専門支援機関への橋渡し

特に重要なのは「4」の橋渡し機能です。不登校の背景には、発達障害・起立性調節障害・うつ状態など、医療的なサポートが必要なケースも少なくありません。SCは心理の専門家として、「これは医療機関への相談が必要かもしれない」という判断の目安を持っており、適切な機関につなぐ役割を果たすことができます。

ただし、SCは診断や治療をおこなうことはできません。医療的な診断が必要な場合は、SCの助言を参考にしながら、児童精神科や小児科などへの受診を検討することが大切です。SCはあくまでも「支援のチームの一員」であり、一人で全てを解決する存在ではないという点は、保護者の方にも理解しておいていただきたいところです。

また、子どもがSCに会うことを拒否している場合、保護者だけがSCに相談することも可能です。「子どもを連れて行かなければならない」と思っている方もいますが、保護者の方一人での相談も歓迎されています。

保護者がSCを活用するためのポイント

保護者の方がSCをうまく活用するために、知っておきたいポイントを整理します。

1.相談の予約は担任か事務室から
 多くの場合、SCへの予約は担任の先生や学校の事務室を通しておこないます。「SCに相談したい」と伝えれば、学校側が調整してくれます。

2.話す内容を事前に整理しておく
 相談時間は1回45〜50分程度が一般的です。「子どもが最近こういう様子で」「家ではこんなことが起きている」と具体的に伝えると、SCも的確なアドバイスをしやすくなります。

3.SCだけに頼らず、担任・養護教諭・外部機関と連携する
 SCの勤務日は限られているため、困りごとが出たときにすぐ相談できるわけではありません。担任の先生や養護教諭、あるいは教育支援センター(適応指導教室)など複数の支援資源を並行して活用することが大切です。

4.秘密保持の範囲を確認する
 SCには守秘義務がありますが、子どもの安全が脅かされると判断された場合などは例外となることがあります。「話した内容はどこまで共有されるか」について、最初に確認しておくと安心できます。

文部科学省は「生徒指導提要」(2022年改訂版)の中で、SCを含む「チーム学校」の体制を整備する方向性を明示しており、SCが学校内の多職種連携の中心的な役割を担う存在として位置づけられています(出典:文部科学省「生徒指導提要」2022年12月)。

SCで対応できないケースと次のステップ

SCは万能ではありません。以下のようなケースでは、SCだけでの対応には限界があり、専門機関への連携が必要になります。

1.医療的な診断が必要な場合:発達障害の診断・起立性調節障害の治療・うつ状態の投薬管理などは、医療機関が担います。SCは「医療が必要かもしれない」という気づきを与えてくれますが、治療はできません。

2.長期・重度のひきこもり状態:学校に関連しないひきこもり支援は、厚生労働省が推進する「ひきこもり地域支援センター」や「子ども・若者総合相談センター」が窓口となります。

3.経済的な困難を伴う場合:家庭の経済的な問題がある場合は、学校のスクールソーシャルワーカー(SSW)や自治体の福祉窓口が適切な相談先です。SSWは福祉の専門職で、SCとは異なる役割を持っています。

4.発達障害の専門的な支援:放課後等デイサービスや発達支援センターが担う部分もあり、SCとの連携が有効です。

こども家庭庁(2023年設立)は、こうした複数の支援機関が連携して子どもと家庭を支える「こどもまんなか」の体制づくりを推進しており、SCはその体制の中の一つのピースとして機能する存在です。SCを入口にして、必要な支援へと段階的につながっていくという使い方が、現実的かつ効果的だと言えるでしょう。

まとめ

スクールカウンセラーは、不登校の子どもや保護者を「心理の側面」から支えてくれる専門家です。成績や出席に直接関わる教師ではないからこそ、率直な気持ちを話しやすい存在でもあります。文部科学省の「生徒指導提要」(2022年12月)でも、SCは「チーム学校」の重要な一員として位置づけられており、担任・養護教諭・SSWなどと連携しながら支援をおこなう体制が整備されつつあります。SCを活用するときは「全て解決してもらおう」と考えるより、「支援のチームに一人加わった」というイメージを持つと、過度なプレッシャーなく相談しやすくなります。まずは学校に「SCに相談したい」と一言伝えることからはじめてみてください。

・文部科学省「生徒指導提要(令和4年12月)」https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/
・文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果(2023年度)」https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/
・こども家庭庁 公式サイト https://www.cfa.go.jp/

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