「通信制高校を出ても就職できるの?」という不安を、保護者の方からよく耳にします。全日制高校と比べて不利なのではないか、採用担当者にどう見られるのかと心配されている方は少なくありません。ただ、就職の実態は「通信制か全日制か」よりも、在学中に何をしてきたか、卒業後にどう動くかによって大きく変わってくるという傾向があります。2026年現在の実情を、保護者の方がお子さんに伝えやすい形で整理しました。
通信制高校卒業者の就職状況:データで実態を確認する
文部科学省が毎年実施している「学校基本調査」によると、通信制高校の卒業後の進路は、大学・短大・専門学校への進学が全体の半数程度を占め、就職は20〜30%台で推移している傾向があります(出典:文部科学省「学校基本調査」各年度版)。ただし、この数字には「進路未決定」として扱われる卒業生も含まれており、卒業後に時間をかけて就職活動を進めるケースも珍しくありません。
大切なのは、「通信制高校を卒業したから就職できない」という事実はないということです。企業の採用側が重視するのは、学校の種別よりも「この人と一緒に働けるか」「必要なスキルや姿勢があるか」という点であることが多いとされています。高卒採用の場合、応募資格は「高校卒業(見込み含む)」と書かれているケースが大半であり、通信制高校の卒業資格は全日制と同等です。
一方で、在学中に就職指導を受ける機会が全日制と比べて少ない学校もあることは事実です。通信制高校によってサポート体制の差が大きいため、どのような進路支援を提供しているかを事前に確認しておくことが重要になります。
就職をめぐる実態:企業はどう見ているのか
「通信制高校出身というだけで不採用になる」という話を耳にしたことがある保護者の方もいるかもしれません。実際のところ、採用担当者の認識は企業によって大きく異なります。
近年は通信制高校の在籍者数が急増しており、N高等学校の公式HPによると2025年12月末時点でN高グループの全校生徒数は35,744名に上っています(出典:N高等学校公式HP、取得日2026年5月)。これほどの規模になると、採用市場においても「通信制卒業者が珍しくない」状況になりつつあります。
注意が必要なのは、就職活動の面接で「なぜ通信制高校を選んだのか」を聞かれた際の答え方です。「不登校だったから」と答えること自体は問題ではありませんが、その経験から何を学び、どう乗り越えてきたかを言葉にできると評価につながりやすい傾向があります。この点は、在学中から少しずつ言語化しておくとお子さんの自信にもなりますし、就職活動での強みになりえます。
学校選びが就職準備に直結する理由
就職を意識するなら、通信制高校選びの段階から「就職支援の充実度」を確認しておくことをおすすめします。学校によってサポートの内容に大きな差があるからです。
たとえば第一学院高等学校では、AIスキル専攻や社会探究×総合型選抜専攻など多様なコースが用意されており(出典:第一学院高等学校公式HP、取得日2026年5月)、将来の就職や進学につながるスキルを在学中から養う環境が整えられています。クラーク記念国際高等学校は1992年の開校以来、全国各地の拠点で教育を展開しており、進路実績を公式HPで確認できます(出典:クラーク記念国際高等学校公式HP、取得日2026年5月)。
学校によっては、就職担当のスタッフが常駐しており、ハローワークと連携して求人を紹介している場合もあります。また、在学中にインターンシップや職場体験のプログラムを設けている学校では、卒業前から実際の職場環境に触れる機会が得られます。こうした違いは、学校説明会や資料請求だけでは見えてこないことも多いため、個別相談の場で直接担当者に確認するのが最も確実です。
保護者の方が学校説明会や個別相談で確認しておきたい項目としては、次の点が参考になります。
・高卒就職の支援制度や担当スタッフの有無
・ハローワークや企業との連携実績
・インターンシップや職場体験の機会があるか
・卒業後の進路データを開示しているか
学校説明会や個別相談の前に複数校の情報を比較しておく方法もあります。候補校を2〜3校に絞り込んだうえで説明会に臨むと、質問も整理しやすくなります。
在学中から就職に備えるための具体的な準備
通信制高校在学中にできることは、意外と多くあります。就職に向けた準備を早めに始めることで、卒業後の動き出しがスムーズになります。
「資格取得」は、最もわかりやすい準備の一つです。漢字検定・英語検定・簿記・ITパスポートなど、高校生のうちに取得できる資格は少なくありません。履歴書に書ける実績が増えることで、就職活動において「在学中に何をしていたか」を具体的に示せるようになります。
「アルバイト経験」も就職活動で評価されやすい実績です。通信制高校は登校日数が少ないぶん、週3〜4日働く時間的な余裕がある学校も多く、職場でのコミュニケーションや責任感を学ぶ場として活用できます。
「ハローワーク(公共職業安定所)」は高校生の就職相談にも対応しています。在学中から担当者に相談しておくと、卒業後すぐに動ける体制が整います。一人での相談が難しい場合は、保護者の方が同席して構いません。
お子さんが就職について「まだ先のこと」と感じているなら、無理に話題にしなくて大丈夫です。まずは「通信制高校で高卒資格をとること」を最優先にして、進路の話は落ち着いてから少しずつ進めていただければと思います。
まとめ
通信制高校の卒業資格は全日制と同等であり、就職の可能性は十分にあります。ただし、学校によって就職支援の充実度に差があるため、在学中のサポート体制を事前に確認することが大切です。資格取得・アルバイト・ハローワーク活用など、在学中からできる準備を少しずつ積み重ねていくことで、卒業後の就職活動が進めやすくなります。まずは「今の学校でどんなサポートを受けられるか」を学校側に確認することを、具体的な最初の一歩としてご検討ください。
・文部科学省「学校基本調査」各年度版 https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa01/kihon/1267995.htm
・N高等学校 公式HP https://nnn.ed.jp/
・第一学院高等学校 公式HP https://www.daiichigakuin.ed.jp/
・クラーク記念国際高等学校 公式HP https://www.clark.ed.jp/
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