「通信制高校だと推薦入試は受けられないのでは?」という不安を抱えている保護者の方は少なくありません。しかし、それは誤解です。通信制高校在籍中でも、評定平均をしっかりと積み上げることで、学校推薦型選抜や総合型選抜に挑戦できます。今日は「評定平均をどう上げるか」「どの推薦入試が有利か」という具体的な疑問に、手順ごとにお答えします。
通信制高校の評定平均とは何か
評定平均とは、高校で履修した全科目の成績(5段階評価)を平均した数値のことです。大学の学校推薦型選抜(指定校推薦・公募制推薦)では、多くの大学が出願条件として「評定平均3.5以上」「評定平均4.0以上」といった基準を設けています。
通信制高校の評定は、全日制・定時制と同じく文部科学省の学習指導要領に基づいて算出されます。つまり、通信制高校の評定平均が低く見られたり、「無効」と扱われたりすることは原則としてありません。ただし、各大学が指定校推薦の枠を通信制高校に割り当てているかどうかは、学校ごとに異なります。お子さんが在籍する学校の進路担当の先生に、「指定校推薦の枠があるか」を早めに確認することをおすすめします。
通信制高校の単位認定は、「レポート提出・スクーリング出席・試験」の三本柱で行われます。レポートの提出率や試験の得点が評定に直結するため、提出漏れが評定を下げる最大の原因になりやすいという傾向があります。逆に言えば、提出さえきちんと続ければ、評定を安定させやすい仕組みとも言えます。
通信制高校生が使える推薦入試の種類
通信制高校の生徒が活用できる推薦入試は、大きく3種類に分けられます。
1つ目は「指定校推薦」です。大学が特定の高校に推薦枠を割り当てる入試で、校内選考を通過すれば合格率が高い傾向があります。在籍する通信制高校に枠があるかどうかは学校次第ですが、N高等学校・第一学院高等学校・クラーク記念国際高等学校など大手の通信制高校では、指定校推薦の枠を一定数確保していることが多いとされています。最新情報は各校公式HPまたは進路担当にご確認ください。
2つ目は「公募制推薦(学校推薦型選抜)」です。出身高校を問わず広く募集する推薦入試で、通信制高校の生徒も出願できます。評定平均の基準は大学・学部によって異なりますが、3.0〜4.0程度を設けているケースが多いとされています。
3つ目は「総合型選抜(旧AO入試)」です。評定平均よりも「志望理由・活動実績・小論文・面接」を重視する傾向があります。通信制高校で空いた時間を使って取り組んできた活動(プログラミング・芸術・スポーツ・ボランティアなど)が評価対象になることもあり、通信制高校生に特に向いている入試形式と言われています。
評定平均を上げるための具体的な手順
評定平均をしっかりと積み上げるために、次の手順で進めることをおすすめします。
まず「1年生の4月から記録をつけること」が重要です。評定平均は高校3年間の全科目が対象になります。1年生の最初から意識して取り組むことが、最終的な数値を大きく左右します。通信制高校の場合、1科目ごとに「レポート提出期限・スクーリング日程・単位認定試験日」を一覧で把握することが第一歩です。
次に「レポートを期限内に提出すること」が欠かせません。通信制高校では、レポートが未提出だと単位を認定してもらえず、その科目の評定がつかない場合があります。評定なしの科目は平均を下げる要因になるため、提出管理が最重要です。
また「スクーリングを欠席しないこと」も重要なポイントです。スクーリング出席時数は単位認定の条件です。出席不足で単位を落とすと、推薦出願に必要な評定平均に影響します。
そして「定期試験・単位認定試験で高得点を狙うこと」も忘れてはなりません。試験の配点が評定に占める割合は学校によって異なりますが、試験対策を丁寧に行うことで評定アップにつながります。
第一学院高等学校では「プレミアムコース(大学進学専攻)」が設置されており(出典:第一学院高等学校公式HP、2026年5月取得)、大学進学を見据えた体制が整えられています。進学に力を入れている通信制高校を選ぶことも、評定管理のサポートを受けやすくなる選択肢のひとつです。
推薦入試に向けたスケジュールと逆算
推薦入試を目指す場合、高校3年生の秋が本番になります。そこから逆算すると、今(2026年5月)からできることは次のとおりです。
高校1〜2年生の場合は、まず評定平均を積み上げる時期です。全科目のレポート・スクーリング・試験を丁寧にこなすことが最優先になります。加えて、総合型選抜を見据えるなら「活動実績の記録」を今から残しておくと後で役立ちます。
高校3年生の4月〜6月には、志望大学の推薦要件を確認します。大学の募集要項は4〜6月頃に公表されることが多く、評定平均の基準・出願書類・小論文の有無などをこの時期に整理しておくことが重要です。
高校3年生の7月〜8月は、指定校推薦の校内選考が行われる時期です。在籍校の進路担当に選考の基準と締め切りを確認してください。公募制推薦・総合型選抜の出願は9月〜11月が多いため、この夏に志望理由書の下書きを始めておくとスムーズです。
高校3年生の9月〜11月が推薦出願・選考の本番です。総合型選抜は9月〜11月に実施される大学が多く、公募制推薦は11月前後が一般的です。在籍校の先生に添削を依頼しながら準備を進めてください。
なお、N高等学校は全校生徒数35,744名(2025年12月末時点、出典:N高等学校公式HP、2026年5月取得)を誇り、大学進学実績も毎年公表されています。複数の通信制高校の進学実績を公式HPで比較することも、学校選びの参考になります。
まとめ
通信制高校に在籍していても、評定平均を意識してレポート・スクーリング・試験に取り組むことで、学校推薦型選抜や総合型選抜への挑戦は十分に可能です。まず今週中に、①在籍校の進路担当に「指定校推薦の枠の有無」を確認すること、②志望大学の公募制推薦・総合型選抜の要件を調べること、この2点を始めてみてください。お子さんが通う通信制高校の先生を頼ることをためらわないでください。多くの通信制高校には、大学進学をサポートする体制が整っています。焦らず、1つひとつ確認を積み重ねていきましょう。
・N高等学校 公式サイト「N高グループの特長」https://nnn.ed.jp/
・第一学院高等学校 公式サイト「コース紹介」https://www.daiichigakuin.ed.jp/
・クラーク記念国際高等学校 公式サイト「学校紹介・進路実績」https://www.clark.ed.jp/
・みんなの通信制高校ナビ 公式サイト https://www.stepup-school.net/
関連記事
・通信制高校から大学進学を目指すためのロードマップ:https://futoukou.co.jp/correspondence-school/
・高卒認定から大学受験に挑戦する方法と費用:https://futoukou.co.jp/high-school-equivalency/
・不登校の子どもの進路を親子で考えるヒント:https://futoukou.co.jp/career-path/

コメント