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5月に子どもが学校を休みがちになる理由と保護者の対応策

5月に子どもが学校を休みがちになる理由と保護者の対応策

「4月はなんとか通えていたのに、ゴールデンウィーク明けから突然行けなくなった」という声は、毎年この時期に多く聞かれます。いわゆる「5月病」と呼ばれる状態は、子どもにも起こりやすく、不登校のきっかけになるケースも少なくありません。お子さんの変化に戸惑っている保護者の方に向けて、5月に学校を休みがちになる背景と、今日から始められる具体的な対応を整理します。

目次

5月に不登校が増えやすい背景を理解する

「5月病」という言葉は、本来は新社会人に使われることが多かった表現ですが、近年は学齢期の子どもにも同様の状態が見られると指摘されています。

なぜ5月に顕在化しやすいのかというと、4月の新学期に「がんばろう」という緊張感で乗り切った心身の疲労が、ゴールデンウィーク中の「休息」をきっかけに一気に表面化するためです。ゴールデンウィーク中に登校しないことで気持ちが落ち着いてしまい、連休明けに「もう学校に戻れない」という感覚を持つ子どもも多くいます。

文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査(令和5年度)」によると、小・中学校における不登校児童生徒数は約34万6,000人に達し、過去最多を更新しました(出典:文部科学省 生徒指導、2026年5月取得)。調査では学年別・時期別の詳細な分析も行われており、新年度が始まってしばらくたった時期に欠席が増える傾向があることが指摘されています。

つまり、お子さんがゴールデンウィーク明けから「学校に行きたくない」と言い始めたとしても、それは突然起きたことではなく、4月から蓄積してきた疲労やストレスが表に出てきた状態であることが多いのです。「急に弱くなった」「気持ちがたるんでいる」と判断するのは早計で、まずは子どもの心身の状態を丁寧に把握することが大切です。

子どものサインを見逃さないチェックポイント

5月病的な状態の子どもは、「学校が嫌だ」とはっきり言葉にできないことも多く、保護者の方が気づきにくい形でサインを出していることがあります。以下のような変化が見られたときは、子どもが助けを求めているサインかもしれません。

1.朝になるとお腹が痛い、頭が痛いと訴えるが、休日は元気に過ごせている
2.ゴールデンウィーク中から表情が暗くなり、会話が減った
3.「明日から行く」と言いながら翌朝になると動けなくなる
4.夜眠れない、または逆に昼間ずっと眠そうにしている
5.スマートフォンやゲームの時間が急に増え、現実逃避的な様子が見られる

これらは決して「甘え」や「さぼり」ではなく、心身がSOSを出しているサインである可能性があります。こども家庭庁は、こどもにとっていちばんの利益を考えた支援の重要性を継続的に発信しており、子どもの訴えを頭ごなしに否定しないことが支援の出発点だと述べています(出典:こども家庭庁 公式サイト、2026年5月取得)。

大切なのは、症状の有無よりも「お子さんが今どんな状態にあるか」を保護者の方が受け止める姿勢を持つことです。まずは「学校に行けない理由を言いなさい」と問い詰めるのではなく、「最近しんどそうだね、何かあった?」という柔らかい声かけから始めてみてください。

今すぐできる保護者の対応と関わり方

お子さんが学校を休みがちになったとき、保護者の方が最初にできることを整理します。

「1.無理に登校させようとしない」
ゴールデンウィーク明けの数日間、休ませることで状態が改善するケースがあります。「今日だけ休んでもいい」という許可が、子どもにとって大きな安心につながることがあります。

「2.日常の生活リズムを整える」
学校を休む日でも、起床・食事・就寝の時間はできるだけ維持するよう声かけをしてください。昼夜逆転が続くと、復帰への心理的ハードルがさらに上がってしまう傾向があります。

「3.担任の先生や学校に早めに連絡する」
「5月病かもしれない」という状況を学校と共有しておくだけで、先生の対応が変わることがあります。「しばらく様子を見たい」という意向を伝えるだけでも構いません。欠席が続く場合は、スクールカウンセラーへの相談も選択肢のひとつです。

「4.専門機関への相談を検討する」
1〜2週間経っても状態が改善しない場合や、身体症状(腹痛・頭痛・発熱など)が続く場合は、小児科やかかりつけ医への受診を検討してください。起立性調節障害など、身体的な原因が隠れているケースもあります。また、不登校に関する相談は、各都道府県の教育委員会や教育支援センター(適応指導教室)でも受け付けています。

保護者の方自身が「どうして行けないの」という焦りを持つのは自然なことです。しかし、まずお子さんが「家は安心できる場所だ」と感じられる環境を整えることが、回復への第一歩になります。

長期化した場合の選択肢を早めに把握しておく

5月の休みが長引いて「このまま不登校になってしまうのでは」と心配される保護者の方も多くいらっしゃいます。ここで重要なのは、不登校が長期化したとしても、学びや将来への道は複数あることを知っておくことです。

5月・6月の段階で把握しておきたい選択肢を整理します。

「フリースクール・教育支援センター」
在籍している学校に通わず、別の場所に通うことができる制度です。校長の判断によって、フリースクールへの出席を在籍校の出席として認めてもらえる場合があります。

「通信制高校・サポート校(高校生・高校進学を考える場合)」
週1〜5日から通学頻度を選べる通信制高校は、不登校経験がある生徒にとって学びやすい環境として広く活用されています。通信制高校サポート校は、レポート提出やスクーリングのサポートを行いながら高校卒業を目指せる場所として機能しています。

「高卒認定試験(高校在籍が難しい場合)」
高校を中退、または進学しなかった場合でも、高卒認定試験に合格することで大学・専門学校への受験資格を得ることができます。2026年度は8月と11月に試験が予定されており、夏以降の取り組みとして検討することができます。

どの選択肢が合うかはお子さんの状態や希望によって異なりますが、「今の学校に戻ることだけが唯一の道ではない」という視点を持っておくだけで、保護者の方の気持ちも少し楽になるのではないでしょうか。

まとめ

5月はお子さんの「変化」に気づきやすい時期です。ゴールデンウィーク明けから学校を休みがちになるケースは、毎年多く見られる現象であり、決して特別なことではありません。文部科学省のデータが示すように、不登校の件数は増加傾向にあり、多くのご家庭が同様の状況を経験しています。

まずはお子さんの言葉に耳を傾け、「今はゆっくりしていい」という安心感を届けることから始めてみてください。そのうえで、担任の先生への連絡、専門機関への相談、通信制高校やフリースクールといった選択肢を一つひとつ確認していくことが、焦らず着実な対応につながります。一人で抱え込まず、学校・相談機関・地域の支援をうまく活用してください。

・文部科学省「生徒指導上の現状・施策」https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/
・文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査(令和5年度)」https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/
・こども家庭庁 公式サイト https://www.cfa.go.jp/

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・不登校の回復プロセスと保護者の関わり方:https://futoukou.co.jp/recovery/
・通信制高校とサポート校の違いと選び方:https://futoukou.co.jp/correspondence-school/
・不登校の相談窓口と支援制度の使い方:https://futoukou.co.jp/support-system/

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