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不登校を経験したスポーツ選手から学ぶ「休むこと」の意味

不登校を経験したスポーツ選手から学ぶ「休むこと」の意味

「うちの子、スポーツが好きだったのに、学校に行けなくなってから練習にも行かなくなって……」。そんな声を、子どもの不登校に直面した保護者の方から聞くことがあります。スポーツと学校生活は、多くの家庭でひとつながりに見えています。だからこそ、学校から離れた瞬間に、スポーツまで失ってしまったように感じてしまうのかもしれません。でも、それは本当にそうなのでしょうか。

実は、かつて学校に通うことが難しかった時期を経験しながら、のちにトップアスリートや競技者として活躍した方々が、日本にも海外にも存在します。そうした方々の歩みを知ることは、今まさにお子さんの不登校と向き合っている保護者の方にとって、きっと小さな灯りになるはずです。

目次

不登校の子どもとスポーツの関係

文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(2023年度)によると、小・中学校における不登校児童生徒数は約34万6,000人に上り、過去最多を更新し続けています。この数字は社会の注目を集めていますが、一方で「不登校の子どもたちがどのように過ごしているか」という視点は、まだ十分に語られているとはいえません。

学校を離れた子どもたちの中には、スポーツクラブや地域の活動を通じて「自分の居場所」を見つけているケースも少なくないと報告されています。文科省の生徒指導ページでも「体験活動の推進」が重点施策のひとつとして掲げられており(出典:文部科学省「生徒指導等について」)、学校という空間を超えた体験・活動の重要性が認識されつつあります。

スポーツは、成果や勝敗だけではなく、「身体を動かすこと自体の喜び」「チームに属する安心感」「自分の変化を感じる手ごたえ」を与えてくれる場です。学校生活とは切り離して、スポーツを「生きる力を育てる場」として捉え直してみることも、ひとつの視点ではないでしょうか。

休んだ経験が、強さになった選手たち

公表されている情報の中には、学生時代に不登校や長期欠席に近い経験をしながら、のちに活躍した競技者の声が伝わっています。

たとえば、学校になじめなかった時期について本や取材で振り返るアスリートが、国内外で一定数います。共通しているのは、「学校に行けなかった時期があったからこそ、自分を見つめ直せた」という語り口です。もちろんこれはすべての人に当てはまる話ではありませんが、「休んだ時間がすべて無駄だった」と語る人がほとんどいないことは、注目に値するのではないでしょうか。

アメリカのスポーツ心理学の分野では、「アスリートのメンタルヘルスと幼少期の困難な経験の関連」を探る研究が進んでいます。米国オリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)は選手のメンタルヘルス支援を公式に強化しており、「困難な経験はレジリエンス(回復力)の基盤になりうる」という見解が、競技の場でも語られるようになっています(出典:USOPC公式サイト「Mental Health Resources for Athletes」)。

お子さんが今、立ち止まっている時間は、弱さの証明ではありません。むしろそれは、自分自身を内側から作り直している時間である可能性があります。

スポーツを「学校の附属物」にしない

日本では長らく、部活動が「学校に通うこと」とセットになっていました。学校を休むと部活にも出られない、という構造が多くの学校で続いています。しかし近年、地域移行や民間スポーツクラブの広がりによって、その関係は少しずつ変化しています。

こども家庭庁が掲げる「こどもまんなか社会」の実現に向けた施策においても、子どもが多様な形で社会や活動とつながることの重要性が強調されています(出典:こども家庭庁「こどもまんなか社会の実現について」)。学校の外にも、子どもが夢中になれる場を探すことは、今の時代においてごく自然な選択肢になっています。

通信制高校やサポート校の中には、スポーツや体験活動を積極的に取り入れているところもあります。学校という枠にとらわれず、お子さんの「好き」を中心に置いた学習環境を選ぶことができるのは、今の時代の大きな強みです。「今の学校の仕組みに合わない」と感じているお子さんでも、スポーツや身体を動かすことへの関心が残っているなら、それはとても大切なサインです。どうかその「好き」を、保護者の方が静かに守ってあげてください。

まとめ

学校に行けない日々が続いていても、スポーツへの関心や身体を動かしたいという気持ちは、お子さんの中で生きています。過去に不登校や困難な時期を経験しながらも活躍したアスリートたちの歩みが示すように、「休んだ時間」は決して失われた時間ではありません。大切なのは、今のお子さんの状態を認めながら、スポーツや体験活動という「学校の外にある居場所」にも目を向けてみることです。あなたのお子さんは、今のペースで少しずつ前に向かっています。焦らなくて大丈夫です。

・文部科学省「生徒指導等について」https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/
・文部科学省「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査(2023年度)」https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/futoukou/
・こども家庭庁「こどもまんなか社会の実現について」https://www.cfa.go.jp/
・米国オリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)「Mental Health Resources for Athletes」https://www.teamusa.org/mental-health

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・不登校の子どもが見つける「居場所」の作り方:https://futoukou.co.jp/parents-support/
・通信制高校とサポート校の違いと選び方:https://futoukou.co.jp/correspondence-school/
・不登校から回復に向かうためのステップ:https://futoukou.co.jp/recovery/

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