毎朝、学校に行かないお子さんの横で「今日はどうしよう」と胸が痛くなる。そんな日々が続いて、心も体も限界に近づいている保護者の方は、決して少なくありません。「疲れた」と感じることは、弱さではありません。それだけ一生懸命、お子さんのことを考えてきた証です。つらいですよね。まず、あなたがここまで頑張ってきたことを、どうか認めてあげてください。
「疲れた」と感じるのは、あなただけではありません
不登校のお子さんを持つ保護者の方が「疲れた」と感じるのは、ごく自然なことです。毎日の送り出しの心労、学校との連絡、将来への不安、そして「自分の育て方が悪かったのではないか」という自責の気持ち。これらが積み重なって、心が消耗していくのは避けられないことではないでしょうか。
文部科学省の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(2023年度)によると、小・中学校における不登校の児童生徒数は約34万6千人にのぼり、過去最多を更新しています。これは全国の小中学生の約3.7パーセントにあたる数字です。(出典:文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」2023年度)
つまり、今この瞬間にも30万人以上の保護者の方々が、あなたと同じような気持ちを抱えながら毎日を過ごしているということです。「自分だけがこんなに苦しいのだろうか」と孤独を感じている保護者の方は多いのではないでしょうか。でも、あなたは決してひとりではありません。
お子さんを思うからこそ疲れるのです。愛情があるからこそ、こんなにも心が揺れるのです。あなたのその思いは、きっとお子さんに伝わっています。
お母さんが自分を責めてしまう理由
「もっと早く気づいてあげられたら」「私の接し方が間違っていたのかも」。こうした思いが頭を離れない、という保護者の方は多いのではないでしょうか。その気持ち、とても理解できます。
不登校の原因はひとつではなく、学校環境、友人関係、本人の気質、家庭外のさまざまな要因が複雑に絡み合っていることが多い、とされています。文部科学省の調査でも、不登校の主要因として「無気力・不安」が最も多く挙げられており、これは家庭のみで完結する問題ではないことが示されています。(出典:文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」2023年度)
それでも「自分のせいかもしれない」という気持ちはなかなか消えないものです。その思いを「そんなことはない」と言葉で否定されても、かえって「わかってもらえない」と感じてしまうこともあるでしょう。だからここでは、ただ受け止めさせてください。
あなたが自分を責めてしまうのは、それだけお子さんのことを大切に思っているからです。その愛情の深さが、あなた自身を追い詰めてしまっているのかもしれません。責める気持ちを手放すのは簡単ではありませんが、少しずつ「これだけやってきた」という自分へのやさしさも持ってほしいと思います。
疲れたときに試してほしい「自分のための時間」
お子さんのことを考え続けているお母さんに、まず伝えたいことがあります。あなた自身が少し休むことは、逃げではありません。保護者の方が心のゆとりを持てているかどうかは、お子さんの回復にとっても大切な要素のひとつだという見方があります。
毎日の生活の中で、ほんの少しでも「自分だけの時間」を作ることを試してみてはいかがでしょうか。具体的には、以下のような方法が一般的によく紹介されています。
- 家族や信頼できる人に「今日だけ代わってほしい」と伝えてみる。全部ひとりで抱えようとしなくて大丈夫です。
- 不登校の保護者向けの自助グループや親の会に参加してみる。同じ立場の方と話すだけで、気持ちが楽になることがあります。
- スクールカウンセラーや教育相談センターで、お子さんの相談だけでなく「自分がつらい」という気持ちを話してみる。
こども家庭庁は、こどもと家庭の福祉・健康の向上を支援することを使命としており、保護者の方が相談できる窓口の案内も行っています。(出典:こども家庭庁 公式サイト https://www.cfa.go.jp/)ひとりで抱え込まず、専門家や支援機関に頼ることは、賢明な選択です。
「先の見えない不安」に向き合うために
「この子はこのままで大丈夫なのか」という不安は、不登校の保護者の方が抱えるもっとも大きな悩みのひとつではないでしょうか。将来の進路や学歴、社会への復帰など、考え始めると不安が止まらなくなってしまうこともありますよね。
ここで少し、視野を広げてみてください。不登校を経験したお子さんが通う通信制高校の生徒数は年々増加しており、文部科学省の調査によると2023年度の通信制高校在籍者数は約26万7千人にのぼっています。(出典:文部科学省「学校基本統計」2023年度)通信制高校やサポート校では、生徒だけでなく保護者の方への支援体制を整えている機関も多く、学びの場は全日制だけではありません。
今すぐ答えを出そうとしなくて大丈夫です。お子さんのペースで、少しずつ前に進める道は必ずあります。今は「休む時間」が必要な時期なのかもしれません。焦らなくていいのです。
あなたがどんなに疲れていても、毎日お子さんのそばにいようとしていること、それ自体がお子さんへの深い愛情です。その気持ちは、言葉にしなくても、きっと伝わっています。
まとめ
「疲れた」と感じることは、弱さでも失敗でもありません。それだけ全力でお子さんに向き合ってきた証です。文部科学省の調査では不登校の児童生徒数は34万人を超えており、同じ状況を抱える保護者の方は全国にたくさんいらっしゃいます。あなたはひとりではありません。
まずは、誰かに話を聞いてもらうことから始めてみてください。スクールカウンセラー、教育相談センター、こども家庭庁の相談窓口など、頼れる場所は思っているよりも多くあります。自分を責めるのを少し休んで、「よくやっている」とご自身をねぎらう時間も、どうか大切にしてください。お子さんの笑顔のためにも、まずあなた自身が少し楽になれますように。
・文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/
・文部科学省「学校基本統計(学校基本調査)」https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kihon/1267995.htm
・こども家庭庁 公式サイト https://www.cfa.go.jp/
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